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[おもしろ植物学 1ー4 ]※紅葉を楽しみたい方は読まないで!

こんにちはゆuです。

今回は「紅葉はなぜ赤くなるのか」というテーマでお話していこうと思います。

少し悲しいお話になりますので、これからも秋の紅葉を楽しみたい方は読むのを控えてください。

1.季節ベースのスケジュール

テーマに入る前に、まずは葉っぱの仕事について整理していきましょう。

植物にとって、葉っぱのお仕事は「光合成」です。

毎日毎日、陽の光を取り込んでは植物のエネルギー作りに励んでいます。

一般的に植物のエネルギーは糖[とう]と呼ばれるので、このトピックでもそのように呼ばせてもらいますね。

植物は葉っぱの裏の気孔[きこう]という穴から呼吸をしており、作られた糖は呼吸や成長、傷の手当などに使われます。


そんな葉っぱさんたちは日差しが強くなってくると仕事量が増えるんですね。

特に夏場なんて、日差しが強いわ昼が長いわで大忙し。

光合成で作られる糖には日の強さや長さが関わっているわけですね。

2.紅葉は〇〇だから赤いのだ!

なので、日差しが弱くなる冬に突入すると状況が一変して仕事がドンドンなくなってしまいます。

勘のいい方はこの時点でもうお気づきになられたと思いますが…

秋の赤い紅葉は、糖をたくさん作れなくなってしまった赤字状態なのです。(黒字の場合は黒じゃなくて緑だけど。笑)


たしかに、光合成は動かずとも体の中でエネルギーを作れる便利な機能ではあるのですが、

副産物として酸素を出す際に体から水蒸気として水分を出してしまうんですね。

そして、光合成がうまくできない中でも、生き残るために体内の糖は容赦なく使われていきます…

植物にとってこの状況は不便ですね。

そうなってくるとさすがに対策を打つしかありません。

たとえ残酷な決定でも……

3.それでもあきらめない

植物は、光合成がうまくできないような寒さになると葉っぱを見捨てます。

葉っぱの付け根に水も栄養も通さない離層[りそう]という層を作るんですよ。

主(植物)の理想には届かなかったということですね…


しかし、見捨てられた葉っぱもあきらめていない!

限られた水分を使って光合成を始めます。離層で養分の流れは止められているので、そこで作られた糖は作った葉っぱのものです。

糖からは、寒さなどの苦痛を和らげるためにアントシアニンという赤い色素が作られます。

時がたつと、葉緑体が壊れていくとアントシアニンの色か見えてくるわけです。

以上が紅葉ができる秘密です。

今回紹介したアントシアニンは、寒さ軽減だけではなく、菌や酸化(植物の場合は枯れる事)から防いでくれており、

リンゴやブドウ、赤や紫色の花にも入っています。

それだけ使い勝手がいいということですね!

アントシアニン以外にも色素はあるので、そこも気になるところです。

参考文献

面白くて眠れなくなる植物学 https://www.amazon.co.jp/dp/4569830293/ref=cm_sw_r_cp_api_i_3Y29MP19CJVT8ZS57BGJ

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