ERでひたすら待った半日。
この間のつづきを書き留めておきます。
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15時ごろ、ERに到着。
つい20分ほど前まで笑っていたわたしは、もう笑えなくなっていた。
入口で先に降ろしてもらい、なんとかベンチに座り込む。
勤務を終えた看護師さんが出てきて、わたしを見るや否や「Are you OK? 」と聞いてきた。もう見た目もかなりきていたのだろう。
寒かったので右腹を押さえながら、なんとかすり足で入口に入り、中のベンチへ。
「あなた患者?」
「はい、ハズバンドが駐車してて、もうすぐ来ます。。アポイントはあります。。」
「ココからERはちょっと歩くけど、車椅子いる?」
「イエス、プリーズ。。。」
車椅子に乗せてもらった。
もうお腹の痛みで自分の力で足を乗せることもできず、持ち上げてもらった。
深呼吸も痛くて全くできなかった。
旦那と子供たちが来て、ERで受付をした。
「ココには今、インフルもコロナもいろんなウイルスを持っている人がいるわ。誰か家族を呼んで子供たちは連れて帰ってもらった方がいい。」
「身寄りの家族は、アメリカにいないんです。。」
「オー、I’m sorry.. でもこれから1時間、2時間はかかると思うの。ココに子供たちを置いておくのは危ないわ。」
どうしようもない。
わたしが一人で残るしかない。
日本語の通訳つけてねとお願いし、旦那は子供たちを連れて家へ戻った。
最初はまだよかった。
でも痛みが増してきて、不安も増してくる。
携帯の充電が切れそうだったけど充電スポットへ行くために、車椅子から立ち上がることもできなくなっていた。
そして、全然呼ばれない。
お腹を抱えて蹲っていても、痛みに耐え切れず唸り声が漏れてしまっても、誰にも気にかけてもらえないし、話しかけてももらえない。
30分…
1時間…
いつ呼ばれるの…?
聞きに受付に行くことすらもできない。大きな声もでない。
当たり前だけど、
こわかった。
痛みで意識が若干朦朧としてくる。
家族の顔を想う…
勝手に目から涙が溢れそうになる…
そして、1時間半が経ち、やっと呼ばれた。
16時半。
連れて行かれた部屋でまた待つ。
血液検査、尿検査をして、別の部屋に連れて行かれる。
そこから色々な質問をされ、また待つ、待つ、待つ…
来る人来る人が、
「最後に食べたのはいつ?」
「いつから痛いの?」
「どこが痛いの?」
と聞いてくる(アメリカあるあるなんだけど…)、さらには、
「今日はどうしたの?」
と、聞かれることも何度もある。
「今夜手術なる。」
「明日だと思う。」
みんなバラバラなことを言う。
「ハズバンドに連絡したいんだけど、充電がないの。」
「OK!充電しとくわ!」
って持っていってくれたけど、一行にその看護師さんは帰って来ず、その間にまた看護師さんが入れ替わり、携帯行方不明の絶望感… 旦那に連絡ができない…
20時半、やっとCTを撮りに移動。
もう台に移動するのもできなくて、身体を起こすことも、足を下ろして立つこともできず、大人二人に抱えてもらった。
とにかくフラットに寝そべることが一番痛みが厳しかったので、CTスキャンの間がめっちゃ辛かった。腕も頭の上にとか言われるけど、とても挙げられない。機械の中で、一人小さく、ゔーーーーーと唸っていた。
部屋へ戻り、そこから痛み止めをガンガン打つ。
痛みを1−10段階で伝えるシステム。
一本目。
「どう?和らいだ?今のレートは?」
「9…」
二本目。
「どう?」
「9…」
三本目。
「効いた?レートは?」
「9…」
四本目、五本目…
全く効かない…
10分おきに来ていた看護師さんもイライラし始め、「もう強いのにしていいか、ドクターに聞いてくるわ。」と。
六本目(めっちゃ強いらしい)。
「あぁ…ちょっと効いた…7かな…」
「え?まだたった7なの?もう一本打つ?」
「いや、大丈夫…(これならなんとか耐えれるし、これ以上打たれる方がこわい…)」
アメリカンは痛みに弱いので、ドラックストアには痛み止めがめっちゃ売ってるし、一家に一ボトルはある。だから、きっとほぼ完全に痛みが感じなくなるまで打ち続けるのだそう。出産だって97%は無痛分娩だし。
「あなた、強いわね。。いつでもボタン押して。追加でいつでも打てるから。」
これ今回の入院中も、前回の出産入院中のときも、何度も何度も言われた。我慢する意味がわからないんだと思う。わたしにはまだジャパニーズの我慢は美徳が根っこにはあるだな。
ちょっと和らいで、ホッとしたのか、消耗しすぎていたのか、少しウトウトした。
ドクターが来た。
通訳がなく、何言ってるかわからんかった。
でもどうやらCTを見る限り、盲腸ではないというのと、◯◯じゃないかと思うと言われて、肝心な単語がわからない。
何度か聞き直し、なんとかストーンと言ったので、とりあえず石があるんだな。石といえば、胆石かなって想像はした。
(Gallstone 胆石。今回の入院生活で覚えた単語)
明日の朝、手術だろうとのことで、ドクターは去った。
夜22時。
旦那は子供を寝かしつけてから、病院まで来てくれた。
わたしの友人が家まで来てくれて、寝ている子供たちを見ててくれた。。こんな夜遅くに本当にありがたい。。
そして、このまま入院となったので、病棟へ移動し、ドクターは別の手術中とのことで、もう今日は会って話せそうにないし、友人も待たせているし、旦那は帰っていった。
「今日はビジーなのよー!」
と、いろんな看護師さん笑っていってた。笑っているところがなんともアメリカらしい。
わかる。わかる。
救急なんだし、命が危ない順に優先させるのも、わかる。
そうあって欲しいし、そうあるべきだし、命に関わらず先着順なんておかしな話。
それに、わたしはこれだけ放置されるってことは、コイツは大丈夫だってこともわかる。
それでも、これだけの痛みで心のケアもなく、ほぼ待っていたこの半日は、かなり堪えた。
(あとから色々アメリカER事情を見ていたら、最初の待合室で痛みで泣き叫んでいる人がいたり、俺が死んでもいいのかー!早く俺を治療しろー!ってキレてる人もいるのはごく日常らしい。そして、もちろん危険な命優先なので、スタッフはスルーだそう。先にこの情報があれば、もう少し納得しながら過ごせたかも。。笑)
そして、疲れ果てたわたしは痛み止めでお陰で、気づいたら寝落ちていた。
つづく。
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(追記)
つづき書きました。
循環が循環を生むのがすきです。サポートしたいただいた循環を、文字で循環していきます♡