第一章 心の底から与えるー非暴力コミュニケーションの核心③
NVCの本に沿って書いていくシリーズ第三回目。
では早速、続きを書いていきますね。
ともに深めていけたらうれしいです♡
———————————————-
今日はNVCの4つの要素について。
今から書くことは何か型にはめたようなテクニックのように感じるかもしれませんが、NVCは決して言葉を使うための、
【テクニックではない】
と、マーシャルはハッキリと言っています。
人々が本来持っている力、
尊敬や共感の力を思い出して、
心と心の奥深いところでつながり、
自然と与え合う、分かち合うこと。
それは、言葉だけじゃなく
「沈黙」であるときもあり、
「表情」や「ボディランゲージ」で
表現することもある。
沈黙を通じての共感や、
多種多様な話題、
ユーモア、
ジェスチャーがあり、
その「すべて」が対話の流れを支えています。
こうして、活字のものよりも、本来の対話はもっと自然である、ということを頭の片隅において、読み進めていただければとってもうれしいです♡
では、NVCの4つの要素。
それは、
① 観察(第三章で扱います)
② 感情(第四章で扱います)
③ 大切にしていること・ニーズ(第五章で扱います)
④ リクエスト(第六章で扱います)
というもの。
まずはザックリ4つの要素を見ていきますね。
《 ① 観察 》
誰かが言ったこと(言葉)・したこと(行動)が、わたしたちにどんな影響を与えているか。
まずはそれを、判断や評価をまじえずに述べる。
好きとか嫌いとかの「感情」も横に置いておいて、あいつが悪いとかあーだこーだという「ジャッジメント」なども一旦横に置いておいて、シンプルに相手が言った言葉や動作を述べてみる。
わたしの日常を例にしてみますね。
「息子と娘が靴下をソファの上に脱ぎ散らかしとる…」
(この言葉の中にある「脱ぎ散らかしとる…」 には、なにかしらワナワナするようなわたしの感情が入っていますよね笑 脱いだ靴下ではあるけれど、散らかしているつもりは子供たちにはないかもしれない。わたしの感情を解釈が入っています。)
観察に変換してみましょう。
→「ソファの上に靴下が二足分ある」
(シンプル!これには、わたしの感情や解釈が感じられないと思います。起こっている状況を見たまんま、まるで写真を撮ったように述べただけです。)
つづきまして、
《 ② 感情 》
相手の言動を①のように観察し、今度は自分の内側にはどんな感情が湧き起こっているかをみます。
(引き続き靴下の例でいきます)
「イライラしている…」
これは安易にご察しいただけるかと思います。笑
そうです、イライラしております。笑
そして、
《 ③ 大切にしてること(ニーズ)》
どうして②のような感情が湧き起こったの?
その奥にはわたしは何を大切にしているの??
その大切にしていることをNVCでは【ニーズ】と呼びます。
イライラしている奥にあるわたしの大切にしていること(ニーズ)は、
「みんながくつろぐソファは、いつでもみんなが気持ちよく座れるような状態であってほしい。」
そしてそして、
《 ④ リクエスト 》
相手にこうしてもらいたいなぁ、こうしてもらえたらありがたいなぁ、というリクエストをします。
リクエストは、
「実行可能」で、
「具体的」で、
「肯定表現」で、
「今すぐできる」こと。
例えば、
「ここで脱ぐなー!」
だと、「じゃあ床ならいいの?」となるかもしれず、具体的とは言えない。そして、「〜するな!」は肯定的な表現でもないですね。
「脱いだ靴下は今日からずっと自分たちで洗濯しろー!!」
だと、うちの小さな子供たちはアメリカ式の上にレバーがある洗濯機はとどかない背丈だし、今すぐできる実行可能なことではない。
ということで、
→「靴下を脱いだときに、そのままそこにある洗濯カゴに入れておいてくれるかなぁ?」
というような、「それなら今すぐできそう!」というリクエストにする。
そして、それは決して強要ではなく、もちろん相手がNoと言うこともあります。(そのときはまた①から繰り返したり、リクエストを変えてみたり、可能性はいろいろとあります。詳しくはまた別のときに。)
この①〜④を繋げて、もう少し自然に伝えてみますね。
「ねぇねぇ、帰ってきたらYouTubeをすぐ見たいのはわかるんだけどね、二人の脱いだ靴下がソファの上にあるよね。
お母さん、みんなが座ってのんびりできるソファの上はとても大切な場所で、何も置かないようにしたいんだ。いつでもみんなが気持ちよく過ごせるようにね。
だから、靴下がそこにあるとイライラしちゃう。明日からは帰ってきて、靴下を脱いだときにそのままそこの洗濯カゴに自分たちで入れることはできるかなぁ?そうするとお母さん洗濯もしやすいし、すごく助かるなぁ。」
(ちょっと最初と最後に付け加えていますが、それもまた追々伝えますね。伝えたいことがいっぱいで幸せ♡笑)
すべての感情(ネガティブもポジティブも)を大事にするので、イライラしていると正直に伝えます。
————————————-
ザックリ四つの要素について書きました。
もちろん、これだけじゃ・・・
「とはいえなぁ・・・むずくね?」
と、なかなかピンときませんよね。。笑
もしかしたら「・・・なんかちょっとめんどくせーな」って思う方もいらっしゃるかもしれません。
(実際、NVCを学び始めて、めんどくさいという声も何度か聞いたことがありますよ。何を思っても、感じてもいいんです。そのままの気持ちを大切にしてくださいね♡)
ただ、一つずつゆっくりこれから伝えていくので、この深さをだんだん感じられていくと「わぁーーー♡」というタイミングがどこかでやってくると思います。(急に抽象的。笑)
でもほんと、一日なのか数年なのか、それぞれのタイミングでやってきます。
(どうしてもやる気がなくなってしまった場合は、無理はしないでくださいね。そして、また気が向いたときにいつでも戻ってきてください♡笑 手を広げて待っています♡ でもわたしの第十四章までの旅路にこのまま付き合っていただけたら、泣けます。。)
話を戻して、
この4つの要素を明確に表現することが、
とても大切なんですね。
自分が何を観察し、
どんな感情を抱いているか、
その奥に何を大切にしているか。
相手が何を観察し、
どんな感情を抱き、
その奥に何を大切にしているか。
を感じ取ることで、
相手との深いところで「接点」ができる。
この接点ができたときに、4つ目の「リクエスト」を伝え合い、それを受け取り合うことで、また、ときには受け取り合えない中で、対話を繰り返す。
そうすると、お互いにとって人生を豊かにする「道」を発見することができる。
それは、同じ道かもしれない、
もしかしたら、別の方向の別の道かもしれない。
それはわからないけれど、たとえ、別の道だとしてもその先にはまた繋がっていることだってある。そこでまた新しいわたしたちと出会えたらいいねって。わたしはそういう未来であればいいなぁっていつも願っています。
冒頭にも書きましたが、これが決まった「型」というわけではなく、さまざまな状況や、個人的あるいは文化的なスタイルに適応させながら変化したり、進化したりします。
ひとことも口にしないで4つの要素をすべて感じる経験をすることもあります。
(実際、わたしは経験したことがあります)
NVCの本質は、やりとりされる言葉にあるではなく、4つの要素を【自覚】するところにあると、マーシャルは言います。
親密な人間関係
家族
学校
組織や会社
セラピーやカウンセリング
ビジネスの交渉
あらゆるタイプの対立
というような、人と人が関わるところに取り入れみることで、さらに深く、思いやりに満ちた関係へと発展させていく可能性を持っているんです。
この本では、様々な声を紹介しています。
離婚寸前の夫婦が、感情に耳を傾け、自分の中にある大切にしていることを表現できるようになり、必ずしも相手が望んでいない返事をしてきても、それを受け止められるようになった、と今でも一緒にいる道を選んだり。
教師が深いところで自分の大切にしていることを自覚をし、生徒とのやりとりが大きく変わったり。
(日本でも教育機関に取り入れられてきています。)
多くの医師が、患者の生き方や病気との付き合い方に関心を持っていないのが現状で、特に重い病気の患者さんの場合は、患者さんの「怒り」と「心の痛み」があまりにも大きく、医療従事者との関係がひどかったそう。
でもNVCで知ったあと、患者さんが何を大切にしているかを理解できるようになった、驚くほどNVCは医療現場にマッチした、と話していたり。
(医師の方でNVC講座を受講される人たちも増えています。)
さらには政治家も交渉にとても役に立った、と話したり。
(NVCを盛り込んだことで起こった声のの詳細は、是非、本書を手に取って開いてみてくださいね。)
マーシャルは、ヨルダン川西海岸の激しい紛争にも呼ばれたりしたこともある。何年も前から、イスラエルやパレスチナ、ナイジェリアなどの地域でNVCのトレーニングが広まっており、対立している人々が和解のために次々とNVCを持って対話を試みている。
(みんな本当は争いたくない、本当は理解し合いたい・わかり合いたい、平和でありたいんだなって伝わってくる。。)
暴力的な紛争や、民族的、宗教的、政治的緊張のさなかにある世界各地のコミュニティで、いまNVCは、文字どおり【価値のある資源】として役に立っている。
(シンプルにNVCすごくないですか。。)
生前、マーシャルは本書に、
「世界中を飛び回り、各地で人々に力とよろこびを与えるNVCを教えられることは、じつにありがたい。本書を通じてNVCの豊かさを、あなたと分かち合えることにわたしはワクワクし、よろこびを感じている。」
と、言葉を残している。
———————————————-
ここまでが、【第一章 心の底から与えるー非暴力コミュニケーションの核心】でした。
①〜③と三回に分けてお届けしましたが、
第一章、いかがでしたか?
なんとなくNVCってものが見えてきましたでしょうか?それとも、本来持っている尊敬や共感の力?本当にあるの?と、まだまだ信じられないでしょうか?
感想やフィードバックなどを
いただけるとめちゃくちゃうれしいです♡
次回からこのシリーズは、
【第二章 思いやる気持ちを妨げるコミュニケーション】
に入っていきます。
第十四章までの旅路、一緒に歩いてください。。もうすでに倒れそうなので。笑
(※このシリーズは毎日更新ではありません♡
日常のアウトプットもしないとわたしがパンパンになり、爆発してしまうため。。笑)
では、明日はまた違う話題でお会いしましょう♡
シリーズの続きも、
また楽しみにしててくださいね♡
また明日ココで♡
****************
このシリーズは無料で全文読めるけど、有料マガジンにまとめている試みについてや、今すぐ何かしらの講座を覗いてみたい、感情やニーズの一覧表など、どんなものあるのかを知りたいと思われた方のために、ココに載せています。よかったら下のリンクにも訪れてみてくださいね。(※随時編集しています)
****************
ここから先は
NVCの創設者マーシャル・B・ローゼンバーグの唯一の日本語に翻訳された本。これを第一章から第十四章までを、わたしの学んできた様々な視点やた…
循環が循環を生むのがすきです。サポートしたいただいた循環を、文字で循環していきます♡