なしてなくした、なまらいいてぶくろ
【文字数:約1,000文字】
どうやら先日のツーリングで手袋を落としたらしい。
らしい、というのは明確に「いつ」というのが分からないためで、たぶんあのときかな、くらいの認識だ。
歩いて暑くなったから上着のポケットに入れたのだけど、その後に上着を脱いで持ち歩いたのがいけなかった。
時間にして20分くらいだし、移動した範囲も分かるので取りに行けば拾えるかもと思いつつ、片道2時間くらいかかる場所だから気軽には行けない。
適度に薄くて春秋にちょうどよく、冬でも歩き回るときに重宝していた手袋で、たぶん6年は使っているだろうか。
薄めの素材で洗濯がしやすいため、1シーズンの間に何度も洗えて使いやすかった。
もちろんそれなりに傷んではいたけれど、穴が開いていたわけでもないので悔しくはある。
じゃあ取りに行こうかと、わりと本気で思ってすぐに「ゴミとして回収されてるかも」と予想した。
悲しいかな、落ちている衣料品はゴミ扱いされるのが普通で、場所によっては数週間そのままだったりする。
前にバイク用のプロテクター付き手袋が落ちていたので、何度か見かけて拾い上げ、分かるように高い場所へ引っかけてもそのまま放置され、ひたすら朽ちていくばかりだった。
カギとかの貴重品ならともかく、手袋をどのあたりで落としたか推測し、遺失物として届出をする人は多くないだろう。
ちょっと気になって警察庁の遺失物検索で「手袋」を検索してみたら、地元だけでも100件以上あった。
おそらく届出がされているのは氷山の一角で、さまよえる手袋たちが今日も路上を徘徊しているのだろうし、前にレビューした ↓ のような本もある。
私自身、わざわざ遺失物として確実に取り戻したいかといえば、それほどでもなく。
かといって新しく買うのは探しに行って、「やっぱりなかった」と確認してからにしたいし、でも2時間は気軽に行けないわけで。
なるべく落とし物をしないよう気をつけるようになったのは、いつぞやに美術館のチケットを購入し、券売所から展示している建物の間で落としてからだと思う。
その前には財布まるごと落としたことがあって、でもそのまま戻って来てから「私も落とし物を届けよう」と決意したような。
書いてて時計を失くす特技があったのを思い出し、やっぱり落とし物をなくすのは無理かもと諦めた。
気に入ってた時計は本当にどこへ行ったのか全然わからない、ポンコツなりんどんであった。