2021年 最近の報道に思う事
2021年1月20日、アメリカ大統領選挙は、不正選挙があったとか、なかったとか取りざたされていたものの、結局バイデンが勝利しトランプがホワイトハウスを去った。
にもかかわらず、2020年の選挙では不正選挙が行われた、民主党が共和党の票を奪ったなどいろいろな情報がいまだ飛び交っている。郵便投票が不正の温床だとか、集計システムが米国外の製品である、外国の勢力の関与があった、インターネットに接続は禁止されているにもかかわらず接続された、選挙人登録人数よりも投票数が多い選挙区がある、などといろいろ言われている。
この真偽は、日本に居る小生にははっきりとはわからない。
証拠がある、宣誓供述書がある、映像がある、とトランプの支援者が主張している。その一方、これらを陰謀論、デマだとして頭から否定する人も多い。これらは米国において公平に議論され、裁かれるべき性質の物であり、それこそ外国からとやかく言うものではないとも思う。
ただ、もし本当に不正があったとすれば、アメリカ民主主義の一大危機であり看過することはできない筈だ。
アメリカの民主主義を信じ真実が解明されるのを待ちたい。
しかし、小生が問いたいのはここではない
まず問いたいのは、なぜ米国では双方の主張が公平に報道され議論されないのか、という事だ。CNN、ABC、ウォールストリートジャーナル、ワシントンポストなどのメインストリームメディア(以下MSM)で、トランプ陣営の側に立ったと思われる報道は無く、Foxニュースの一部でトランプ陣営の側に立った報道が見られるのみだったという。
SNSでも同様の事態となっている。フェイスブック、ツイッターなどで現職のトランプ大統領のアカウントが凍結され、投稿を削除された事などが報じられた。民間の会社が現職の大統領の発言を封じるとはどういう事だろう。
トランプ大統領が支持者を焚き付け扇動して暴動を起こさせたから、というがどの発言が該当するのだろうか。SNS側が該当するという発言を見てもどうしたらそういう解釈となるのか小生には判らない。
ウィキペディアによると、BLMは
「アフリカ系アメリカ人のコミュニティに端を発した、黒人に対する暴力や構造的な人種差別の撤廃を訴える、国際的な積極行動主義の運動である。特に白人警官による無抵抗な黒人への暴力や殺害、人種による犯罪者に対する不平等な取り扱いへの不満を訴えている。アリシア・ガーザ(英語版)、パトリッセ・カラーズ(英語版)、オーパル・トメティ(英語版)によって呼び掛けられ、広められた。
ジョージ・フロイド事件などを発端として、2020年にBLM運動は全米的なデモ・暴動へと発展した。おもにこれを受けてアメリカ合衆国大統領選挙では人種差別が選挙の争点の一つになった。これがジョー・バイデン勝利の一因になったという見方がある一方で、前回選挙と比べ、NBCの出口調査によると黒人票のうちトランプに投票した割合が8%から12%高まり、他にも黒人票で必ずしも反トランプ票が増えたとは言えないという見方がある。」
とある。
確かに人の命の重さに白山も黒人もない。すべて平等に尊重されるべきである。その一方で、「白人が黒人を殴れば大騒ぎになるが、黒人が白人を殴っても騒ぎにはならない」とも言われている。BLMは一見、黒人を擁護しているようであるが、白人を逆差別している、という側面もあるといえないだろうか。
ウィキペディアによると、アンティファは、
「"anti-fascist" の略称で「ファシストに反対する勢力」という意味を表す。通常緩やかに構造化された左派から極左までを含む様々な自主的潮流の総称である。1930年代のドイツで台頭した反ファシスト運動にルーツがあるといわれ、現在はアメリカやイギリスなどにも拠点を置く。ANTIFAには中心組織や指導者がない。多くは黒いマスクや服装を着用し、ブラック・ブロックも実施する。ANTIFAは、ネオナチ、ネオ・ファシズム、白人至上主義、人種差別主義、そしてこれらを包括した概念となったオルト・ライトなどに反対する。」
とある。
オレゴン州ポートランドでアンティファが暴動を起こした、街の中心部が無政府状態となった、という情報もあった。この暴動はかなり長期化、エスカレートしたようで、商店などで大きな被害が出たそうだ。~そうだ、というのは日本語メディアではほとんど報道されていないから確認のしようがないからだ。(アメリカでもMSMではほとんど報道されていないためか)
トランプ大統領の投稿が上記のような扱いを受けていた一方、ブラックライブズマター(BLM)、アンティファの投稿は野放しにされていたという。1月6日の騒ぎの後でだいぶ削除されているらしいが。。。
トランプ大統領の投稿は、アップと同時にブロックされたり削除されたりしているが、他の犯罪的な投稿については見逃していた、というのはダブルスタンダードそのものでないかと思う。トランプ大統領の影響力は大きく他は小さい、というかもしれない。しかしそれはいい訳だろう。
特にオレゴン州ポートランドでアンティファによる暴動後に、そうした対応がとられなかった事に不信感を抱いている。
報道機関による報道は、意見を表明する社説等を除いて不偏不党であるべきではないだろうか。正確に事実を報道し、その報道を通じて読者に判断材料を提供するのが使命ではないのだろうか。何時から報道機関が、一方の主張のみを報じ、それを押し付けるようになったのだろうか。
次に問いたいのは、日本のマスコミについてである
日本のマスコミでは、アメリカの報道の翻訳に終始し、しかも不正選挙は無い、との立場からのリベラル系MSMの翻訳報道しか見られなかったという点である。保守系のFoxニュースの翻訳報道がほとんどないのは何故なのか。なぜバランスが取れないのだろうか。
日本のマスメディアにおいてはトランプ大統領は「嘘つき」、「前言を翻してばかり」などとてもいい加減な人物のように見えてしまう。本当にトランプ大統領が無能で、いい加減な人物であるのであれば、今回バイデンの得票には届かなかったかなかったものの何故7,000万票以上の得票があったのか。トランプ大統領支持の集会の動員数、盛況は何だったのだろうか。バイデン候補は8,000万票の得票があったといわれているがバイデン陣営の集会の閑散とした様子は何だったのだろうか。
マスメディアであればトランプ陣営の主張も報道しつつ、もしそれが虚偽であれば取材してその証明を付すべきではないかと思う。
世界に特派員を駐在させ、取材しているのは何のためか。なぜ独自取材の報道が無いに等しいのだろうか。
これでは日本の報道機関に存在価値はないに等しいと思うのは小生だけだろうか。
翻訳会社が翻訳すればよいのであればこれらの巨大な組織は必要ない。
追記 「トランプの真実」という書籍がある。これを読むとドナルド・トランプという人が見た目と違う如何に誠実な人かという事がわかると思う。
もう一つ、別の面から気になることがある
BLMの主張の黒人の命が大切である、人の命が大切であるという事には反対のしようがない、という事である。正しいが故に「反対しにくい言葉」ではないかと思う。これは、日本でよく叫ばれている「戦争は悪いことだ、なくさなければならない」という事にも通じる。誰しも戦争が良いことであるとは思っていまい。こんなことを書くと叱られるかもしれないが、例えば「必要な時もある」、という必要悪としてなどとどうして捉えられないのだろうか。そしてどうしたら無くせなくせるのか、少なくできるのかを議論していくべきなのではあるまいか。現実に今この時点で、世界のあちこちで戦争が戦われている以上、ただ良くない、反対だ、と唱えるだけでは何の解決にもならないではないか。
この一見「反対しにくい言葉」を反対側から見たらどうだろうか。
亡くなったジョージ・フロイド氏、そしてそのご家族は大変お気の毒だ。だがしかし、彼を取り押さえようとした警官の命は大事ではないのだろうか。その警官の家族はどうだろうか。アメリカの警官は毎年1,000人近くが殉職しているという。対して日本では毎年10人程度だという。
日本と違いアメリカの犯罪者は銃の所持の可能性も高く、更に違法薬物の乱用者も多く、どのような反撃に出てくるかは予想できない。故ジョージ・フロイド氏はかなり体格の良い方だったようだ。可能性として、銃の所持、薬物の使用の有無が疑われる中、警官側にも恐怖心が有ったであろうことは否定できないのではないだろうか。
結果として、過剰な力の行使故にジョージ・フロイド氏の命を奪ってしまったのであるから言い訳はできないのであるが、殉職人数に見るように日本と同じ視点、感覚で見てしまっていいのか、との疑問も抑えきれない。
この日本の安全さの特異性ということについては、小生の海外生活経験からも日本は例外的に安全な国であることを強調しておきたい。
こうした「反対しにくい言葉」というものは、時に人を惑わすために使われるようだ。
「反対しにくい言葉」を重ねていくと、その間に挟まれた或いは後の方で発せられた言葉について反対しにくい、同調しやすいという傾向があるそうだ。
ローボールテクニック、フットインザドア、ドアインザフェイスなどと言われる手法がこれに近いといえよう。
「反対しにくい言葉」というものを聞いた時には、安易に同調せずその本質を見極める、裏に何か潜んでいないかなど、疑う必要が有るのではないだろうか。
外国人に比して日本人は人を信じやすい。是非考えていただきたいと思う。
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