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FC町田ゼルビア 2025シーズンプレビュー
みなさん、改めまして明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
さて、開幕戦を週末に控えているこのタイミングでシーズンプレビューを公開です。
今シーズンの目標
始動直後のキックオフミーティングにて、黒田監督は今シーズンの目標を5位以上、何かしらのタイトル獲得とした。3位になった次のシーズンでは優勝と言ってしまいそうなところ、5位以上と保険をかけたところに若干の焦りや余裕の無さを感じるが、どうなることやら。
何かしらのタイトルを獲得!と目標設定したのも興味深い。昨シーズンは天皇杯で大量のケガ人を出して敗退し、一気に歯車が狂い始めた。事実上、コンペティションを1つ失ったチームは人員の整理が求められ、夏の移籍市場では大量の選手がチームを離れた。その後チーム内の競争力を失ったチームはルヴァンカップでも新潟に敗れ、リーグ戦も右肩下がりで終えた。
その反省を活かしてなのか、カップ戦にも注力するとのことだが、夏以降は未知のコンペティションであるACL(エリートなのかACL2なのかは未確定)も始まる。全部取りに行こうとすると、全部落とす可能性もあるが、去年の神戸は結局リーグと天皇杯優勝、ACLも上位につけている。それを考えると全部のコンペティションに全力で挑むことでしか見えない景色がありそう。
編成と基本布陣
編成の動きはこちらのリンクにまとめてます。
どうやら今シーズンは従来の4バックでなく、3バックが濃厚っぽい。そりゃあこれだけ層の厚いCBを集めたら3バックやりたいよね。では、シーズン通しての基本布陣の予想を。
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GK
キーパーは日本代表常連になった谷が一番手なのは堅そう。ただ、夏の欧州移籍というリスクもあるので、それに備えて、2番手以降の層を厚くしておく必要がある。ただ、今年はE-1選手権、来年はワールドカップもあるので谷自身がリスクを冒してまでヨーロッパに行くかは微妙。序列的には2番手以降をリードするのは出場試合数で勝る守田か。ACLがあるとはいえ5人は多い気もするので、夏に調整入りそう。
CB
3バックということで、基本は左に左利きの中山、中央に岡村と菊池、右に昌子とドレシェビッチ(イボ)を置いた。奈良坂はリハビリがんばれ。並べてみると左が薄い気がするが、昨シーズン終盤のように昌子が左、イボが右もあり得る。そうすると、中山を左SBに回せる。中央の岡村とダビドリューホ(菊池)の争いになるか。
SB/WB
4バックであれば、左に林もしくは中山、右が望月ヘンリーが一番手か。チームから出ている動画やファンサの人選を見ると中村が負傷してるっぽいので、序盤のやりくりが厳しそう。場合によっては林を右に回さざるを得ない試合もありそう。
3バック時のWBは左に相馬、右にヘンリーが序列的には上か。とはいえ、状況によっては相馬をシャドーに置いたり、バイロンに大外のレーンを司る役割を担わせることもありそう。
CH/DH
どうやら中盤はアンカー1人から2人に増えそう。そりゃあ中盤のフィルターを増やして、かつ地上戦にも力を入れるとなるとそういう選択になりそう。基本的には福岡から加入した前を軸に、その相方を誰にするか、という形になりそう。
世代がみんな同じなので、稼働率や運動量、守備の強度に不安を感じるところである。そういう意味でも宇野禅斗を手放したのは痛い…
シャドー
一番の激戦区。西村は堅そうで、その相方を誰にするかに頭を悩ませていそう。昨シーズンの延長線上で考えたらエリキなのだが、どうやら移籍しそう。3バックになって出場時間を減らしたナサンホと藤尾の争いになりそうだが、前者には負傷、後者には夏の海外移籍というリスクがある。地上戦にも力を入れていくとなると、リンクマンになれる髙橋大悟やACLの枠のことを考えると若手の高崎、チュイの突き上げも必要になってくる。もちろん苦しい時期の中島裕希の安定感も必要。
CF
もちろんオセフンが一番手になるのだが、こちらは韓国代表の常連となりヨーロッパからの接触もあるだろうし、本人の口からもその言葉が聞こえ始めている。そうなるとデュークと桑山が評価を上げていく必要がある。桑山はJ1でもそれなりにやれそうなフィジカルを持っていると思うので期待。
守備の課題とどう向き合うのか
黒田体制で継続して解消されない守備の課題があり、それがサイドのマークの受け渡しと最終ラインの背後のケアの2つ。詳しくはだらだらと2024シーズンレビューで書いてます。
焦点としては、シーズンの立ち上げから3バックに取り組むことで、この2つの課題が解決されるのか。特に後者は、特段スピードのある選手を補強した訳ではないので、いかにスピード勝負に持ち込ませないか、出し手のところでいかに制限できるかが重要になりそう。とはいえ、岡村と菊池は最終ラインが晒された状態でも個人で潰せる選手に見えるし、昌子も昨シーズン終盤は孤軍奮闘していたので、質でなんとかしてしまうのだろうか。
だが、前者に関してはチームとして取り組まなければならない課題。チームがどのように向き合って、どういう答えを出したのかの答え合わせを広島相手にすぐにできるが、そこでこけたらやばそう。一方で、上手く行けばチームは波に乗れるわけだが、いきなり宿題の答えを提出してしまうため、対策の対策をしているのか、町田包囲網を乗り越えられるのかが鍵になる。
脱オセフン一辺倒
今シーズンはキャンプからロングボールとセットプレー以外の得点源、攻撃の選択肢を増やすために取り組んでいる様子。
昨シーズンはシーズンの経過につれてオセフンへの対策が進み、ロングボールを起点にした攻撃が上手くいかなくなった。また、先に先制を許して相手がブロックを構えた時の崩しのパターンが無く、手詰まり感が否めなかった。
そのため、西村や髙橋大悟など地上戦で活路を見出せそうな前線の選手をチームに加えた。昨シーズンも序盤は最終ラインでボールが持てることを見せていただけに、その延長としてどういうアイデアがあるのか。今まではリスク管理の観点から中央のレーンでのチャレンジングな縦パスを入れることを良しとしていなかったチームとしての価値観がアップデートされるのか。プログレッシングの局面では大外の個を使うような形になるのかどうか。開幕戦が待ち遠しい。
町田から世界へ
今シーズンは従来の3つのコンペティションだけでなく、ACLもある。クラブの戦略を考えるとアジアでの戦いは悲願であり、手を抜くこと、優先度を下げることは許されないであろう。
だが、今シーズンが来シーズンに控えるシーズン移行を考えると残留は必ず達成しなければいけないタスク。まずは残留を達成してから、5位以内だとかタイトルだとかを考えていきたい。
そしてピッチ外だと気になるのが集客。開幕戦が完売しなかったのが結構意外。まだ町田市内とその中心地域へ普及しきっていないことを痛感させられる。ダイナミックプライシングの影響で、チケット代が上がりすぎているのも要因だとは思うが、ちょっと残念。今年は国立での開催も2試合だけなので、いかに町田市内とその周辺でファンを獲得していくのか、露出を増やしていけるのかにも注目していきたい。
というところでシーズンプレビューを閉じたいと思います。今年もいつも通り毎試合のレビューを書きながら、ツイート(ポスト)ベースでのプレビューやポッドキャストにも手を出したいと思っていますがどこまでできることやら…
今シーズンもお付き合いいただけますと幸いです。よろしくお願いします。