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生まれ育った町

わたしの生まれ育った町。それはどこにでもありそうな田舎町。ちなみに海無し県。

都市開発が進み、野球場だった場所はショッピングモールに。私が小さい頃に住んでいた場所は道路に。区画整理で引っ越した場所も、畑や空き地に囲まれていたはずなのに、いつのまにか住宅や駐車場だらけになっている。小さい頃の面影なんて全くない。むしろ、どんな景色だったのか思い出すことすら難しい。
便利にはなったけど、どこか寂しさすら感じる。

好きになる理由がなかった。景色も人も、そんなに思い入れなんてない。
と、思っていたはずだったのに。

小さい頃から知っているおばちゃんのお店。ご飯と味噌汁。優しい味。
ふと眺めていた雑誌で見かけた、鯵の漬丼。
食べたいと思ったけど、忙しさに負けてなかなか行けずにいた。人伝に食べたいとは伝えていたけれど、そんなことすら忘れていた。
仕事がひと段落して、久しぶり訪れたそのお店は、小さい頃の記憶そのままだった。

おばちゃんは、私が食べたいと言っていたものを覚えていて振る舞ってくれた。それだけではなく、好きな食べ物も。小さい頃から知っているからこその出来事。

地元って温かい。

少しだけ地元の良さに気づいた瞬間。

わたしが生まれ育った町。大切にしていこうと思う。それから、もう少し、好きになれそうな自慢できるポイントも探してみたい。

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