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【スクスト】属性って何?
ストライカーは爆・打・斬・射・砲の5つの属性に分かれているが、これがどういう意味を持つのかはストーリー中で特に説明がない。
ステータスとしても、初期のURで多少のATK/HPの差があったものの、近年は完全に死にステになっている。
これの元ネタは五行思想で、各属性のイメージカラーが五行思想における五色に対応している。
爆撃→白→金
打撃→黒→水
斬撃→赤→火
射撃→青→木
砲撃→黄→土
五行思想では、万物は火・水・木・金・土の五行からなるとされる。
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色だけでなく、季節、五臓六腑などあらゆるものは五行に対応している。プロキオンプディングのメンバーの名前は五果(杏、栗、李、桃、棗)が元ネタ。
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この表の中に爆撃とか打撃とかはさすがに無いが……
あるとしたら「五撃」だろうか?
実はオブリにも属性があり、目の色が違う。
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オブリとストライカーの共通点は「意識を仮初めの身体に封じたもの」なので、属性は意識に備わっていると考えられる。
以前の記事では意識はフィフス粒子でできたネットワークだと推定していたので、じゃあやっぱりフィフス粒子が5種類あると考えるのが自然か。
そこで参考になりそうなのがこれ。素粒子クォークは赤・緑・青の3色がくっつくと安定になり、陽子や中性子を形成するという話。
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クォークに本当に色があるわけではなく、3種類集まると安定になる性質が光の三原色に似ているので、こう名付けられただけ。
以前の記事でも解説したが、自然界には四つの力があり、それぞれに対応する「粒子」と「価(チャージ)」がある。上記のクォークの話は強い力に対応する。
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以前の記事ではここに第五の力を導入したが、これに対応するチャージを五行思想に倣いエレメントとし、火水木金土の5種類あることにする。
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フィフス粒子は火水木金土の5種類が集まると安定化する。
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「自我」を形成する高次元空間中ではフィフス粒子以外の物質は移動できないので、自我はフィフス粒子だけで構成される。
5種類が集まったクラスターがさらに集合してネットワークを形成する。ここへ余ったフィフス粒子が来ると、同じ属性の粒子を押し出しては隣のクラスターへ受け渡し、……これを繰り返すことで電子回路のようになり、自我が芽生える。完全に妄想の域だが……
このとき、何属性の粒子が流れているかが本人の属性に対応するのだろう。例えば椿芽の意識は火のフィフス粒子が過剰に含まれている。偵察型オブリType-Rも同様。
なおフィフス粒子には電荷があるが、これと第五の力が邪魔し合わないだろうか?
クォークの例に則れば、カラーチャージが異なっても電荷は変わらない。そのためクォーク同士は同じ電荷をもつため反発するが、強い力は電磁気力より強いので、反発力に打ち勝って陽子や中性子を形成する。
フィフス粒子も同様に、5種類の粒子は同じ電荷を持つが、第五の力が電磁気力より強いと考えられる。
そして、最初の記事に書いたように、フィフス粒子はおそらくプラスの電荷を持ち、周りに電子を引き付けることでフィフス原子を形成する。
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ところで
・第五の力はフィフス粒子だけでなく、全ての物質粒子と相互作用する
・第五の力は電磁気力より強い
これでは、通常の物質もエレメントチャージを持ち、電磁気力に打ち勝ってメチャクチャにくっつくことになってしまうが、ここらへんは次回の記事で。
「妙ね。実験体1号の体内に含まれるフィフス粒子は、5種類のうちの1種類だけが異常に多い」
ゴウンゴウンと大きな機器音が響く無機質な部屋で、痩せ細った白衣の女がモニターと睨めっこしていた。
「……その呼び方やめようよ、麻衣ちゃん」
苦言を呈したのは沙島助手だった。彼女が引っかかったのは実験結果ではない。被験者の呼び名についてだ。
既にモルガナと化したもう一人の助手が名付けた《実験体1号》という呼び名を、千嵐助手はなんの躊躇いもなく受け入れ、自身もそう呼び始めた。
いや、以前の彼女ならそうではなかったかもしれないが。
「茜、あなたはいつまで〝そっち側〟にいるつもり?」
千嵐は生気を失った目で沙島を睨みつける。だがその目を、沙島は人間味があって愛おしいとすら感じていた。この世のものとは思えない、あの緑髪の女の不気味な顔に比べれば……
「もう、取り返しのつかないところまで来てしまった。あなたも同罪よ」
「わかってるよ。でも、今からでも遅くない。こんなことやめて、一緒に——うわぁっ!?」
その瞬間、部屋の扉を破壊して何者かが侵入してきた。その姿を見た千嵐は「またか……」と舌打ちする。
「えっ、またアビス!? もう……これで三日連続」
沙島もうんざりした様子で、腕に装着していたボウガンを慣れた手つきで侵入者へと向ける。
「ァ……ァァ……」
呻き声を上げる侵入者、《モルガナ・ジ・アビス》。条理の闇に堕ち、理性を失った成れの果てだ。元は誰だったのか、もはやそんな事は考えるだけ無駄だ。既に半数近くの研究員がこの姿へと変貌していたのだから。
「こんの……くらえっ!」
放たれた矢は侵入者に突き刺さった……ようにも見えるし、すり抜けたようにも見えた。当たったのか当たっていないのか、ダメージを与えたのか与えていないのか、いまいち分からない。存在自体が矛盾であり、五次元の境界へと姿を眩ますことができるこのような敵との戦闘は非常に厄介だ。
「やはり、《適性》の獲得が必須ね」
千嵐がボタンを押すと、鳴り響いていた機械音が止む。人間ドックのような機器からベッドが搬出され、検査衣に身を包んだ被験者の姿があらわになった。その目はしっかりと開いていて輝きを失っておらず、非道な実験の被害者であることを感じさせない。
「さあ、アレを倒しなさい」
彼女の事を人間と思っていないのだろうか、千嵐は冷たく告げると、壁に固定してあった日本刀を取り外して床へと放り投げた。
一方の被験者はそんな助手の態度に眉を顰めることもなく、すぐさま飛び起きると、走りながら床に落ちていた刀を回収し——
「……やぁっ!」
一閃。
今度は完全に命中した。胴を真っ二つにされた侵入者は、血を噴き出すこともなく、一瞬で跡形もなく消滅した。
「……ありがとう、椿芽ちゃん」
礼すら言わない千嵐とは打って変わって、沙島は被験者へ頭を下げる。当の本人は「いえ……」と気まずそうに視線を逸らすと、千嵐の方を向いた。
「次の実験は何ですか?」
自らが実験台にさせられているとは思えない発言だった。しかし彼女は自暴自棄になっているわけではない。しっかりと意志を持ち、まるでこの実験の先に何があるのか、どうすべきなのかを分かっているような目——それを千嵐は薄気味悪く感じていた。
「……気持ち悪い目を向けないで。あなた、オブリのtype-Rに雰囲気がそっくりなのよね」
「麻衣ちゃん! やめて!」
「いえ、いいんです。私は大丈夫ですから、沙島さんは仕事に戻ってください」
「……う、うん。ごめんね」
何に謝っているのかわからない謝罪の言葉を残し、沙島は部屋を後にする。そして、再び大嫌いな視線を向けられた千嵐は、舌打ちをしながら次の実験の準備に取り掛かる。
(……なんなのよ、この娘。未来を知っているとでもいうの? 忌々しい)
非人道的な実験をする側よりもされる側の方がなぜか心の余裕を保っており、しかも自分より〝真実〟に近いところにいる。科学者としてこの上ない屈辱が、千嵐の精神を蝕んでいく。
「全てを……全ての条理を識る必要があるわ……そうすれば楽になれる……」