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オタクの血は洗い流せない
【文字数:約1,300文字】
スーパーに行って、そういえば洗剤が少なかったと思い出した。
香りが強いのは苦手だし、きまった洗剤を使っているわけでもないし、安くなってるのでいいかと売り場を眺めてみる。
すると遠藤達哉『SPY×FAMILY』とのコラボ商品があり、描き下ろしクリアファイル5種類のどれかが付いているとのこと。
商品そのものはライオンのNANOXで、アリエールとアタックは使ったことがあったし、コラボ商品にありがちな高額というわけでもなく、丁度よいと購入した。
帰宅してヘッダー画像にしたクリアファイルを見ると、ホログラム仕様で各キャラ全員が勢ぞろいしていた。
これはと思ってキャンペーンサイトを調べたら、公開されていないシークレットの絵柄であることが判明する。こんなところで運を洗い流されるとはツイてない。
フォローしている方も先日、おみくじを引いたら微妙なことが書かれていたそうで、何となく親近感をおぼえた。
『SPY×FAMILY』とのコラボだと献血により、やはり限定クリアファイルがもらえた。
文字どおり血を流して手に入れたグッズながら、原作コミックは9巻までしか読んでいないし、さほどファンというわけでもない気がする。
ちなみに最新11巻は4/4の発売らしい。
◇
作品と商品とのコラボが実現するとき、おそらく商品を購入する人々に対して、少なからず有効だと考えられているのだろう。
コンビニは毎週なにかしらのコラボをしている気がするし、ゲームでも期間限定で行っているのを見るような。
競走馬を擬人化したゲーム、『ウマ娘 プリティーダービー』は現実というか競走馬の産地、北海道は日高市に進出していた。
それなりに盛況だったと聞いているし、雪が溶けて動きやすい4月くらいになったら、もしかして第2弾をやるんじゃなかろうか。
話を戻して洗剤の場合、食品のように腐らないとはいえ、わざわざコラボするのは読者層を考えてのことかもしれない。
働き盛り、あるいは働きたくない20~40代あたりは作品を知っているだろうし、もちろん10代は守備範囲に思える。
洗剤は日常で使うものとして本人が、もしくは家族を通じて購入を促される可能性もあるので、かなり広い範囲に向けた企画なのだろう。
作品としても血の繋がらない家族がテーマの1つだし、スパイであることがバレないよう日常パートが重要な点も、おそらくコラボしやすかったのだと思う。
◇
物質的な豊かさを得た現代において、消費者に向けて訴求するには何らかの取り組みが必要だ。
もちろん商品としての良さは欠かせないけれど、知名度がなければ知られることもなく消えていく。
ステルスマーケティング、略してステマの規制がされる話を聞いたのは、その効果が期待できることの裏返しだ。
書籍でなら帯に「あの〇〇が絶賛!」などと書かれていれば、少なくとも目には留まるわけで。
今回の洗剤もコラボしていなければ別のものを買っただろうし、血に染み込んだオタクの性質までは洗い流せないようだ。
そうした販売戦略があることを意識しつつ、光の当たらないものにも価値があることを忘れないでおきたい。
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