ボスベイビー《詩》
近所を歩けば
街はあの方達で今日も賑わっている
パステルカラーの被り物をお召しになり
召使に豪華絢爛な駕籠で散歩に出る
つまらない。風景の変化に乏しい。
昔は四季の変化を眺めるのが散歩の醍醐味であったではないか。
区長に自然を増やせと言ってこい。
駕籠の手摺りに白いちぎりパンのような腕をかけ
召使に言葉をこぼす。
召使は、どうしたの?オムツ替えたいの?
と、抱きかかえて、殿をあやす。
やれやれだせ。私の言葉も理解できぬ姿になってしまったか。まぁでも、ハッピーターン帰ってから食べたいし、一芝居うってやるか。
今にもこぼれ落ちそうな頬を横に伸ばし
満悦の笑みで
ばぁぶぅ〜
と、告げた。
そんな、猿芝居に感心し、眺めていたらボスベイビーの1人と目が合った。
誰にも言うなよ。
そう、冷めがちな眼で訴えられ、絶対に言いません!!と、慌てて眼で応えた。
今日もきっと世界中のボスベイビーは、優雅な昼寝を愉しんでいるだろう。