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マタイ福音書 1:18~25 (クリスマス)

彼がこのことを思い巡らしていたところ、見よ、主の使いが夢に現れて言った。「ダビデの子ヨセフよ、恐れずにマリアをあなたの妻として迎えなさい。その胎に宿っている子は聖霊によるのです。マリアは男の子を産みます。その名をイエスとつけなさい。この方がご自分の民をその罪からお救いになるのです。」このすべての出来事は、主が預言者を通して語られたことが成就するためであった。
マタイの福音書 1章20~22節

聖書 新改訳2017©2017新日本聖書刊行会

夢見た結婚生活

マリアとヨセフは婚約したとき、二人はどのような結婚生活を夢みていたでしょうか。二人が知っている周りの若い夫婦たちのような、幸せいっぱいな家庭を築いていくことを期待していたことでしょう。

結婚式の日には、二人はウェディングの正装をして、お互いの両親や親族から祝福され、一週間続く披露宴には、ナザレの村人の多くがお祝いに駆けつける。そんな日を夢見ながら、二人で祈り準備してきたのではないでしょうか。

どんな家庭を築きたいか、子どもは何人ぐらい欲しいかなども話し合ったでしょう。ヨセフは大工として、家を建てたり調度品の家具を作ったりしながら、職人として、家族を支える自分を想像し、マリアは、家族のために家事をしたり、美味しい料理をたくさん作ったり、子どもたちを世話をする自分を想像したことでしょう。

夫婦に立てられた神の計画

しかし、実際はまったくその通りにはなりませんでした。神のマリアとヨセフに立てた計画は、二人が想像していた平凡な結婚生活とは、まったくかけ離れた特別なものだったのです。イスラエルの神は、二人を救い主の母と養父として選ばれました。

マリアとヨセフは婚約中のさなか、それぞれに現れた天の御使によって、マリアは聖霊によってみごもり、生まれる男の子は世を救う救い主となることを告げられてから、そこからの二人の人生は多くの試練を通ることとなりました。一度は、愛するマリアのために密かに離縁しようとまで考え悩みぬいたヨセフでした。妻として迎え入れる決意。予想外の妊娠に対する親類の反応。身重での住民登録。家畜小屋での出産。ヘロデ王に幼子の命を狙われ、エジプトへの逃避行。ナザレに帰ってからの肩身の狭い生活。育てたイエスの十字架への歩み。

夫婦の信仰告白

マリアは天使の受胎告知を受けて、「わたしは主のはしためです。お言葉通りこの身になりますように」と信仰によって受け取りました。ヨセフも、それを自分の告白として受け取ったのです。二人が夫婦として寄り添い合い、励まし合い、支え合い、祈り合い、一致して一つとなることで、神の御子の両親としての大きな働きを全うすることができました。まさに、救い主イエスがお生まれになって下さったことによって、二人は夫婦として強固な絆で結ばれたのです。

夫婦が一つとなって、一緒に神の御心を行うために、お互いに尊敬し合い仕え合うことができるのは、イエス・キリストの御業です。夫婦として、同じ聖書の御言葉に対して「お言葉通り、この身になりますように」と一つとなって告白した時に、夫婦としての二人に与えられた神の使命を全うすることができます。

夫と妻は一人では半人前だけども、神様は夫婦として一人前に育ててくださいます。夫婦が絆が強められるためには、神の知恵が与えられています。「ですから、あなたがたは神に選ばれた者、聖なる者、愛されている者として、深い慈愛の心、親切、謙遜、柔和、寛容を着なさい。互いに忍耐し合い、だれかがほかの人に不満を抱いたとしても、互いに赦し合いなさい。主があなたがたを赦してくださったように、あなたがたもそうしなさい。そして、これらすべての上に、愛を着けなさい。愛は結びの帯として完全です」(コロサイ手紙3・12~14節)。

「主よ、夫婦として主の御心に仕えることができるように、聖霊の強固な絆で結び合わせてください」。

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