23と24年
24年2月--------------------------------------------
おわった、おわった!
23年シーズンがおわりました!
脱力するほどホッとします、、、、、。
ちょうど1年前の投稿を読み返したら遅霜の心配をしている自分。
「あなた、これからやってくるトラブルは遅霜だけじゃないんだよ、、、、」と肩を叩いてやりたい。
1年を振り返ると。
23年の霜被害は就農4年のウチ、一番ひどかったです。
寒天糖蜜じゃ乗り切れませんでした!(笑
霜のせいで、りんごの仕上がりも品種によっては肩を落とす品質でした。
一番ひどかったのは、「やたか」です。
やたかは、りんごとしての形状が無かったというか。
自分の記憶があまり無いのですよね。。。
収穫したやたかは、果皮の色づきも悪く(これは猛暑の影響で)霜の影響で果皮には、茶色のアザ。形もいびつな変形個体が多かったです。
これが?やたか?りんごと呼んで良いのか?
なんだかこれまで見慣れないものでした。
味の詳細も覚えていない。
食べ慣れた味では無かった気がします。
なかのみさん、23年のやたかの味を覚えていますか??
あと、記憶に残る残念な出来上がりは「つがる」でしょうかね。
こちらの品種は、やたかとは別園地のため、霜被害は軽傷でしたが
23年の猛暑の影響を大きく受けました。
暑さで果皮が赤色になれず。しかも果皮が青色のまま果肉の成長も止まる個体がいくつか発生しました。成長がストップした原因は、おそらく猛暑の影響による樹体ストレスだと思います。
東京も暑い夏だったようですが、この町も8月の気温が34~36度。2日ほど40度に達する日もありましたよ。。。。
夜の気温もほとんど下がらず。人間もヘトヘトでしたから、りんごの樹も同様だったのかも。
まさか東京より暑い夏を北東北で経験するとは思いませんでした。
そして暑さが治まった時期から、熊によるりんごの食害が頻発したんですよね。
ジョナゴールド、シナノゴールドは、追熟時期と熊のタイミングが合い
食害被害が大きかったです。
収穫できたのは、
ジョナゴールドは例年の約7割。
シナノゴールドは、約1割でした。
今年のシナノゴールドは、酸味がほぼゼロで。
甘味がとても濃厚。本来のシナノの味ではなかったけれど、ハッとする美味しさでした。熊もハッとしたのかな、、、、
9~10月の時期は、熊出没の警報やパトカーサイレンが連日、町のどこかで
鳴っていた記憶です。
園地には侵入防止のため、電流が流れる柵を園地を囲むように上中下と、3段張り巡らして対策をしているんですが、23年はまったく効果が無かったです。この電気の柵も、熊を警戒してあらかじめ1段増やしたんですけどね
そのため、対策第2弾として家にある網を総動員し、電気柵の内側にさらに網を張り2重構えで対策したら多少、効果を感じましたかね。
地元の年配の方から「熊の脂」を頂いて、園地の外周に塗るようにアドバイスを頂いたこともありました。
熊は縄張り意識が強いので、他所の熊の臭いがするとその場所には来ないということなんです。
海の「ヒトデ」を乾燥させた避嫌剤と呼ばれる資材を撒いたりもしました。
(乾燥したヒトデの臭いで、獣害防止効果があるとのこと)
どうすれば熊の侵入が止まるのか。。。。
藁をも掴む気持ちとはこのこと。
良いと言われることは試しました。
毎日の仕事にプラスして、熊に壊された柵や網を張りなおす作業が連日生じて。就農してはじめて、体力的にキツイと思う年でした。
熊被害の先行きが見えず、当初は収穫量が不安でしたが、結果、例年の7~8割減で抑えることができ、注文頂いたお客様、全員にりんごをお届けすることは出来たので結果論ですが、乗り切ることはできたかもと思います。
同地区の生産者さんの中には、8割も被害を受けて今年は贈答注文を受けることが出来ない方や被害が大きかった生産者さんのなかには、24年も同様の被害があれば、もう農業は辞めると仰るかたもいます。
24年も熊は来るのか。
わが家の園地に侵入した熊は、1匹も捕まえることが出来なかったので。
24年も熊被害を覚悟しています。
3月------------------------------------------------
いよいよ24シーズンも始動。やることリストです。
①桃の苗木育成
②遅霜対策ではじめて燃焼法の施行
③農機具メンテナス
④罠免許受験??!
⑤農薬アドバイザー受験
⑥24年の熊対策
■①桃の苗木育成
今年は、桃の苗木を2本植えます!
早生と晩成種の2品種。
桃を苗から育てるのは初めてなので事前に調べ準備することも多く緊張します。順調なら3年くらいで収穫できると思うので、早くも食べるのが楽しみです。この食い意地だけで頑張れる!笑
■②遅霜対策ではじめて燃焼法の施行
今年の遅霜対策は、園地で火を燃やす原始的な方法で対策をする予定です。種火を育てられるか、そこが心配です。田舎ながら、園地の隣は民家なので お隣さんへの挨拶まわりはしましたが、安全に燃するため、火を燃やす缶状のもの(一斗缶的なもの)を集めています。
■③農機具メンテナス
これまで農機具は、燃料を給油して使うことを覚えるのでいっぱいいっぱいでしたが少しだけ農機具の構造もわかってきました。できるメンテナンスは自分で対応できるようになりたいです。
■④罠免許受験??!
23年の体感は、自己防御も必要かもと感じました。
町内のハンターさんの数も限られているため、熊の食害が生じてもハンターさんが来てくれたのは10日後、、、、通報した意味が無いと感じたこともありました。
園地は自分で守るつもりでいますが、守りだけではなく攻撃も考えなければならないのかもしれません。
■⑤農薬アドバイザー受験
これは来年1月に受験します!
田舎ではまだ女性農業者は少なく。ウチの町では私1人なんですが。
異性の同業者からは遠巻きに眺められ、同性からは「よくやってますね。私にはできない~笑」と言われたり。「笑」の部分に、好意的ではないものを感じて何だか悔しく寂しくなりましたね。
変わり者という認識をされているのかなと疎外感も感じています。
この資格取得で、田舎の農業界になじめるとは思っていませんが(むしろ同業者には煙たがられるかも)自分の仕事に説得力をもてることが自信になり、きっと周りの目も気にならなくなるだろうと。そこに期待しています。
田舎暮らしは面白いですが、昔ながらの息苦しさはあります。
プラス・マイナス両面あるのは、どこに暮らしてもありますね。
■⑥24年の熊対策
ウチの園地は2か所あり、1か所は山側。もう1か所は民家近くにあります。
山側の園地で鹿や熊の食害が昔からあるので、電気柵と侵入防護網を設置していますが、民家側の園地は、被害もそれほど多く無かったので何も設置していませんでした。ですが今年は、熊を対象にした侵入防護網を設置予定です。夏の作業にならなければ良いなと思いますが、作業時期が夏になりそうで。今から気が重いです。
5月-------------------
摘果の時期に突入しました。
24年は就農以来はじめて、りんごの花の中心花が実っています。
3月の気温が低かったこと、4月の最低気温がそれほど低くならなかったことが幸いし、霜被害が無く。現時点、良い生育状況です。
6月中に何とか摘果を終わらせたい!
りんごの出来には今年とても期待していますが、父が植えた桃は年々弱って来ています。りんごに比べると、桃の寿命は短いらしいのですが桃は改植の時期が迫っていると感じます。
去年の手ごたえでは、気候に適した栽培果樹に改植することを考えなければならない時期かもと考えます。実際、23年春の研修では りんごから桃・梨への転作を県が推奨しはじめました。
わが家も、りんごの栽培面積を今より1/8程縮小する予定です。
自分は少なくてもあと10年この仕事を続けたいと思っていますが、10年後の栽培果樹の品種は大きく変わるかもしれませんね。
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なかのみさんは変わりなくお過ごしですか。
春の繁忙期は落ち着きましたか。
元旦に能登半島地震が起き、自然災害とはいえ何も元旦にこんな思いをさせることはないじゃないかと。新年の挨拶すら、はばかられる災害の状況に、どこに腹を立てたら良いのか。
頑張っていても、いつかは自分も同じように被災するかもしれないと、被災者のみなさんの状況が他人事には思えず、虚無感みたいな感情が生じました。
石川県は、金沢市を中心に2度ほど旅をしたことがあり。
定期的に行きたい場所が多くあり。今度は輪島のあさ市を観たいと思っていたんですよね。なので尚更今回の地震は自分にはショックだったのかも。
沈んだ気持ちのなか、今年は桃、りんご、ブルーベリーの苗木を注文したんですが、苗木が育つ・育てることを想像した時に、気持ちが前を向いてくる感覚があって
その感覚が面白く、どうしてかなと考えました。
苗木を育てるってことは果実が育つ3~5年後を想像することで。果実が実る未来に明るさを感じたというか。
果実ではなく花でも良いのかもしれませんが、未来を想うことで、今の状況から気持ちをズラして明るさを感じられたのかもしれないと思い、果樹が身近にある面白さを改めて感じました。