農産物を加工する加工屋として。
2020年の夏は雨が多いです。
2019年は干ばつに悩まされた年でしたが、
毎年、理想の天候で収穫までたどりつくことはないですね。
自然を相手にする仕事ゆえに、避けられないことです。
【生産と加工と】
いわゆる「6次産業化」が叫ばれるずっと前から、
当方ではりんごの生産と加工(ジュース加工)を主な事業として行ってきました。
【地域の中でのりんご加工】
りんごの産地である津軽地方には、昔からりんごジュース加工屋がありました。
りんごのジュース加工は、他の果物や野菜よりも、衛生管理が難しくないので、小さな加工場が村に一つはあったような感じです。
その中の一つとして、当加工場もありました。
【りんごの加工屋として】
加工屋としての仕事は、りんご農家さんから、りんごを預かり、それをジュースにして返す「加工の受託」が主です。
以前のりんご農家さんは、りんごを遠方の親戚や友人に送るついでにりんごジュースも一緒に送ったり、自家消費用としてりんごジュースをつくることが多かったように思います。
次第に、農家さんが自分で販売するということがメジャーとなり、
りんごジュースを販売目的として加工依頼する人も増えてきました。
市内のスーパーや、道の駅でも、当方で加工してくれたお客さまのりんごジュースを見かけるようになりました。
【販売に走らない】
りんごを生産していると、規格外のりんごもでてきます。
当方では加工場があるので、自分で加工し、加工品を売ることも可能です。
それこそ「生産+加工+販売」を一気にできるわけです。
自分も過去には「6次産業化だ!」と張り切っていた時期もありました。
ただ、当方で加工してくれたお客様もジュースを販売していて、
そのジュースを買ってくれているお客様を取ることはできません。
一番良いサイクルは
「コンスタントにりんごジュースが売れて、毎年加工に来てくれること」
です。
当方は加工代金を稼げるし、販売者はジュース代金を稼げるわけです。
そういうわけで、当方では市内県内では販売することは控えています。
また、製造者から買いたいと電話が来ることもありますが、
「販売者から購入してください」
と販売者から買うように促すようにしています。
(販売者が分からない場合は販売もしますが)
あくまで、ジュースの販売は、販売者にまかせて、
加工屋として「加工」をメインにするようにしています。
【販売用に資材を準備する】
また、農家さんが、箱やラベルなどをイチから作るのは、コストが掛かってしまいます。
箱やラベルを新しく作成するには、型を作る必要があるし、
ある程度のロットで作る必要があります。
それらを当方がつくり発注し、少量で販売もしています。
まずは、少量から売ってみたいというトライアルも、
比較的ローリスクでやることができます。
【生産者として加工者として】
工場を大きくし、販売も主事業に加えることを考えると、
材料を安く仕入れたくなってきます。
材料は生産者が作った生産物であり、それを安く仕入れたいと考えるようになると、「遠い加工者」となってしまいます。
(同士というよりは交渉相手になってしまいます)
現在、生産者と加工者が産地内で良い関係を保ち続けるには、
今の事業のやり方がベターだと思い、仕事をしています。
今後、生産者が減っていき、労働力も減っていく中でいろいろな課題も出てきていますが、産地の加工屋として、生産者が必要としてくれる場所でありたいと思っています。
本日はここまで。
最後まで読んでいただき本当にありがとうございます。
農業に少しでも興味を持っていただけたら幸いです。
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