保育の『業界用語』
先日、福岡市主催の園長特別研修会に出席しました。『子どもの権利と保育の質』がテーマでしたが、やはり昨今の不適切な保育の報道について話が及びました。
不適切な…というよりも、絶対にあってはならないことなのですが、意外にもそんなこともあるよね、みたいな空気がとても怖いです。
講師の先生が、業界用語の『カベにペッタン』って知ってますか?と訊かれました。もちろん知っています。壁に背中をくっつけて動かないことです。もう一つ訊かれたのが、『給食の一品出し』・・・フランス料理のような、懐石料理のような言葉ですが、子どもが食べこぼさないように、給食を一品づつ出していくことを『一品出し』というそうです。
それは初耳でした。目の前に出されたものしか食べられない、自分で選ぶことができない食事はなんて味気ないのでしょう。こんな保育がまだ行われていることにがっかりです。
講師の先生が他の園を見学された時に、とっても優しそうな若い保育士さんが、1歳児の子どもに、「きゅうりを食べないなら、デザートはないよ」と言っているのを聞いたそうです。その子はきゅうりを食べられないので、「デザートいらないの?」と言われ、「うん」と答え、本当にデザートをもらえなかったそうです。
「子どもはみんなデザートを食べる権利がある、きゅうりを食べないなら、デザートを食べられないのはおかしいですよね」と言われるのを聞いて、日本の保育はどこで間違えたんだろうと思いました。
「認可保育所もこの程度」「保育園に多くを求めない」そんな声を聴くことも増えて来ました。それでも、子どもを権利の主体者として、対等の立場で尊重すること。そんな声もまた、全国のあちらこちらから聞こえ始めています。