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【スクスト】コペンハーゲン解釈vsエヴェレット解釈

エピソード3の冒頭の問題提起。
「世界を救っても、救われない平行世界が存在し続けるなら無意味ではないか?」問題。

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しかしエピソード3のラストで、このえちゃんにより「意識のあるところにしか世界は存在しない」と否定される。

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この答えは実はエピソード1で既に提示されている。

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この時、伊緒ちんの発言に出てくるコペンハーゲン解釈というのは、平たく言えば「観測すると平行世界はひとつに定まる」という考え方。
それは何故かティエラ先生により否定される。

作中には出てこないが、これと対抗する論説としてエヴェレット解釈がある。こちらは「観測しても平行世界は残り続ける」という考え方。
平行世界は最初から全て実在しており、観測した瞬間、自分自身がどの世界にいたかを初めて知ることになる。

こう書くと、エピソード3はコペンハーゲン解釈vsエヴェレット解釈がテーマのストーリーのように見えてくる。そしてコペンハーゲンが勝利した。
ではなぜティエラ先生は否定したのか?

折江「では結局、コペンハーゲン解釈が正しかったと?」

諌見「あー、そうとは限らんなあ……」

折江「ならエヴェレット解釈が?」

諌見「そっちもビミョーだなあ……」

折江「……はあ。いつもこれね。聞いた私がバカだったわ」

沙島「まあまあ幹子ちゃん。きっと博士の脳内は両方の解釈の重ね合わせなんだよ」

折江「上手いこと言ったつもり? 単にどっちか分からないってことじゃない」

千嵐「さっきから何の話?」

沙島「おお、麻衣ちゃん。あれだよ、波動関数が収縮するかどうかってやつ」

千嵐「いや、専門外だから分からないんだけど……」

沙島「まあ、わたしもよく分かってないんだけどね。ミクロな物質は粒子と波の両方の性質を持つんだよ」

千嵐「それぐらいならまあ、聞いたことあるかも」

折江「量子は観測されるまで広がりを持った波として存在する。観測した瞬間、どこにいるのかが確率に従って定まる」

沙島「ガチャポンのようなものだね」

折江「ガチャガチャなんて所詮、出口に一番近いところにいるカプセルが出てくるだけ。運命で決まっているようなもの」

沙島「それがエヴェレット解釈だっけ?」

折江「そう。レバーを回した瞬間、自分がどの平行世界にいたかが分かる」

千嵐「なら、コペンハーゲン解釈というのは何?」

諌見「レバーを回した瞬間、ドッカーンだ」

折江「博士は黙ってて」

沙島「うーん、ガチャポンよりはガラガラポンかなあ?」

千嵐「何が違うの? あ、ガラガラするから運任せって事か」

折江「そのガラガラポンには一つしか玉が入っていない。玉の色は重ね合わせの状態で、出した瞬間に不可逆的に決まる。そんな不気味なことがあると思う?」

諌見「だが平行世界は観測したもの以外は量子的に存在しない。実験結果からはそうとしか言えん」

折江「なら誰かが観測した瞬間、世界はひとつに収縮してそれっきりね。平行世界など存在しえない」

諌見「平行世界は全て存在するわけでも、ひとつしか存在しないわけでもない。意識の数だけ有限の平行世界があるってことだ」

折江「ずいぶん都合の良い解釈だこと」

沙島「コペンハーゲンでもエヴェレットでもないってことかあ……」

折江「だいたい、平行世界は五次元上に並んでいるんでしょう? それじゃ重力で引き合って衝突するはず」

諌見「お? もしかしてお前もヒモ信者? 膜とか信じちゃうタイプ?」

折江「……はいはい、ちゃんと最新の論説をチェックしてることだけは認めるわ」

千嵐「ついていけなくなってきたんだけど?」

沙島「わたしもさすがに物理の論文は見てないなあ」

折江「全てを統一する理論に最も近いと言われているのが超弦理論。それに従えば、異なる宇宙の間には重力がはたらく」

沙島「ほほう。じゃあ、今日の晩ごはんのおかずがコロッケかハンバーグかみたいな、ちょっとしか違わない世界だったら」

千嵐「五次元軸上ではすぐ近くにあるからぶつかるってことか」

折江「そう。チャンネル理論は破綻している。五次元軸というたった一次元の狭い世界に平行世界を押し込めたいのなら、世界は〝実在〟してはならない」

諌見「その通りなんだよなー。だからこそ、神みたいなヤツが〝味見〟するために意識をばら撒いてるというか……そんなイメージかもしれん」

折江「味見……弱測定のことを言っているのかしら? 波動関数を破壊せずに観測すると?」

諌見「そうとしか考えられんなー。だからこそ観測者には寿命がある。死ねば観測は終わり、宇宙は元の重ね合わせの状態に戻る。しかし、この経路を通ればこうなる、という情報だけは残るってわけだ」

折江「その限られた情報を頼りに、正解を見つけ出そうとしている神が存在すると言いたいわけ? 神をどうやって証明するつもり?」

千嵐「……ねえ、コレ大丈夫? 怪しい宗教みたいになってきてない?」

沙島「変人扱いされるのは科学者の宿命だよ、麻衣ちゃん」

折江「神などと言うからこういうことになる。『万物を統一する理論』があればそれが神に取って代わる存在になるわ」

諌見「……神は神で触れずにそっとしといたほうが身のためだぞ」

折江「何なの、さっきから? それでも科学者のつもり? 呆れた。あなたがこんな腑抜けだったとは思わなかったわ」

沙島「あ、幹子ちゃん待って! も〜諌見さん、またそういう分かりにくいこと言うんだから……」

千嵐「いつものことね。私も戻る。こんなことに付き合ってる場合じゃなかったわ」

沙島「あー、麻衣ちゃんも行っちゃったよ。諌見さん、はぐらかさないでちゃんと説明しないと分からないよ?」

諌見「しゃーないしゃーない。識ってはいけないことを説明するなぞ不可能だからな」

沙島「最近よく言ってるけどそれ……諌見さんは知ってるの?」

諌見「もちろん、知らん。あくまで予想だ、予想。それが仮に当たっていたとしても、証拠をつかまないうちは識ったことにならない。いやー、最近怖ぇー怖ぇー、地雷踏まないように実験するのしんどいぞ?」

沙島「よくわかんないけど……ちゃんと二人にフォロー入れてよ? ね?」

諌見「……あー、まあ……善処します」

エピソード3で言われてる通り、宇宙の目的は〝生きること〟。
生存率を上げるために色々な可能性を観測している。
そう考えると、唯一宇宙(ユニバース)の意識とそれ以外の無数の意識が対等とは思えない。
宇宙の波動関数を収縮させず、つまみ食いして少しずつ情報を得ながら、より良い最終結果に至るにはどの経路を辿ったらよいのか考える。
これがちょうど弱測定の考え方に似ていたので、無理矢理当てはめるならまあこれかなーと。

ちなみにこの弱測定の話には負の確率が出てくる。
下の図では、光を一粒ずつ飛ばして二重スリットを通したときにできる模様を示している。
光の粒が図のAに来る確率は高いので、明るくなっている。左右どちらのスリットを通ったかの確率はだいたい半々になる。
しかし、図のBに来る確率は極めて低い。このとき右のスリットを通った確率が400%、左がなんとマイナス300%になるらしい。

量子力学の"常識"に挑む 見なかった過去も推測

意味不明だが、量子の不確定性原理という現象を考えると説明できる気がする。
量子のもつエネルギーや位置は常に揺らいでおり、そこにいたと思った量子が次の瞬間には別の場所を移動していた、とかあるらしい。
また、何もない真空から突然、物質と反物質の対が生まれては次の瞬間にはくっついて消滅したりしている。
平たくいうと、極めて短い時間であれば、量子はワープしたり増えたり消えたり何でもありの状態。あとで辻褄が合えばよい。

となると、光を1個発射したはずが、右のスリットを4個、左のスリットをマイナス3個(=ダークエネルギーをもつ光?)通過した時、Bの地点へ着弾して1個に戻るのか……?

何が言いたかったかというと、これを宇宙の未来に見立てて、もしAが宇宙滅亡、Bが宇宙生存とした場合どうやってBに到達すればいいか?
→冥導変身みたいな暗黒面に堕ちてでも左のスリットを通過しなきゃならない……みたいな話にならないかなー、と勝手に今後の展開を妄想してみる。

ちょうど昨日、エピソードアルコアの情報解禁されたけど、やっぱり色々と新規設定ぶっこんできそうな雰囲気。
この考察記事群も早々に訂正を余儀なくされそうな予感。

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