すもーるすてっぷCooking事後報告No.4
今回は小学6年生の仲良し2人組のSさんとFさんが参加してくれました。
何か新しい習い事をと考えていた時に、たまたま目にしたのがすもーるすてっぷCookingで、料理に興味が湧いていた2人にピッタリだったそう。親御さん達のアンテナに感謝です!
●事前ヒアリング〜ゴール設定
2人とは親御さんも含めて事前に直接お会いし、打ち合わせを行いました。
2人とも、両親が料理をしているところを見ながらずっと自分でもしてみたいと思っていたそうです。たまにお手伝いをさせてもらうことはあっても、自分で一品つくったことはないとのこと。
「何をつくってみたい?」と質問すると、アイデアが出てくる出てくる…!!
料理に対してこんなにも好奇心旺盛なのは、普段から食べているおうちご飯が美味しいからなのでしょう。素敵なことです(#^^#)
…と、発散しているうちに一日じゃとてもつくりきれない品数になってきたので笑、投票をし、その結果「アイスクリーム」と「ミニピザ」に決定!
「次に自分一人でレシピを見ながらつくれるようになる」ことをゴールに進めていくことになりました。
また、当日までの宿題として、自分がつくりやすそうなレシピを発見し、イメージを膨らませてくるようお願いしました。僕もあまり料理をしたことがない小学生にどのように教えようかと、事前に試作をしてみたりしていました。
●そして当日
近所のスーパーで2人と買い物を済ませてからSさんのお宅に向かい、いよいよスタート!
「初めはどっちからつくる?」
と尋ねると、
「アイスクリーム!固まるのに時間がかかるから!」
とFさん。自分達の中でもイメージを膨らませていたようです。いいね!
●アイスクリームづくりスタート!
2人がどれだけ料理ができるのか、レシピを読めるのかを確認するために、まずは「レシピを見ながら2人で進めてごらん」とお伝えしました。
〈ここでのアドバイス〉
「一通りレシピを読みながら、必要そうだと思った道具は揃えて、計量が必要なものは計量をしてから始めてみよう」
早速、砂糖の計量に取り掛かる2人。ここで疑問が湧いたようです。
「さとうきび糖と上白糖、2つあるけれどどっちを使えばいいの?」
僕は、
「どっちでもつくれるよ。自分達でなめて、決めてみたら?」
とお伝えしました。
えぇ〜と驚く2人。多分、お家ではお砂糖なめていいよなんて言われないですもんね笑
でも、
「自分達がつくる料理なんだから、自分達がいいと思った材料でつくらないと」と後押し。
先になめたのはFさん。
「上白糖の方が甘い!」
続いておそるおそるSさん。
「ほんとだ!でも、さとうきび糖の方が美味しい!」
2人とも、とってもいい感性してる!それに「甘い」と「美味しい」を使い分けているのも面白い!
「じゃあどっちでつくってみる?」
「ちゃんと甘くしたいから、今回は上白糖にする!」
いいですね、レシピに書いてあるから…ではなく、自分が体験していいと思ったものを選択するのは料理の楽しさの一つだと僕は思います。
〈ここでのアドバイス〉
「レシピに書いてあるのはレシピをつくった人の好み。自分の好みとは違うかもしれない。入れるものや分量も、いずれは自分で調整できるようになろう」
…と、このような2人の疑問や「“私が”やりたい!“私も”やりたい!」はこの後もひっきりなしに出てきました。この好奇心、とっても大切。
2人は、レシピ通りに・効率的に・協力して…など、そういったこと以上に、自分にとっての初めての体験を一つひとつ丁寧に噛み締めたいということが分かりました。
もちろん時間はかかりますが笑、今日はとことん付き合いますよぉぉ!!
アイスづくりは火を使う段階に。
牛乳+砂糖+卵黄の液を熱しながらかき混ぜるところで少し黄身が固まってきてしまいましたが、生クリームを混ぜるとなんとか形になりました。
あとは冷やして完成を待つだけです♪
一通り全てを終えたところで、僕だったらこうやってつくるよと、もう一つ新たにアイスクリームをつくってみせました。
すると、これまでにないぐらいに注目してくれました。
なるほど、まずは自分でやってみて、気が済むとようやく教わるモードに入るのか。
こちらも、教え方について学ばせてもらいました笑
●続いてピザに挑戦!
ピザはベーキングパウダーを使った発酵いらずのレシピをチョイスされていたので、サクッと終わるかなと思いきや、
・オリーブオイル、2種類あるけれどどっちがいいかなぁ?
→さっきのお砂糖みたいに味見して決めてみたら?
・生地の厚さ、大きさ、どれくらいがいいかなぁ?
→火の通り加減とか色々変わるかもね!全部大きさ変えてみたら?
・オーロラソース、どれくらいの分量にする?
→味見しながら、今回つくるピザに合った分量を開発してごらん?
・さっきのバニラアイスをのせたらデザートみたいなピザできるかな?あっ、うちにカスタードクリームつくる粉あった!
→2人で相談して、いいなって思ったらやってごらん?
・きのこ、前にガーリックで炒めたら美味しかったからそれもつくりたい!
→いいじゃん、気になることは全部やってみよう!
…などなど、一つ一つ浮かんでくる好奇心にみんなで丁寧に向き合いながら、途中でお腹ごしらえしながら笑、進めました。
2人のこうした気付く力は素晴らしく、ピザ生地を練っている時にも、
「あっ、さっきまでベタベタしていたのがモチモチしてきたみたい!表面もツルツルしてきてる!」
と、まさにこね上がりのタイミングを自分の手で感じていました。
〈ここでのアドバイス〉
「つくる流れは書いてあるけれど、どういう状態になったらいいのかまでは書いていないレシピもある。自分達の目や味、質感で判断することも必要!」
●無事に終了!
ピザのトッピングが完成してからも、焼かずに新しいことを思いついてはどんどんチャレンジしているところを見ていると、料理をするモチベーションが、僕のように「早く食べたい」「美味しいものが食べたい」ではなく、「食材に触りたい」「新しいことやってみたい」が大きいということがよく分かりました。
ただ、あまりにもほっておくので、この日、一切急かさなかった僕ですが「そろそろ焼いてあげてはいかがでしょう?」と何度か言ってしまいました笑
料理には食べ頃がありますからねっ(早く食べたい)
案の定、ピザはまな板にくっついてしまい(当初はさっと焼く予定だったのでクッキングシートに載せなかった)、見た目が崩れてしまったりしましたが、それも学び。
無事に完成!ピザもアイスクリームも美味しく出来上がりました(#^^#)
始めてから3時間半。手間暇かけて2品を完成させた2人でしたが、高まった料理熱は冷めやることを知らず、早々に食べ終わり、残ったピザの具材で新たな料理をつくり始めていました笑
●僕自身の学び
今回の2人のように、普段からあまり料理に触れたことがない方を対象にする時は、上手に出来るようになる・美味しくつくれるようになることよりも、一つ一つの工程の面白さや感動を引き出すような働きかけがいいんだなということがよく分かりました。
それが「またつくりたい」につながり、つくっていく中で「もっと上手につくりたい・美味しくつくりたい」に繋がっていく絵が見えました。
今回の見守ることを基本とした関わり方、大切にしたいと思います。
ゴールも「レシピを見てつくれるようになった」というのはもっと先で、「次に料理をする時に活かしたい学び・気付きが1つ以上あった」ぐらいの方が、学ぶ方も教える方もしっくりくるんだろうな。
実は、このSさんFさんコンビと料理する機会はもう1回あるんです!
その時に、僕自身もこの学びを活かして臨みたいと思います。
SさんFさん、そして送り出してくださった親御さん、本当にありがとうございました!次回も楽しみましょう!(#^^#)
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