「95%聴くんだよ。」と上司からのメッセージ。
昨日、新卒で入った会社のことに触れて、
いろいろ思い出した。
「役職」で呼び合うこともなく「さん」で呼ぶ。
他にも上司たちは、セクハラやパワハラも「全ては受け取り側次第」と言っていたし、海外支社ということもあり日本とは違う文化、相当言葉を選んでいたと思う。わたしが勤めていた間で、セクハラとかパワハラは感じたことはなかった。社内で研修とかを徹底していたのかな。
女性の営業はお客さんが男性の場合、何かあってはいけないと一人で接待へ行くことも禁止になった。(接待で契約を取る時代じゃないとも言っていた。社員に夜に仕事をさせるなとも。)
とにかく社員をまず守ってくれる会社だった。
それが新卒1社目だっただけに、わたしの中の「会社」というもののすべては、ココが基準となった。
なのでその分、わたしは転職した時に1社目とのギャップに嘆き続けることになる。。
「体重何キロ?」
「女性はニコニコしてくれているだけでいい。横に座ってて欲しいよー」
ドン引きして即辞めた。
全然部下に耳を傾けず、自分の解釈で怒鳴りつけて、イライラして椅子を蹴ったり、モノに当たったりしている上司。わたしはそれを毎日何時間も聞いているだけ・視界に入ってくるだけでストレス…
数週間後、背中に皮膚に激痛が走り、触れると痛くて服も着れない… 帯状疱疹になった。
辞めた。
小さな会社で、超ワンマン社長。
お気に入りの社員とそうじゃない社員の扱いの差、給料の差、平等も公平もそこにはない。とにかく社長を立てないといけない。
寝ている間の食いしばりが日に日にひどくなり、顎関節症に。口が開かなくなった。朝が来たら会社へ行かないといけない… と思ったら眠れなくもなった。
辞めた。
もうね、マジで困った。なかなかの根性論は超体育会系で身につけてきたはずなのに、無理だった。逃げてばっかりのような自分がイヤにもなった。
結婚して、時代に合わないかもだけど「寿退社」をして専業主婦になった時、ストレスフリーで窓拭きしたり、掃除機したり、ごはん作って待ってるっていう毎日がどれだけ幸せかを実感した。
いまだに結婚以来、組織で働いていないから、わたしはもう怖くて怖くて、今でも一生働きたくないと思っているくらい。
1社目のインパクトはすごい。
その1社目の話に戻す。
当時駐在員が20人くらいいる大きな会社だった。
いろんな部門のトップに駐在員かローカルスタッフを置いていた。
社内で怒鳴る上司はいなかった。
体育会系のわたしはどんなトラブルが起こっても穏やかな上司たちに姿に驚いた。
わたしが失敗をしたら「チャンスだ」と目を輝かせてくれていた。
「どうしたかったからその行動をしたの?」
「じゃあ、その行動でどうしてお客さんは怒っちゃったんだろう?」
「バカやろう」「怒るに決まってるだろ!」じゃなくて、そこに至った経緯やわたしの意図などをまずはしっかり聞いてくれた。わたしが十分落ち込んでいるのは感じ取ってくれていて、過ぎたものにグチグチ言われることもなかった。
怒られた記憶は・・・
ない。
「お客さんはどうして欲しかったんだろう?」
「クレームはクレームが起こる前よりも信頼を深める最大のチャンスだよ、起こったことは仕方がないから、今後お客さんとどうしていくかを考えて提案しよう。アポとっておいてね、一緒に行こう。」
と言ってくれた。
(ちょっと過保護かも??とは今は感じるけれど、とにかくわたしは一緒に向き合ってくれる・支えてくれる上司のためにも頑張ろうって思えた)
そして、一緒に行った客先で上司がとった行動は・・・
1時間ほど、こちらからは一切喋らない。
だった。
とにかく聴いた。
すべての話を「そうですよね、そうですよね」とずっと頷いていた。次第に怒っていたお客さんの話は本題からどんどんズレていき、中国の社内での困難や、中国での日常生活への不満などになっていった。それでも「わかります、そうですよねぇ。辛いですよねぇ。。」と頷き続けた。わたしは「用意してきた案はいつ出すんだ?いつまで本題とは違う話を続けるんだ?あまり時間ないよ?」とウズウズしていた。
でもお客さんの表情はみるみる柔らかくなり、笑顔になり、最後の最後に「今後はこうしていこうと思っているのですが・・・」と資料を出したら、ほぼその資料も見ずに「はい、はい、いいですよ!じゃあ、これからもよろしくお願いします!」と、めちゃくちゃ笑顔で終わった。
確か、わたしへのフォローの言葉もお客さんに話してくれた記憶もある。
「95%聴くんだよ。」
と、帰りの車で言っていたのを覚えている。
「お客さんが怒っているときは、とにかくその話が出なくなるまで聴くんだ。普段の訪問や契約更新をする時もお客さんに『日常で困っていることはありますか?』をとにかくよく聴くこと。そこにたくさんヒントがある。仕事の話は残り5分でいい。」
と言われた。職種にもよるかもしれないけれど。
(今、わたしがNVCで学んでいるようなこと、この時から触れていたのねー♡笑)
最近あったNVCフェスの一部を訳してくださった方がいて、
「相手が怒ったからといって、話を中断したり背中を向けてしまうのは本当に勿体無いんだ。ただそこに一緒にいて怒りのエネルギーを一緒に感じるスペースを保つだけでいいんだよ。」
と書いてくださっていたのを思い出し、まさにあの時の上司はそれをしていたんだって思った。
それから「よし!わたしも聴くぞ!」とやる気満々になっていたワタクシですが・・・
会社を辞める直前くらいに、同僚が教えてくれたのが、お客さんがわたしのことを、
「あ、あの子辞めちゃうの!?あの明るくてよくしゃべる子!」
と言っていたと!!ちょっと衝撃!!笑笑
全然相手の話聞いてないじゃん!!笑 わたしはあの時上司から何を学んだんだ!!しかもまもなく辞めるというのに。。笑
その日からわたしは自分に、
「人の話を聞かずに、自分の話ばかりをするヤツ」
というレッテルを貼りました。笑
その後、「聞き上手」といろんな人から言われてめちゃくちゃ驚いたのはたった一年半ほど前。誰かの一言って良くも悪くもその人の人生に影響をし続けるんだなぁと身をもって体感。とにかく、1十数年貼り続けたそのレッテルを剥がせてよかった。
そんな思い出したことをツラツラ書きました。
では、今日は今からせいちゃん講座(あと二回!)なので、この辺で!
※San Joseはデモの影響で夜間完全外出禁止になっています。外出禁止なのに夜パトカーの音が激しかったりで穏やかではないんだけれど、現状を見つめながら、感じながら、落ち着いて過ごしています。
心配してくれた友人たち、ありがとう。
ではまた明日、ココで。