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夫との馴れ初め 1

21歳の私

時間を遡り、大学生の時の話。
当時3年、実習で多忙を極めていた私は
とにかく疲弊していました。
寝ても疲れは取れない
いや、もはや寝る時間すらない。
オペ実習で指導者や学生担当看護師、医師から
内容について詰められた時には
清潔区域であるにも関わらずプレッシャーで
その場に嘔吐してしまうかと思いました。

頭にあるのは実習、記録、単位、試験
アセスメント、担当患者さんのことetc
私はこの電話帳ほどの記録用紙と参考書
メモ帳と教科書に埋もれてこのまま死ぬのね・・・
と思うほどの精神状態。
指導者の質問に答えれば
「ファーラー位にする根拠は?」と返される夢まで見たほどです。

そんな時の年末、Yちゃんから連絡が入りました。
Yちゃんは短大を出て大手企業に就職した私の幼馴染です。
すらっと背が高く、スリムで、色白、顔立ちも非常に美人で
落ちない男はいないんじゃないかと思うほどの女性でした。
Yちゃんとはご近所だったので、よく食事に行って
私の愚痴を聞いてもらったりしていたのです。


女子がいない忘年会

Yちゃんからのメールにはこう書かれていました。

『納会終わったわ!今日、遊びに行かへん?これから』

とにかく癒されたい一心で
Yちゃんの誘いに乗りました。
早くYちゃんに会いたい!
Yちゃんを見て癒されたい!
Yちゃんと話したい!
モテないオヤジよろしく、鼻息荒く
私はYちゃんとの待ち合わせ場所に向かいました。

合流してまずはYちゃんの会社が入るビルの1階にあった
スタバに入り当時好きだったスチームミルクを注文。
やっと一息ついてYちゃんを見ると
何やら携帯の画面を見て難しい顔をしていました。

「どうしたん?」

『んー、、会社の先輩から忘年会誘われたんやけど
りぃちゃんと遊ぶし断るね〜』

「忘年会?会社のなんでしょ?
行っていいよ!!仕事やん!」

『もう断った!
、、、、っとちょっと待ってね』

Yちゃんはまた難しい顔をして
私をチラ見した後
こう言いました。

『友達も一緒に連れておいで、って。
女子が一人もいなくて華がないから
連れてきてよ、って〜』






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