【スクスト】キラル編・I/O編のあれこれ
エーテルとは
エーテルの性質について分かっていることをまとめると、
①電子の代わりに電子軌道に入り、通常の原子の中に保存できる。
②高濃度のエーテル環境下では人間の意志で立体物(キラル)を形成できる。
③エーテル濃度92%を超えると身体が霧散する。
④エーテルに晒され続けると寿命が30歳程度に縮まる。
⑤エーテルに晒され続けた意識は「エーテルの源流」へ辿り着く。
さて、まず①からしてかなり難儀な設定だ。
電子の代わりに電子軌道に入れるということは、エーテルは電子とほとんど同じ性質を持たなければならない。具体的には、電荷がマイナス1で、スピンが1/2で、質量も電子と同じぐらいで……
以下の素粒子の表の中で、電子と同じグループに属するミュー粒子、タウ粒子は電子と同様に電子軌道に入り原子を形成することが知られている。しかし、質量が大きいのですぐ崩壊してしまうらしい。
この表は規則性があるので、電子・ミュー粒子・タウ粒子のグループに勝手に新種の粒子を入れることはできない。入れるとしたら新しいカテゴリーなのだが、だとすると電子と全く同じ性質というのは不自然。
この表に載っている粒子は全て、三次元空間から出られないという性質を持つ。超ひも理論に従えば、これらの粒子は三次元空間に両端を固定されたひもだからだ。唯一、両端を固定されていない輪っか状のひもである重力子だけが、三次元空間を飛び出して異次元へと飛んでいける。
以前の記事では、フィフス粒子は三次元空間に固定されていない新種の粒子と推定した。
ならばエーテルは、三次元空間に固定されていない電子ということにするしかない。
エーテルは、我々の住む三次元以外の3つの次元に固定されている電子であり、我々の空間を横切った時だけ観測できる。
その時、空の電子軌道があればそこに収まり、固定することができる。
次に、②高濃度環境下では意志の力で動かせる、というのも困った設定だ。
エーテルは電子と同じ性質を持つのだから、高濃度エーテル環境下とはつまり高濃度電子環境下と同じ。それって感電して死ぬんじゃないですかね。
これを避けるためには、エーテルは我々の三次元空間に存在してはいけない。三次元空間のちょっと外側、それこそ境界のような場所にわらわらと集まっている。これを検出し、エーテル濃度として表す。
三次元空間に侵入したらその瞬間、バチッと放電して、なんらかの原子に取り込まれるのだろう。
エーテルが存在する3つの次元はどれなんだろうか?
少なくともそのうちの1次元は自我を含む次元(6次元)であると思われる。以前の記事参照。
それなら、自我及び意識を構成するフィフス粒子(プラス電荷)の力でエーテルを操ることができてもおかしくない。
で、エーテルで形成された立体物(キラル)とは何か?これもマイナス電荷の塊ということになってしまうので、存在すること自体が難しい。
実はフィフス粒子の核とその周囲を回るエーテルで形成された五次元物質なのではないか?ならオブリに有効な理由も頷けるし、神装変身より強いのもわからなくもない。
ただ、そうだとしたらキラルチャンネルの人類はフィフス粒子の存在に気づいていても良さそうだが……
③エーテル濃度92%を超えると身体が霧散することについては、体内の電子がほとんどエーテルに置き換えられると、エーテルが存在する次元へ通常物質も少し引っ張られ、観測不能になる? 少々無理矢理な説明だが……
消滅したわけではないので、エーテル濃度が下がって観測可能になれば元の姿に戻れる。
④エーテルに晒され続けると寿命が30歳程度に縮まる。これについては作中の説明通り、テロメアに何か悪影響を与えているのだろう。エーテルと電子は同じようで少し違うために色々不具合が生じるのかもしれない。
⑤エーテルに晒され続けた意識は「エーテルの源流」へ辿り着く。
これはエピソード1の設定に真っ向から喧嘩を売っている。死後の意識は無意識の集合体の元へ流れ着き、そこで転生を待つはずだ。それを無視してまで、エーテルの源流へ向かうのはなぜか?
エーテルは自我と同じ6次元に存在する電子であると推定され、自我を形成するフィフス粒子と結合してしまう(=キラル?)
すると、そいつはもはや自我とは別物だ。フィフス粒子のプラス電荷は打ち消されるので、挙動も違ってくる。通常の流れで転生することができないのかもしれない。一応、「次を待つ」とのことなので転生自体はできるようだ。
で、このエーテルの源流とは何かというと、6次元のどこかでエーテル(つまり電子)が大量発生している場所ということになる。なんだろう……雷みたいな?
そこに集まった意識やらなんやらの集合体が、小春に話しかけてきたアイツだろう。
魂の半分とは
死んでしまった翠の意識を繋ぎ止めるため、小春は魂の半分を差し出した。ひとつの魂に翠と小春のふたつの意識が共存する形で翠は復活。
この説明だと、肉体に魂が宿り、魂に意識が宿るという構図になる。肉体が滅び、死ぬ=魂が消えると、意識が放出され二度と戻ることはできない。
そこまではまあよいのだが、エピソードV+では魂と意識は同一扱いになっている。ついでに意思(意志)も。
つまり、エーテルの源流さんの説明がちょっと不親切というか分かりにくいというか……
要するに、
・肉体に意識が宿る
・翠の肉体は滅びたので意識が解離
・翠の意識を小春の意識に繋ぎ止める
・小春の中にふたつの意識があることになる
これだけでいいのに、わざわざ魂がどうのこうの言うからややこしくなっている。
まあ、エピVが後付け設定なんだろうけど。
タイム・インジェクションとは
隼坂式セオリーその34、時空的写像(タイム・インジェクション)。時間は折り畳まれているので、隣り合った場所にタイムワープできるという理論。
これの元ネタはいくら探しても出てこない。オリジナルのようだ。
図で表すと、以下のような螺旋状の時空になる。一周するのに1729年かかる。
螺旋の間を埋める空間が「時の分水嶺」。
さて、螺旋状に捻じ曲がった時空とは一体どうすれば実現できるのか。
時空が曲がるという現象は重力によって引き起こされる。ブラックホールが参考になりそうだ。以下の図のように、ぐるぐる回りながらブラックホールに落ちていくとその軌跡は螺旋状になる。
以下の図のようにグリッド線で表されたブラックホールを考える。これは二次元空間の図だが、もし横軸が時間、縦軸が空間だったらどうなるだろう?
その場合、時間と共にブラックホールが現れ、そして消えていくという意味になる。イメージは以下。右に向かって時間が進む。
で、宇宙がたまたま、このブラックホールに飲み込まれる位置にいたとしたら?
横軸が時間なので、ブラックホールに飲み込まれると見かけ上の時間は行ったり来たりすることになる。ただ、本人にとっては通常のスピードで時間は進んでおり、ブラックホールに落ちていることは気づかない。
時の分水嶺は螺旋の間を埋める空間なので、すなわちこの二次元平面そのものになる。ブラックホールの外の平面も全て含まれる。
横軸は時間だが、では縦軸は一体何か?
もし5次元の場合、時の分水嶺=五次元異空間になってしまうので却下。
6次元(自我の存在する次元)の場合、時の分水嶺=泡の世界になってしまうので却下。
7〜11次元のうちのどれかだろう。
で、このブラックホールって一体何なのか?
当てはめるとすれば重力ブレーンか。
ブレーンとは三次元宇宙そのもののこと。上記の説は、高次元空間に我々の三次元ブレーンの他にも別のブレーンがあることを示している。
そのうちのひとつは重力ブレーンで、重力子が集まっているために重力が非常に強い。離れたところにいる我々の宇宙は重力が非常に弱い(電磁気力よりも圧倒的に)。
重力ブレーンのせいで高次元空間が歪んでいると書いてあるし、これがブラックホール化していてもまあアリかなという想像。
宇宙は重力ブレーンへと落ちていきいつか破壊されることになるが、落ちるまでの時間は、我々人間の感覚からすれば相当長いのかもしれない。