一人でやれることには限界がある。
2020年も半年が過ぎ、下半期の1ヶ月が終わりました。
残り5ヶ月。2020年はなんだか「ただただ」過ぎていってる感じもあります。
大変だけど、何となく記憶がない年。
ですが、それでも畑で、作物は育っていきます。
畑にはいつもどおり、真摯に向かいます。
【やることはたくさんあります】
農家≒百姓(ひゃくせい)は、本当に様々なことをする仕事です。
現在では、農家は、作物を作るだけではなく、販売、営業、経理、雇用管理など、直接的に畑に関わらないことも多くやる必要がある職業になりました。
自分も、今の仕事を始める際、生産と加工だけじゃなく、
販売も手掛け、申告もしっかりし、経営計画もたてて全部やろうとしてました。
(当方は加工場もあるので、生産と加工が主事業でした)
当時、両親の経営は、作物はほぼ市場出荷で、申告も白色でした。
この辺から少しずつ変えていこうと。
販売に関しては、自分で販売する商品を考え、販売するにあたり、商品の写真撮影から、商談会への出品、商品企画シート(FCPシート)の作成もしていました。
申告も白色から青色に変更し(しかも複式簿記)、特にちゃんとした簿記の知識はないまま、経理もはじめました。
販売には情報発信も必要なので、ホームページの作成、メンテナンス、
そして、SNSの更新も日々、結構な頻度でアップしていました。
仕事だけではなく、その頃、母親が体調を崩し、入院していたので、
おおよその家事も行っていました。
(そのうち書きますが、就農してから数年は、妻子供と別に暮らしていました。単身赴任ですね。)
仕事に、家事に、ほぼ外部にお願いすることなく、自分のやりたいこと、やらなければいけないことを自分でやっていました。
数年、気持ちが休まることなく、ずっと仕事をしていたように思います。
そのうち、母親が亡くなり、妻子供も呼び、一緒に暮らすようになったので、比較的家事は楽にはなりましたが。
(子供と過ごすようになって、時間設計は難しくなったけど)
結果、全部一人でやり切るのはしんどいな、と。
毎年、繁忙期に疲労で数日寝込むこともあり。
今の体制で、全部をやることを辞めました。
【辞めたこと、理由】
・現在の市場出荷から、全量直売を目指すこと。
市場の価格の変動が嫌だったので、全量直売を目指していました。
直売の方が単価を高く販売できるのですが、営業コスト、梱包コスト、事務コストがかかります。お金だけでなく、労働コストです。
また、設備が「市場出荷を基本として」で作られているため、作物・商品を管理する倉庫がありません。
一部品種、有限数量は直売目標とし、それ以外は市場出荷でも良いという結論になりました。
(過去数年の実績から、市場出荷メインでも経営可能と判断しました)
・加工品の販売。
せっかく加工場があるので、加工品もガシガシ売ろうと思っていました。
が、一番売れる年末は、りんごの販売時期であり、加工も超絶繁忙期。
日中は加工。加工が終わってから、りんごの梱包。
その後に、加工品の梱包。
もう、少人数の作業時間では収まらなくなりました。
体制を整えて、販売を強化すれば、売れるのでしょうが、繁忙期は一瞬。
人を雇うときには、長期、あるいは常用で、その人の生活を支える雇い方をしたいと思っていたので、まだ人を入れての販売までには至っていません。
加工品の販売は、当方で加工してくれているお客様にまかせて、
自分は加工に注力するようにしました。
加工にきてくれるお客様が売ってくれれば、また加工に来てくれる。
自分の役割は「加工屋」と割り切ることで、加工品の販売を強化するのを辞めました。
・申告、営業、外部とのやり取りは妻にお願い。
営業や申告も全部自分がやっていましたが、これも時間を使う仕事です。
ですがこれらの作業は園地に行かずに、机の上や、人と会う仕事がメインになります。
もちろん、自分がやった方が早いとか、理解しているとかありますが、全部はやりきれないので、妻に任せることにしました。
外部とのやりとりも、基本、妻が先立ち、不明が点があれば、
自分がサポートするという体制にしました。
ほぼサポートに回ることで、園地作業や別の作業に時間を収集することができるようになったと思います。
今では妻はイラストレーターも使えるようになり、チラシや、商品のラベル等もつくってもらえるようになりました。
今や営業事務は必要不可欠な人材です。
やらないことを辞め、自分じゃなくてもいいことをお願いしたおかげで、
自分しかできないことに注力することができるようになりました。
もちろん、人材を入れ、体制を強化し、強い経営体型にしたい目標はあります。
が、すべてを自分でやろうとせず、作業をひな形化し、お願いできることはお願いし、やらなくていいことはやらないことは大事です。
販売=目立つ仕事=メディアに取り上げてもらいやすい
ので、販売に注力しなくなると、目立たなくなります。
ですが、派手に目立つ経営が目標ではなく、強く負けない(継続可能な)経営が目標なので、目立たなくてもいいのです。
まだまだやらなくてもいいことはあると思うので、
どんどん作業のスリム化をすすめて行きたいと思います。
本日はここまで。
最後まで読んでいただき本当にありがとうございます。
農業に少しでも興味を持ってもらえたら幸いです。