冬眠中…いや、夏眠中
ふと、引っ越しを思い立って、一年の長期長期休暇。2020年1月は、山火事があって、車で、長距離を移動できませんでした。だから、せっかくだから、今まで、ハードな量の仕事量をこなしてきた自分へのご褒美に、3か月ほど、家で、ゴロゴロ、休息時間を設けることにしました。仕事が忙しすぎて、ずっと、できていなかった書類の整理とかもすることに。ゆるりとした、3か月。夢のようだと、ワクワク~。一応、めどは、4月のイースターの休暇が終わったころに、出発しようという計画。
まずは、書類の整理をしながら、昼間、眠たくなったら、昼寝。長年の仕事の疲れがどっとでて、グーグー、クークー、自分でもびっくりするぐらい、寝れました。一生のうちで、こんなに、何も気にせず、寝たのは、初めてかもしれません。今までも、休日、ふと昼寝をすることはあったけれど、来週の仕事の段取りとか、仕事の資料集めとか、やっぱり、どこか、頭の片隅に、なにかが、ひっかかっていることが、多くて。全くの思考ゼロって、新鮮でした。
しかし、山火事があって、ちょっと下火になってきたかと思う頃、なんだか、世の中が、変な空気になってきました。1月初めから、中国の武漢でのウイルスの発生、日本のダイヤモンドプリンセスでの船内感染、そして、バスの運転手さんとかの感染…。12月から1月初旬、実家に帰省していた私は、タイミング的に、二アミスっぽくて、オーストラリアのニュースも、日本のニュースも、毎日見ていました。
それでも、オーストラリアでは、感染がまだなくて、対岸の火と、国全体も、のんびり構えている感じでした。私も、3か月後の出発をめどに、せっせと、書類の整理と、断捨離に、いそしんでいました。特に、断捨離には、力を入れて、「新しい運気を入れるのよ~。」って、いっぱい断捨離しました。きっと、コンマリさんも、ほめてくれるであろうほどに、「いる?いらない?」って、がんばりました。そして、疲れたら、昼寝~。
ニュースと毎日にらめっこ。それでも、断捨離と書類整理。そして、ときどき、編み物。断捨離中に、仕事で使っていた毛糸の玉がたくさん、出てきたのです。ほぼ、まっさら。とってもいい状態です。捨てるに忍びない。でも、お金を払って、数か月も、倉庫に保存するようなものではない…。もったいないおばあちゃんが発動し、急遽、毛糸を使えるものに変えることに。そして、趣味でやっていたソーイング用の布もたくさん、折り紙もたくさん…。捨てるには、忍びない。それぞれ、なんとか、倉庫に持っていきたい形に変えるべく、日夜、創作活動が始まりました。まあ、発想が本末転倒なんですが…。
まずは、折り紙からやっつけました。たくさん、ユニット折り紙を作りました。そして、ソーイングでは、ネットで、面白そうな形のパンツやチュニックを見て、ヒントに、家にある本や我流で、創作。そして、毛糸は、これまた、断捨離対象となった大きいわっかを使っての、かぎ針も棒針も使わない丸くて長いものの制作。(結局は、ネックウォーマーとか、マフラーとか、作りながら、使えそうなものに開発致しました。)
そうして、ずっと、創作活動をして、気が付いたことは…。無心で、決まった型のものを、連続してつづけることって、気持ちいいってこと。ソーイングは、デザインとか考える時間が必要だけど、それ以外、ユニット折り紙も、ミシンで縫うのも、毛糸を編むのも、全部、シンプルな動きをただ、ただ、永遠に続けるだけ。それが、すごく気持ちいい。なんも考えないで、ただただ、目を使って、手を動かして。今まで、日常で、あれやこれや、考えて、プランすることが多い仕事をしていただけに、時間も気にせず、ただただ、折る、縫う、編む。mesmerizingっていう、昔の同僚がよく使っていた言葉をふと、思い出しました。見てるというより、実際にやっているから、少し意味は違うかもしれないけれど、なんかミステリアスな感じに、ずっと、気持ちを持っていかれるほどに、ずっと、続けられる感じで。とっても、癒し~。ただ、肩や首がこるので、ある程度で、やっぱり、昼寝をはさんで。
断捨離も、だいたい完了し、ゆっくりと休息もしたし、そろそろ、引っ越し業者を探したり、旅行している間に家財を入れておく倉庫を探したり、引っ越しの実務を始めようと思ったいた矢先、世界で、新型コロナウイルスの感染が拡大。
突如として、3月、シドニーで、ルビープリンセスでの船内感染が、浮上。そのうえ、きちんと確認しないまま、シドニーで多くの乗客を「下車していいよー。」ってしちゃったもんだから、市中感染が起きて、大騒ぎとなりました。学校なんかも、すべて、リモートに。
3月中旬には、オーストラリアは、他の国からの渡航を禁止し、続いて、州境を、各州の首相が、閉め始めた。「え? 国内で、州境って、閉められるの???」 びっくりしました…。
かくして、私が、旅立とうとしている州と、私が住んでいる州の間で、国境ならぬ、州境が閉まり、鎖国ならぬ、鎖州が…。州境には、警察が検問所を作って、一台ずつ確認。通るには、通行手形ならぬ、通行例外届をだして、それが受理されて、初めて、州境を通れて、しかも、州境を超えたら、2週間の隔離。医療従事者とか、運搬業者は、例外として、認められるみたい。でも、ふらりと、旅行して、そのまま、仕事探して~なんて、ゆるい計画の私は、どう考えても、例外届、受理されるはずもありません。
「おっと…。ええーー、えらいことになってきてしまった~。」
荷物、結構、まとまってるんですけどぉ、もう…。気持ちも、それなりに、引っ越しにむけて、高まってたんですけど…。
(続く…)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?