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2024.11.30 FC町田ゼルビア vs 京都サンガF.C. マッチレビュー

ホーム最終戦です。優勝争い、ACL出場圏内争いなどなど気になることが色々ありますが、まだリーグ戦は残っているということで、ちゃんと振り返っていきたいと思います。といいつつ簡単な振り返りになりますが。

スタメン

町田:3-3-2-2
前節と同じ3バックで、メンバーも変わらず。ベンチに負傷明けの中山と荒木が入った。怪我した時はシーズン中に戻ってくるとは思わなかったが、ファンサの動画に映ってたので、予想できたかな。練習中の風景だけじゃなくて、ハイタッチの動画とかも載せるのやめた方が良いと思いますけどね。私は。まあ難しい話題ですな。

京都:4-3-3
11/17に鹿島と試合があったので試合間隔がゼルビアより1週間短い京都。その試合でマルコトゥーリオが警告を受け、この試合は出場停止に。ありがたい話ではあるが、トゥーリオとエリアスそろい踏みの京都にどれだけできるかは見て見たかった。

ボールが外を回り続ける攻撃

この日のゼルビアもロングボール中心。特にオセフンと宮本、ヘンリーと佐藤のミスマッチを突くような形を繰り返していた。この日のオセフンはあまりストレスも無く、のびのびとやれていたように見えた。ヘンリーもミスマッチを活かして、クロスやシュートまで至ることができていた。頭で背後にそらして一気にゴール前に迫るというのは分かりやすく、統一されていた

一方の京都もそれは織り込み済みの様で、前半30分前後から最終ラインを高く設定し始めた。それはもちろん、オセフン、エリキあたりをオフサイドにするためであるが、あまりうまくいったようには見えなかった。というのも、競らずに最終ラインの背後に最初から蹴ってしまおう、最初から背後に走ってハイラインハイプレスを無効化しようとトレーニングから取り組んでいるかのような動きっぷりであった。

ミンギュのロングボールか昌子のサイドチェンジきっかけが序盤は多く、そのあとは青色の相手の背後へのランニングが目立った

京都の最終ラインは背走させられた時のボールの処理に苦労することが多く、それが顕著に出たのが後半の林が相手GKを交わしたシーンだろう。連携ミスが多いのと、DFの処理能力の低さが出ていた。(これはゼルビアも同じ)

だが、背後に走って、パスが通らなかったときの展開にゼルビアは苦労しているように見えた。ロングボールを使うことで、間延びしてしまい、セカンドボール争いが不利になることが多く、2次攻撃、3次攻撃になかなか繋げられない。そのため、両サイドの相馬、ヘンリーにボールを集めて個での突破を図る。ただ、人に強く来る京都のディフェンスに苦労していて、決定的なシーンはなかなか作れない。あってもセットプレーくらいだっただろうか。それはそれでゼルビアっぽい展開ではある。

豊川と原と前線の選手が積極的に守備に戻ってきていた前半はなかなか相手のブロックを崩すことができなかった。前途のように人に強く来る相手ディフェンスを嫌がってボールが外を回り続けたのもその理由の1つだろう。もう少しFWが中央でボールを受けて欲しいなと思うが、セフンはターンが苦手なのとエリキは負傷してから自力で突破を狙うことは無くなってしまったというのと、チームとしてクロスの練習ばかりしているからボールが中央のレーンに入っていかないのはあるだろう。

残り1試合で言うのも変だと思うが、もう少しチームとしてゴールに迫る形が欲しいと思うのは欲張りだろうか。

アンカー消せず、相手にやられたい放題

京都も基本的には相手の背後を使いたがるチームで、前半から何度もエリアスに入れ替わられて谷との1対1やそれに近いシーンを作られていた。先ほどは京都のディフェンスは背走に脆さを見せる的なことを言ったが、それはゼルビアの選手たちにも言えるのである。

ミンギュ、ドレシェビッチは結構簡単に入れ替わられてしまい、昌子のカバーで何とかなった場面も少なくない。これはエリアスのトラップなどの技術の高さもあるのだろうけど、基本的にこの2人が背走で脆さを見せるのはシーズン中ずっとだ。とはいえ、黒田ゼルビアは基本的に人に強く空中戦で勝てるCBを求めているのでトレードオフに近い気はする。

話を戻すと、じゃあ、どうしてエリアスに抜け出されるのか、という話になってくる。理由としては2つあると思っていて、①アンカーの福岡が浮いていた、②奪ったら縦の意識が強かった、の2つである。

①から振り返ると、アンカーの福岡が常に浮いていたということになる。これはエリキ、オセフンの2トップにしたデメリットで、守備の貢献度がグンと落ちてしまう。下の図のように福岡がフリーでCBからボールを引き取って前に展開というシーンが多かった。後半途中に藤尾や荒木が出てきてからは改善されたが、できれば前半のうちから改善して欲しかった部分ではある。

そして②の奪ったら縦の意識が強かったことだが、これは平戸を見れば明らかだった。平戸はチームの指示を遂行する能力に長けている(と個人的に思っている)ので、ゼルビア在籍時からこの選手を見れば、今日のやりたいことが分かると思っている。この日はすぐに前を向いて、背後へボールを蹴りまくっていた。そりゃあ、原とエリアスの単騎でも突破ができる選手がいれば奪ったら縦となるのは理解できる。

なので、ゼルビアのディフェンスに囲まれる前にボールを蹴っちゃうことで、1対1やそれに近い局面勝負に持ち込むことができていた。そこは特に中盤の3人は意識が強かったかなと。両SBの選手は内側に入って、セカンドボールを拾うようなタスクも担っていたりして、サイドからロングボールという形はあんまりなかった。

とはいえ、京都が先に先制していてもおかしくない展開だったし、鹿島はこういう隙を仕留められる選手が前線にいると思うので、こういうことが続くと逃してくれないだろうなあ。CBにプレッシャーに行くのか、中盤の選手を消しに行くのかはチームとしてきちんと決めた上で次節臨めることを願いたい。

試合結果

町田 1-0 京都
得点者:67' オウンゴール

さいごに

J1の舞台で平戸を野津田に迎えることができて本当に良かった。あの苦しいシーズンのキャプテンで、ゼルビアに帰ってきた経緯とか彼の周りにあるストーリーも相まっていろいろ背負わせすぎた気もするが、あの時はチームリーダーとなるような選手がクラブにいなかったし、仕方ない部分もあるのかなと思う。それでも平戸がいたから見れた景色があったことも事実だろうし、セットプレーの度に祈ったのも楽しい時間だった。

平戸が挨拶に来た時のあの野津田の光景は非常に感慨深いものであったし、これからもああやって挨拶に来てくれた選手には拍手で迎え続けたいなと思わされる時間だった。

そして残るはあと1試合だが、他力ではあるけれど最後まで優勝の可能性が残っているのは素晴らしいことだと思う。でも自分たちは目の前の試合に集中して、勝つしかなくて、そうすることでしか自分たちの可能性を広げられない。相手が、他会場が、とか色々あるけれどとにかく勝つしかないのだ。


最後までお読みいただきありがとうございました。

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