連鎖 拳 人間 【検索】
【文字数:約1,200文字】
この時期は例年、暖かくなったり寒くなったり、花粉が飛び始めたりその他で気分がすぐれない。
そして去年、新たに気分を曇らせる理由が増えた。
過去の記事だと ↓ の記事が、かなり直接的な内容だった。
記事の中でベラルーシ出身の作家、スヴェトラーナ・アレクシエーヴィッチについて触れており、たぶん名前を知っている人は多いのではなかろうか。
そして少し前、ソビエト連邦を率いたスターリンから始まり、現在ロシアの頂点にいるプーチン氏についての特集を観た。
番組でスターリンの家族について始めて知り、娘の名前がスヴェトラーナ・ヨシフォヴナ・アリルーエワとのこと。
宗教上の聖人にあやかって同じ名前の人が多いと聞くけれど、2人とも作家になったのは偶然なのだろうか。
また、第2次世界大戦のドイツ侵攻によって疲弊した、ソビエトはサンクトペテルブルグに幼いプーチン氏が生まれたと。
その前の第1次大戦にドイツが敗れたことで、第2次大戦の火付け役となるヒトラーが政治家を目指し、プーチン氏はウクライナをネオナチだと批判しており、憎しみの連鎖を感じずにはいられない。
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これまた少し前、第168回直木賞の受賞作、小川 哲『地図と拳』を特集したラジオ番組を聴いた。
作者の幼少期から作家を目指した理由など、興味深い内容だと思っていた最後、作品の一部と思われるセリフが朗読された。
「人間は弱いから戦争をするんだ」
たしかそのようなセリフで、頭の中で反芻すると妙に納得できてしまった。
自分の安全をおびやかすから、明日の食事にも事欠くから、信ずる宗教が認められないから、などと考えれば、おおよその開戦理由は説明できてしまうような気さえした。
今回の軍事侵攻というかウクライナ戦争も、西側諸国がロシアの安全をおびやかすから、という理由が始まりとされている。
そんなアホなと思ったけれど、1年が経っても矛を収めない頑固さの理由を説明するには、他に納得できそうなものが見当たらない。
今現在は振り上げた拳を降ろして批判されるのが怖いのかもしれない。
けれど1人のプライドが世界中に波及しているのは、どう考えてもおかしいと小市民の私は思う。
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日本からすれば両国は遠くにあり、多くの人が映像や音声といった間接的な方法で接するしかない。
テレビやラジオを消して窓の外を見れば、春の暖かさを感じる関東地方があり、良くも悪くも別の世界の出来事であるように感じてしまう。
しかし電気やガス料金、食品その他の値上がりは家計を圧迫し、1万円が9,000円かそれ以下の価値であるように思えてくる。
どうしてこうなってしまったのかと、嘆く材料には事欠かない中で明るく笑うには、いったいどうすればいいのかと悩む堂々巡りだ。
具体的に何ができるかも分からない。
だからこうして文字にすることで、安寧や光明を得ようとする弱い存在。それが私という人間だった。