NucBox M5 レビュー 【Proxmoxインストール編】
NucBox M5にいよいよ本命のProxmoxをインストールしていきます。
インストール
公式サイトからISOをダウンロードしてインストール用USBメモリを作成してインストールします。普通にLinuxをインストールするのと変わりませんね。
このページを参考にさせていただきました。
Proxmoxは仕事でも触ったことがあるのでインストールは楽勝。と思いきや、思わぬ落とし穴が。
インストール中に初めて見るエラーが出ました。
EFI boot mode detected, mounting efivars filesystem mount: /sys/firmware/efi/efivars: mount(2) system call failed: Operation not supported.
dmesg(1) may have more information after failed mount system call.
Installation aborted - unable to continue (type exit or CTRL-D to reboot)
調べてみるとRyzen 7 5700Uで全く同じ症状が出ている例を発見。
BIOSの設定変更が必要だそうです。
NX-modeはメモリのセキュリティ機能のようですね。
仮想環境には必要ということでしょうか。上記の通りenableにしたら無事インストールできました。先人のノウハウに感謝です。
なおNucBox M5の場合、BIOSに入る方法は「起動時にescを連打」でした。
インストール後の様子
メモリが少ない!?
https://IPアドレス:8006 でProxmoxにログインしてダッシュボードを見てみると、メモリがなぜか12.55GiBしか認識されていません。
16GBあるはずなのにおかしいな…3.5GBほど足りない。
「BIOSでCMOSをクリアするとよい」という情報を見つけたけどコンソール上では確かに16GBほど認識されているんですよね。
# cat /proc/meminfo
MemTotal: 15729144 kB
さらに調べてみて分かりました。
消えた3.5GBはRyzenのiGPUのVRAMに取られているようです。
iGPUだしごもっとも…
iGPUもそこそこ強いRyzenですが、今回は仮想サーバ用途なのでGPUは使いません。(GPUパススルーはやってみたいけど)
VRAM容量変更
ということでひとまずiGPUへの割り当てを減らしてみます。
BIOSの Advanced → UMA Frame buffer Size
を見てみると確かに3GBが割り当てられていました。
サーバ用途にGPUは不要!ということで思い切って最小の512MBに変更しました。
するとProxmox上では15GiBと表示されるようになりました。めでたしめでたし。
起動直後でProxmoxは1.3GiBほどメモリを消費する様子。
消費電力確認
今回は省エネなサーバを作ることが目的です。ということでさっそく消費電力を測っていきます。
前回同様、SwitchBot プラグミニで消費電力をモニタリングします。
0〜20分ごろまではProxmoxのインストールや設定をしていました。
25Wを超えない程度なので省エネですね。
40〜120分はProxmoxの設定が終わったために再起動して放置したアイドル状態です。
たまに何かの処理で20Wを超えることがありますが、基本的に6.7〜7.3Wほどで推移していました。
まだVMもコンテナも何も立てていない状態なので、これがProxmoxの最小電力ということになりそうです。
少々意外なのは、前回確認したWindows 11のアイドル時との比較です。
Windows 11の場合、アイドル時の消費電力は5.7Wほどでした。
なんとProxmoxの方が1Wほど高いのです。
なんとなく「Linuxは省エネ、Windowsは電力食い」というイメージがあったので逆で驚きました。
最近のWindowsは省エネの技術が進んでいるんでしょうか。
それかProxmoxやLinuxはサーバ向けソリューションなので省エネ方向のチューニングにはあまり力を入れていないのかもしれません。
ちなみにProxmox 8系はDebian 12がベースだそうです。
今回はここまでにします。
次回からはProxmoxへVMやコンテナをデプロイしていきます。