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解熱鎮痛薬の受診勧奨など

解熱鎮痛薬の使用は、発熱や痛みを一時的に抑える対症療法であり、疾病の原因を根本的に解消するものではありません。
以下のような場合は医療機関を受診するなどの対応が必要です。

発熱

発熱に伴い、
・激しい腹痛や下痢などの消化器症状
・息苦しいなどの呼吸器症状
・排尿時の不快感等の泌尿器症状
・発疹や痒みなどの皮膚症状等
がある場合や、
発熱が1週間以上続いているような場合
は、その他の重大な病気が原因となっている可能性があります。

自己判断で安易に熱を下げることは、かえって発熱の原因である病気の診断を困難にさせ、また、病態を悪化させるおそれがあります。

通常、体温が38°C以下であればひきつけや著しい体力消耗等のおそれはなく、平熱になるまで解熱鎮痛薬を用いる必要はありません。
ただ、発汗に伴って体から水分や電解質が失われるので、吸収の良いスポーツドリンク等でそれらを補給することが重要です。

関節痛

・歩くときや歩いたあとに膝関節が痛む場合
・関節が腫れて強い熱感があるという場合
・起床したときに関節にこわばりがあるような場合
は、関節リウマチ、痛風、変形性関節炎等の可能性が考えられます。

月経痛(生理痛)

・年月の経過に伴って次第に増悪していくような場合には、子宮内膜症等の可能性が考えられます。

頭痛

頭痛が頻繁に出現して24時間以上続く場合
・一般用医薬品を使用しても痛みを抑えられない場合
は、自己治療で対処できる範囲を超えていると判断されます。

特に、
頭痛の頻度と程度が次第に増してきて耐え難くなった場合
・これまで経験したことがないような突然の激しい頭痛、手足のしびれや意識障害
などの精神神経系の異常を伴う頭痛が現れた場合には、くも膜下出血等の生命に関わる重大な病気である可能性が疑われます。

・頭痛の発症とその程度には、頭痛が起こるのでないかという不安感も含め、心理的な影響が大きいです。
・解熱鎮痛薬は、頭痛の症状が軽いうちに服用すると効果的ですが、症状が現れないうちに予防的に使用することは適切ではありません
・解熱鎮痛薬の連用により頭痛が常態化することがあり、注意が必要です。
・また、解熱鎮痛薬を使用したときは症状が治まるものの、しばらくすると頭痛が再発し、解熱鎮痛薬が常時手放せないような場合には、薬物依存が形成されている可能性も考えられます。医薬品の販売に従事する専門家は、家族や周囲の人の理解や協力も含め、医薬品の適正使用、安全使用の観点からの配慮することが重要です。

手引きよりまとめました。

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