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すもーるすてっぷCooking事後報告 No.3

5月に入って初めてのすもーるすてっぷCookingは、小学校以来なかなか料理をする機会がなかったMさん。

今年度から社会人になり、一人暮らしを考え始めたタイミングで受講してくださりました。ありがとうございます!(#^^#)


●事前ヒアリング〜ゴール設定

Zoomの事前ヒアリングで、どんな料理がつくれるようになりたいかを尋ねたところ、「自分が大好きなハンバーグがつくれるようになりたいです!」とのこと。
自分の好きな料理がつくれるようになるってテンション上がりますよね。理想的なゴールだと思います!
また、包丁にほとんど触れたことがないということなので、ハンバーグをつくる最中に登場する玉ねぎを使って練習することにしました。

今回はMさんの希望でキッチンスタジオでの実施です。
近くのスーパーで買い物をしながら野菜の目利きについてお伝えし、いざスタジオへ!

●ハンバーグづくり、スタート!

初めに、料理をする上で大切な「事前準備」についてお伝えさせていただきました。

レシピを一通り眺めながら、食材はもちろん、調味料や使いそうな器材などは全て先に出しておくことをお勧めします。台所の上に乗り切らないものは、テーブルの上に出しておいてもいいでしょう。

また、料理を始めてからも、切る時は切ったものを入れておくバットなどを準備してから、火を使った調理を始める時は出来上がったものをいれるお皿を準備してから…というように、「後のことを考えて準備をしておく」習慣をつけるといいかもしれません。

料理の最中であれがないこれがないとワタワタするのはしんどいですし、出し入れするたびに手を何度も洗ったり拭いたりするのも面倒です。できることは先にやっておくことをおすすめします。

●ゴール①野菜をタンタン切れるようになっている

まずは玉ねぎのみじん切りから。
包丁を使うイメージが全く湧かないということで、今回は僕が先にやり方をお見せして、その後Mさんが実践、それを交互に繰り返す形で定着を図りました。

「みじん切り」というと、最後に包丁でタンタン叩いて細かくするイメージがあるのですが、それをすると不必要に細かい個体ができて焦げる原因になってしまったり、水分や栄養素が抜けてべちゃべちゃしてしまうというリスクがあります。

なので、最初から丁寧に目を入れて切ることで、最小限のタンタンで済むようにすることをお勧めしました。

切る時にお伝えさせていただいたポイントは以下の通り。

Mさんはダンスを経験されているからか、人の身体の使い方を見るのがとても上手で、すぐにポイントを掴んでいらっしゃいました。

僕の姿を見ながら、
「私は手首がまな板についていないから食材が滑ったり、肩に力が入っちゃうんだ!」
など、たくさんの気付きを得ながらご自身の動かし方を修正されていました。

包丁の刃先を食材にあて、スーッと奥に押し入れて、最後まな板にトンッ…という「切れる」感覚を最後にはしっかり掴めたようです。

Mさんから「分かった!大丈夫そうです!」が聴けたので、玉ねぎカットは終了。
次の工程へ!

●ゴール②ハンバーグが1人でつくれる

ここからの工程はMさんが自分でレシピを見ながら進めていき、ポイントで僕から情報提供をさせていただく形で進めました。

玉ねぎを炒める。

「炒める」というと、食材を焦がさないようにとにかく動かすというイメージがあるようで、Mさんも玉ねぎを入れてすぐにヘラでガシャガシャかき混ぜていました。

なので一旦手を止めていただき、一緒に観察してみました。
まずは音。まだ、何の音もしていない。つまり食材の水分が蒸発するほど、フライパンの熱が高まっていないということです。
試しに重なっている部分の玉ねぎを触ってみると、冷たい。
フライパンの温度が高まるのには想像以上に時間がかかること、慌てる必要がないことを実感していただきました。

少しするとジューっと小さく音がして、うっすら煙が立ってきました。水分は100度になると蒸発を始めます。ようやくこのタイミングで食材の水分が飛び始めたということです。

このぐらいで一度ヘラで玉ねぎをかき混ぜてみます。そうするとまた音が静かになり、煙が消えました。こうやって、フライパンの温度の高まりに合わせて食材をかき混ぜ、全体に熱が通るようにする…かき混ぜる目的を理屈ではなく実体験を通じて理解してもらいました。

挽肉を混ぜ合わせる。

玉ねぎを炒める時にも少し塩を入れましたが、挽肉を混ぜ合わせる時にも塩を入れます。これにより、肉が水分を引き止めやすい状態にして、肉汁が外に溢れにくくなります。この変化が目に見える状態として現れているのが「粘り気が出ている」ということです。

Mさんには、最初の挽肉の状態では手に全くつかなかったものが、何度も練っていく中で最後には手にビッタリ張り付くところまで進めてもらい、状態が変化していることを実感していただきました。

その後、玉ねぎ、パン粉、卵を入れて生地が完成しました。

成型する。

ここでもMさんのセンスが光りました。
タネを等分し、左右の手にキャッチボールするように持ち替えながら空気を抜いていきます。

「お母さんがやっているのを見ていたのかもしれません」と、非常にこなれた手つきでリズミカルに空気を抜いていました。

「形を変えたら火の通り方が変わっちゃいますか?」と質問されたので「やってみましょう」とお答えすると、可愛い星型やハート型に成型されていました。

こういう形で出てきたらテンション上がりますよね!素敵な発想!

ちなみに、一つだけナツメグというハンバーグ等の肉料理に相性のいいスパイスを練り込んでみました。どんな違いが生まれるのか、これも体験してみましょう。

焼く。

今回、Mさんが見ていたレシピが、フライパンのみで仕上げるものだったのでそれに従いました。

フライパンに火を入れます。玉ねぎの時と同じで、食材の音に耳を傾け、煙や匂いに神経を集中します。頃合いを見計らい、Mさんがいいと思ったタイミングでひっくり返すと…素晴らしい焼き色!ナイスタイミングです(^^)

上下にしっかりと焼き色がついたら、水を入れて蓋をして温度を上げ、蒸し焼きにします。それまではフライパンから伝わる下からの熱だけで調理していたのを、水蒸気を発生させることでフライパン内に熱が対流するようになり、ハンバーグの全体に熱が入ります。
赤かった部分にみるみる色が入っていく様を見ながら「蒸し焼きってすごい!!」と何度も感動されていました。

水分がほとんど蒸発し、肉汁が出てきたところで火を止め、焼き上げ完成です!

ソースをつくる。

フライパンに残った肉汁をなめてもらいました。
「美味しいっ!」目をまんまるくするMさん。そうなんです、これを使わない手はないんですよね。
ここに赤ワイン、ケチャップ、ソースを「自分の感覚で」入れてもらい、火を入れ、味見をしながら調整してもらいました。
肉汁の量によって分量は変わりますからね。レシピに頼らず、目の前の状態に合わせて調整することに慣れる必要があります。

「どうですか…?」差し出されたスプーンを一なめすると…めっちゃ美味しい!Mさん、間違いなくお料理上手になります!

盛り付けて完成!

これが初めてつくるハンバーグとは思えないぐらい、上手に出来上がりました。味も本当に美味しい。心配されていた火の通りも全く問題ありませんでした。

そしてナツメグが入った方を食べてみると…Mさんもびっくり、もはやお店の味。素晴らしいです!その後、ナツメグ自体もそのままなめてもらい、肉とスパイスが起こす化学反応についても実感してもらいました。

今回の流れを通じて「ハンバーグはつくれそう!」と自信がもてたそうです。母の日にお母さんにつくってあげようと企んでいるとのこと、応援しています!

初めての本格的な調理にも関わらず、最後まで楽しそうに参加してくれたMさん。次は揚げ物にチャレンジしたいとのこと。
いつでもお待ちしています!ありがとうございました!(#^^#)

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