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母へ

 私は母に嫌われていると思う。病気がちで、まともに働くこともままならず、結局は入退院を繰り返し、実家の人たちは私を「いないもの」として扱うようになった。
それでも、最後まで母は、連絡をくれていたのだけれど…ある時から、急に母が、私が話しかけたりメッセージしても、生返事になった。
母は妹と住んでいて、妹は私を激しく憎んでいるので…母に何か言ったのかもしれない。
そんなこんなで、私は実家とはもう、関わらないようにしよう、これ以上傷つけられないようにしよう。と思った。

 さきほど、フェルトの鳥を作ろうとしたら、刺繍が苦手でうまく行かなくて…小鳥ちゃんのいる手前で針をつかうのも危険で。
私が取り出したのは、キャンバス。
入れ物に水を入れてきて、棚にある画材で下書きもせず、私をパートナーとしてくれた小鳥ちゃんを描いた。
にっこりしている写真をいつもスマホの待ち受けにしている。

 私は、縫い物をしようとしていたら、また無意識に母に何か作れないかなと思っていた。
この前も、食べたがっていた牛肉をギフトで送って何の返事もなかったのに。
なんの、リアクションもないのに…
母は洋裁の先生だから…手作りのフェミニンな針刺しを作ろうと思った。カルトナージュで、瓶の蓋に針刺しを。瓶の部分に装飾を描いて、中にボタンやボビンを入れられるものを-

母は、持っているだろうけれど。
持っていないのは私だ。
母を、まだ追っているのは私。

母のように、追ってきてくれる小鳥が居るのに。
小鳥ちゃんの前では、お母さんなのにね。

 悲しくて、母と娘、という関係について、永遠を思っていた。
とっくに、私の実母からは見放されているかもしれないのにね。

私は、ずっとずっと永遠に。小鳥ちゃんたちのママでいようと思う。 

ありがとうね。今日も些細な良いことが有りますように。