息子の長い片思いの話①
息子には、
かれこれ2年半以上片思いをしている女の子がいる。
年少時代、クラスメイトだった彼女に恋をした。
我が子ながら、一途なものだと感心しているのだけれど、
年中、年長は違うクラス。
普段、顔を合わせる機会がめっきり減っても、変わらない「好き」を
持ち続ける息子を誇りにさえ思う。
そんな息子の淡い恋についてのお話。
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年中でクラスが離れ、寂しそうな息子のために、
母ができることと言えば、プライベートで遊ぶ機会をつくること。
そんな勝手な使命感に燃えたわたしは、
年少時代のクラスママ友のラインに加入、
月1に開催される遊びの場に参加することにした。
この遊びの場は、年中の始まりと共に開始。
天候や都合の関係で開催されないことも多かったが、
少なくともすでに20回以上は集まって遊んでいる。
しかし、しかしなのだ。
彼女のことが好きすぎるあまり、恥ずかしくてお喋りができない息子は、
ほぼ1度も会話することができずにいた。
幼稚園では、
クラスの女の子相手に物まねしたり、固くて開かない水筒を開けてあげたりと、
ひょうきんさも、いい男ぶりも発揮しているのに、相手が好きな子となると
固まってしまい何もできない。
そんな息子に突然訪れたハッピーな1日。
息子の言葉をそのまま拝借すると、
「ロボットじゃない本物の〇〇ちゃんだった!最高な日だ!!」
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前回、やや遠い場所での遊び場だったため、彼女のお母さんから「車に乗って行かない?」とのお誘いがあった。
息子に参加を問うと、目を丸くして、そのあとデレた顔をして「行きたい!」と答えたのでお言葉に甘えることにした。
車内で、久しぶりに彼女と顔を合わせ(と言っても、息子はずっと目をそらしていたけれど)、
嬉しいのか、困っているのか、複雑な表情を浮かべながら、ほぼ言葉を交わすことなく目的地へ到着した。
また、いつものように彼女と接することなく、時間が過ぎていったのだが、あるお父さんが持参してくれた「空気で飛ぶロケット」のおもちゃ。
これの登場により、ついに一緒に遊ぶ時間が訪れた。
飛んだロケットを一緒に拾いに行く2人。
自分がゲットしたロケットを〇〇ちゃんに手渡す息子。
顔を見合わせながら大笑いしている2人。
純粋に楽しく幸せそうな笑顔が溢れている息子に対して、見ている母の顔はニヤついたさぞ不気味な笑顔だったはず。
出会った瞬間からすぐ友達になれるのも6歳。
でも、クラスが離れ一定の期間が空いてしまった関係にとまどってしまうのも6歳。
ずっと、どことなくよそよそしかった2人の関係がグッと近づいた瞬間だった。
空気で飛ぶロケットでの遊びが終わってからも、
息子は積極的に〇〇ちゃんに近づき、話しかけた。
2人で遊ぶ様子にも見慣れ、わたしの笑顔がニヤついたものからほほえましいものに変わったころ。
息子と〇〇ちゃんを含めたお友達数人でちょっと離れた場所に冒険に赴き、戻ってきた2人の手と手がつながれていたのを見た時は、顎が外れそうなほど驚いた。
後日、〇〇ちゃんママから聞いた話。
「冒険終わって帰るとき、息子くんだけが遅れたわたしを待っててくれたの。嬉しかった!」
やるじゃん、息子よ!ロボットじゃない本物の〇〇ちゃんとお喋りだけじゃなく手までつなげるなんて脳が爆発しちゃうくらい楽しい日だったね。
この日をきっかけに、
息子と〇〇ちゃんの関係が近くなるとはこのときの息子はまだ知らない。
②へ続く。