ゴミはゴミでも価値あるゴミって? 1/2
【文字数:約1,000文字】
先日、様々な美術品や美術館などを特集する番組『新 美の巨人たち』にて、「ART FACTORY 城南島」が紹介された。
場所は東京都中央卸売市場 大田市場の先で、近くの海底トンネルを抜ければ東京湾にかかるゲートブリッジに到る。
今まで千葉方面へ抜けるときに通過してはいたけれど、そこにはアートの「ア」の字もないと思っていた。
ところが実際に訪ねてみると普段、美術館などで過ごすのと同じくらいの時間を過ごし、お世辞ではなく満喫していた。
京急線「平和島」駅のあたりから海沿いの倉庫街に向かい、臨海地区へ向かう海底トンネルの手前にそれはあった。
↑の写真左に見えるゴミっぽい物体はアートで、今年6月に亡くなった三島喜美代という方の作品だ。
三島喜美代さんの作品の多くは「ゴミに見えるアート」だそうで、中に入ると分かりやすいものが鎮座している。
これらは本物ではなく、焼き物に彩色を施すという手間のかかったゴミアートだそうな。
いまいち良さが分かりにくいけれど、その先にあったものは多くの人に伝わるのではなかろうか。
新聞の表面をポリエステルに写し取り、それを見上げるほどの高さまで積み重ねた迷路が作品になっている。
中は薄暗く、左右どちらを見ても文字が迫ってくるようで、情報の氾濫している現代を視覚化したような印象を持つ。
迷路の外には別の物体も置かれている。
ただ、↑の隣にある謎の東屋はマジで意味が分からない。
焼いて残ったスラグを固めて彩色したとのことで、ここまで来ると「ゴミとは何か?」という命題にぶつかる、かもしれない。
1Fは常設展「KIMIYO MISHIMA Installation」のフロアであり、どちらかといえば2Fから上で開催していた企画展「OPEN STUDIO 2024」のほうが楽しめた。
そちらも一緒にすると記事までゴミアートになってしまうと判断して、前後編で分けることにした。
興味を持った方への朗報として、なんと入館料はタダである。
要予約であるものの酷く混み合う感じでもなかったので、前日に予定が合えば訪ねてみる、くらいの意気込みで平気だと思う。
いかんせん場所が駅から遠く、車やバイクでないと厳しいのだが……。