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職員勉強会:コーナー遊びについて

    7月の職員勉強会でした。今回は『コーナー遊び』をしていると、必ずぶつかる問題について話しました。

 りんごの花保育園では、『コーナー遊び』を取り入れています。『コーナー遊び』とは、保育室をいくつかのコーナーに区切り、子どもが主体的に取り組みたいと思うような遊具や教材を取り入れた環境をつくり、そのエリアで遊びを広げていく活動です。

 りんご組(3・4・5歳児)の保育室は、ままごとコーナー・絵本コーナー・ブロック(積み木・電車)コーナー・製作コーナーなどがあります。子ども達は自分がしたい遊びができるコーナーに行って遊びを発展させていきます。

 今回のりんご組の実践記録では、5歳児のAくんが、ままごとコーナーに、カプラ(積み木)を持って行って、食材に見立てて遊んでいた…コーナーに別のコーナーにある玩具を持っていくのはいいのだろうかという問いでした。

 『コーナー遊び』をしていると、必ずぶつかる問題です。普通に考えれば、自分で考えて見立てて遊びを広げているからいいんじゃないかと思われるでしょう。

 『コーナー遊び』を始めた当初は、コーナーに他の場所の玩具を持ち込まないというのはルールでした。そのコーナーにある遊具を使ってそのエリアで遊び、別のコーナーで遊びたいと思ったら、今遊んでいるものを片づけてから遊ぶというルールでした。

 でも、小さい子にはこのルールは伝わりません。当然ですが、いろいろなところに玩具を持って行って遊ぶので、保育室はあっという間に散らかります。繰り返し伝えてもルールを理解することは難しく、いつも頭を抱えていました。

 年齢が上がるにつれて、コーナーで遊ぶことのおもしろさがわかってくると、だんだん他のコーナーに持ち込むことが減って来ます。自分でイメージや目的をもってコーナーで遊ぶようになるので、遊具が混ざると遊びにくいことや他の友達とイメージを共有するのが難しいことがわかってきます。

 コーナーに他のコーナーの遊具を持ちこまないというのはルールではなく、遊びをより楽しくするために必要なことになってくるのです。

 Aくんも、カプラを具材に見立てたのはその時だけだったそうです。もちろん先生達はそのことを否定せずに、画用紙で食材を作ることを提案し、それをAくんは受け入れたということでした。カプラを具材に見立てたものの違和感を感じていたのかもしれません。

 遊びをより楽しくするにはどうすればいいか…それは子ども自身が日々経験することでわかって来ることだと思います。

 保育所保育指針が目指す幼児期の終わりまでに育ってほしい姿のひとつに『協同性』があります。友達と関わる中で、互いの思いや考えなどを共有し、共通の目的の実現に向けて、考えたり、工夫したり、協力したりし、充実感をもってやり遂げるようになる…そんな姿も遊びの高まりの中で育つだのだと思います。


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