高齢者への注意
高齢者への注意:
・小児、高齢者等が医薬品を使用する場合においては、保健衛生上のリスク等に関して、成人と別に考える必要があります。
・一般用医薬品の販売等に際しては、実際にその医薬品を使用する高齢者の個々の状況に即して、適切に情報提供や相談対応がなされることが重要です。
高齢者の年齢
・高齢者 「医療用医薬品の添付文書等の記載要領の留意事項」は、おおよその目安として65歳以上を「高齢者」としている。
生理機能の衰え
・一般に高齢者は生理機能が衰えつつあり、特に、肝臓や腎臓の機能が低下していると医薬品の作用が強く現れやすく、若年時と比べて副作用を生じるリスクが高まります。
・しかし、高齢者のリスクは個人差が大きい個人差が大きく、年齢のみから一概にどの程度リスクが増大しているかを判断することは難しいため、個別の状況に合わせた情報提供と相談が必要です。
嚥下障害
・生理機能の衰えのほか、喉の筋肉が衰えて飲食物を飲み込む力が弱まっている(嚥下障害)場合があり、、内服薬を使用する際に喉に詰まらせやすい。
・医薬品の副作用で口渇が生じることがあり、誤嚥を誘発しやすく注意が必要です。
高齢者の持病への配慮
・高齢者は持病を抱えていることが多く、医薬品の使用が症状を悪化させたり治療を妨げる可能性がある。
・複数の医薬品が長期 間にわたって使用される場合には、副作用を生じるリスクも高い。
・複数の医薬品を同時に使用する場合、副作用のリスクが高まる。
代謝機能の低下による配慮
代謝機能の低下によってうっ血性心不全、不整脈の発症リスクが高まることがあるので、腎機能や肝機能の低下、併用薬との相互作用等に留意するべきである。特に、高齢者において、そのような配慮が重要です。
グリセリンが配合された浣腸薬への注意
高齢者又は心臓病の診断を受けた人では、グリセリンが配合された浣腸薬では、排便時に血圧低下を生じて、立ちくらみの症状が現 れるとの報告があり、用する前に治療を行っている医師等に相談がなされるべきです。
偽アルドステロン症への注意
体表面積が小さい者や高齢者で偽アルドステロン症生じやすく、原因医薬品の長期服用後に初めて発症する場合もある。また、複数の医薬品や、医薬品と食品との間の相互作用によって起きることがある。初期症状に不審を感じつつも重症化させてしまう例が多く、偽アルドステロン症が疑われる症状に気付いたら、直ちに原因と考えられる医薬品の使用を中止し、速やかに医師の診療を受けることが重要です。
便秘傾向のある人への注意
小児や高齢者のほか、普段から便秘傾向のある人は、イレウス様症状(腸閉塞様症状) 発症のリスクが高い。また、下痢治癒後の便秘を放置して、症状を悪化させてしまうことがある。いずれにしても初期症状に気付いたら、原因と考えられる医薬品の使用を中止して、早期に医師の診療を受けるなどの対応が必要です。
嘔吐が激しい場合への注意
嘔吐に発熱や下痢、めまいや興奮を伴う場合、胃の中に吐くものがないのに吐きけが治まらない場合等には、医療機関を受診するなどの対応が必要である。特に、乳幼児や高齢者で嘔吐が激しい場合には、脱水症状を招きやすく、また、吐瀉物が気道に入り込んで呼吸困難を生じ ることもあるため、医師の診療を受けることが優先されるべきです。
情報提供への配慮:
・高齢者は医薬品の説明を理解するのに時間がかかる場合や、文字が見えづらく、添付文書や製品表示の記載を読み取るのが難しい場合等があり、情報提供や相談対応において配慮が必要となります。
・医薬品の取り違えや飲み忘れが起こりやすいため、家族や周囲の人(介護関係者等)の理解や協力も含めて、医薬品の安全使用の観点からの配慮が重要となることがあります。
小児、他、妊娠中、授乳中、医療機関で治療を受けている人への注意は
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