Dédale 2018 / Jean Quastana
<タイプ>
赤
<生産者>
Jérémy Quastana
<品種>
ピノ・ノワール100%
<産地>
フランス・ロワール
<価格帯>
3000円強
<コメント>
2日に分けて飲みました。
開栓直後は香りが非常に弱く、硫黄や焦げた豆、鉄、血、わずかに獣感。非常に先行きが心配になりました。味わいも鉄しか感じないようなガチガチさ。少し温度が下がると杉のニュアンス、奥にわずかにプラムのような果実感。旨味もあり、タンニンはしっとりとスムーズなのですが、全体的に味わいは乏しく、空洞のようなそっけなさ。一杯目はこの様子でもしかして劣化?とかも思ったりしました。しかし、これはおそらくワインが非常に還元的だったためだと思われ、少し時間を置いた2杯目からは一気に開花。香りはラズベリーやクランベリーを思わせ、優しい甘みと綺麗な酸が調和し、きめ細かく心地いタンニン。余韻は極めてスムーズかつ嫌味のない果実味。素晴らしい透明感のある感動モノのワインに一変。
2日目も1日目後半の美しさ、透明感のままの素晴らしさは持続します。1日目と比べると少し蜜のような甘美なニュアンスが強くなっている印象。またじっくり飲むと杉やハーブのニュアンスも感じられました。とても美味しかったことと、これ以上待って味がいい方向に変化する感じもしなかったので、あっという間に飲みきってしまいました。
<感想>
開栓直後はどうなることかと思いましたが、嘘のような激変を経て、透明感溢れる瑞々しいワインに。よく飲む15分前には抜栓しておきましょう、というような文言を見かけますが、まさにそれが必要だったようです。しかし、ここまで激変するとは衝撃でした。ワインを本格的に飲みだしてまだ経験が浅いですが、本当に発見の連続です。
いくらでも飲めてしまうような魔法の液体。ワイン単体でももちろんの事、しっかり構造もあるので、合わせられる料理の幅も広く、価格もまあまあ手頃。入手が難しいのが難点ですが、本当に素敵なワインだと思います。
<点数>
90点(87+3)