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2024.8.25 FC町田ゼルビア vs アルビレックス新潟 マッチレビュー

おはこんばんにちは。

前節は、ホームで磐田に4-0で勝利。苦しい時期に勝ち点3を獲得しました。

そして今節はアウェイで新潟と対戦。新潟にはホームでの対戦で敗れているため、黒田ゼルビア初のシーズンダブルは避けたいところ。ただ、昨年の天皇杯でも新潟相手に敗れており、新潟は苦手なタイプのチームなのか。それとも、新潟のスカウティング担当が完全な穴を見つけているのか…いろいろ考えられますが、とにかく負けられない試合です。

では、振り返っていきます。

スタメン

町田:4-4-2
前節と同じスタメン。エリキを右SHに配置し、ゴール前の迫力を持たせる形。いわゆるエリキシフト(ここで名付けておく)。相馬いないなあ。

新潟:4-2-3-1
Football Labでは4-4-2表記だったけど、長倉がOMFって方がしっくりくる。前節から3枚変更。前日に徳島の民と会って、橋本健人の話したのに見れず残念。みんな大好き鈴木孝司は先発。太田修介とはまた会えず。

エリキシフト効果出ず…

試合開始前は雷と大雨で開催も心配されたが、予定通りの時間でキックオフ。結構な選手が滑っていたので、芝は相当濡れていたと思われる。

そんなピッチコンディションなので、新潟はボールを手放すかなと思いつつも、しっかりとボールを握ってきた。そして、序盤はその新潟のペース。

理由はいくつかあるだろうが、トランジションのところで新潟が圧倒していたからだろう。奪われた時は、すぐにボールホルダーを囲む。ボールを奪った時は縦に速く攻めるのか、それともゼルビアのプレスを掻い潜りながらボールを保持するのかの判断の精度が新潟は素晴らしかった。

この日のゼルビアはトランジションで劣り、要所要所で甘さを見せつつも、相手の最後の精度不足などもあり、ゴールや危ないシーンはそこまでなかったと思う。

ただ、特に前半は、あまりにも自陣で過ごす時間が長すぎて、いつもの町田らしさに欠けた時間だった。

この日のゼルビアは前途のように、エリキを右SHに配置して、左サイドから攻めて、エリキが中央まで絞ってゴール前の質と量を担保する役割を担っていた。

ただ、肝心の左サイドは藤本の得意とする足下で受け手から仕掛けるようなシーンが作れない。というのも、新潟がある程度、出し手のところに制限をかけていたとこと、対峙する右SBの藤原が完全にシャットアウトしていたからだ。

シャットアウトされると、当然新潟は保持に移っていく。だが、この時の切り替えが遅く、特に中に絞ってきていたエリキの戻りが遅いために、相手はこちらの右サイドから侵入してくることが多かった。

これが続くと、ヘンリーが一列前に飛び出て対応したり、白崎がサイドに出て対応したり、藤尾がサイドまで戻ってきて守備をしたりと、周りの選手がカバーに行き、被害を最小限に抑える、前進を食い止めていた。

新潟は左SHに司令塔タイプの長谷川を起用しており、左を使いたいという意図もあったので、両者の思惑が噛み合った時に、ゼルビアが不利になるように働いてしまったということだろう。

なので、エリキはハーフタイムでバイロンと交代。左の藤本のところで質を見せられなかったこともあるだろうが、失点を嫌う今のチームにおいて帰陣の遅さは致命的だ。

このエリキシフトは左SHのところで質を担保できないと収支がマイナスに働いてしまいそうな予感。まだ新潟だからギリ無失点で抑えられていた感。今後続けていけるかはその日の対戦相手に依存しそう。浦和と広島あたりはダメゼッタイ。

新潟のプレス回避の上手さ

新潟は相変わらず、プレスを引き付けてから逆を取るのが上手い。あと、SHの選手の立ち位置も良い。ゼルビアとしては捕まえにくい。

基本的には、両CBで回して、SBを使うこともあれば、CHのが降りてきたり、降りなかったりで三角形を変形させながら前進を試みる。

ただ、短い距離のパスだけではなく、CBからなかなかの精度のフィードも飛んでくる。

ゼルビアは基本的に4-2-4に近い形でプレスに行くので、SBにパスが来た時がプレスのスイッチになりがちで、そこからFWが食いついて、FWが空けたところに仙頭が出て行って…のように前から埋めていく形になる。だが、新潟はプレスにも慌てず、プレスをCBからのフィードで回避する。

正直、新潟の前線の選手たちはサイズがあるわけではないが、ゼルビアの最終ラインの背後にボールを蹴っていくことで、よーいドンのシンプルなスピード勝負に持ち込んでいた。なので、谷がペナルティエリアから飛び出して対応することが2度ほどあったし、シンプルな場面の方がバタつく傾向があった。

ここまでが高い位置で構えた時の形。ここからはミドルブロック、もしくはローブロックの時について。

新潟は先ほどまでと同じく、最終ラインでボールを動かしつつ、サイドから中にボールを入れていくケースがほとんど。この時、新潟はSHがゼルビアの両CHの両脇に立つので、仙頭(下田)と白崎が同時に2人を見るような形になり、マークの受け渡しが上手くいかなかったときに、ペナルティエリア近くまで侵入されるケースが多かった。

ただ、ブロックを横に揺さぶられる形が少なく、狭いエリアでの揺さぶりにとどまったため、ゴール前で大きな穴を見せることは無かった。どちらかというと、両チームが中央に密集したので、穴ができずらかったと言えるだろう。

新潟は自陣付近では、よく言う、接近・展開・連続の上手いチームだが、敵陣に入ると接近と連続のみになってしまい、展開が無かった。密集の中で質で打開できるようなアタッカーはこの試合ではいなかったように見えたので、最後の精度や形は整備していく必要がありそう。

ゼルビア的には、狭いエリアでも打開できそうな小見が、セットプレー連発のゼルビア押せ押せの雰囲気の中に埋もれてしまっていたのがありがたいところではあった。


試合結果

町田 0-0 新潟

さいごに

どうして荒木が最前線に入って、藤尾が右SHになったのかを試合中からずっと考えていたのだけれど、黒田さんが試合後会見でネタバレしていたので、一応貼ってみる。

–65分に荒木駿太選手を途中出場で送り出した後、藤尾翔太選手を右サイドハーフに配置転換し、荒木選手を2トップの一角で起用した狙いを聞かせて下さい。

「藤尾自身が精彩を欠いていたこともポジションを変えた理由の1つです。相手の厳しいマークもありましたし、ボールのコントロールミスや周りとの連係不足もあったため、守備もできる選手ですから、景色を変えながら前を向いてプレーできるような状況を作ろうとしました。荒木は(オ)セフンや(ミッチェル)デュークの周りで嗅覚鋭くボールに反応できる選手ですし、高い位置でセカンドボールを回収していこうという狙いもありました。荒木のシュートチャンスではあそこまで入り込んでいけたわけですから、シューターに対して、ニア、または並行、あるいはマイナスの位置に入っていく場面を一瞬で作り出さなければなりませんが、荒木がシュートを打たざるを得ない状況になったことにまだまだ詰めの甘さがあります。あの1本は、完全にゴールとして仕留めなければならないシーンでした」

https://www.zelvia.co.jp/match/game/255735/#report

ということで、オフェンスで藤尾がパッとしなかったので、守備のところで頑張ってもらおう。その代わりに荒木をルンバにして試合をかき回そうという感じでしょうか。

どちらにせよ、この試合はかなり守備重視だった。失点しないことをこれまで以上に重要視していたように見えます。要するに、失点しなければ負けない理論。とはいえ、荒木の器用貧乏感は否めず、コメントにあるように最後決めきってくれればというシーンでした。

悪いところばかりではなかったけど、良いところも少ない試合だった。得点も無く傍から見れば面白みに欠ける試合だったかもしれないが、結構面白かったです。

台風で微妙ですが、次節は国立初勝利頼みます!


最後までお読みいただきありがとうございました。

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