ホメオスタシス
限られた動員の中での消費社会合戦。
平和の下に成り立っていた"余剰"は、コロナによって精査され、見えていなかった本質までも浮き彫りにさせている。ありとあらゆる有耶無耶にされてきた全ての問題の顕在化。社会システムは、絶妙な相互で成り立っていたことを思い知らされた。
食べること、住むこと。雨風を凌ぎ暮らすこと。清潔に保つこと。への"身体を守る"こと。
文化芸術での"心の平安を得る"こと。
コアな部分を改めて再認識、自分にとって大切なモノは何か?突きつけられている。
母体に憤りもあるが、先ずは命あってこそ。特効薬ができ落ち着いた頃の議論のために、問題を風化させないように覚えておこう思っている。とは言うものの、一刻の猶予も許さない死活問題を抱えた人達に、早い支援が届くことを切に願っている。
価値観は刷新され、新しい社会が再構築される。
世の中の現状から一歩先の未来を想像している。
安宅 和人さんの『シン・ニホン』に触発された。
世界の社会現状から環境に至るまで、そこから危惧される問題、その打開策がまとめられた名著。日本の"未来の指針"となりそうな希望に満ちた本です。私は、これを読んでいなかったら日本という国の未来に悲嘆しまたままだったと思う。それくらい感銘を受けた推奨図書。
刻々と変わりゆく類の無い社会情勢に翻弄されながら、時に行き場のない怒りを感じ、未来と今を行き来してる自分がいる。それでも、解決策をあぐねながらアメーバーの希望を胸に、日々の生活と出来ることをやっている。
アメーバーは透明で変容するから、たまに心のシャーレから見えなくなる。
だから一日に何度か
なにも変わらないものに目を向けている。
先日近所のスーパーの帰り道、散った桜を拾って、水に浮かべた。
誰かに踏まれて傷ついた花びらから『また来年も会うからね。待ってるよ。』って語りかけくれてるようだった。愛おしくて目を凝らした。
草木、花々に癒される。
陽が昇り、希望を照らす朝日の輝きと、労いのような夕日の光に包まれる。
一日のうちで物寂しさを覚える時があるとすれば、黄昏時だ。
ありふれたなんの変哲もない日でも、レースのカーテンから漏れる橙から藍色に移りゆく様がなんだか淋しい。デートが終わって家路に着くまでの心模様と似ている。
月が私たちを照らしはじめた。
星が輝く。
遠く離れた希望へと目が向く。
環境問題はさておき、変わらない地球の営みは、安心で偉大だ。
朝日、空、雲、草木、花、夕陽、月、星、
太古から受け継いできたDNAの記憶。ホメオスタシス(恒常性)
窓を開けてベランダに出て深呼吸。
来年も桜は咲くよ。
今度はゆっくり会いに行くよ。