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イギリスで経験した人種差別
コロナウイルスがアジアだけではなくヨーロッパに広がってきています。
イギリスでも今日(3月8日)感染者数は206名に達しました。
各航空会社がイタリアへのフライトを中止したり、格安航空として人気のあるRyanairは3月以降25%のフライトをキャンセルするなど、こちらでも経済的な打撃はますます大きくなっています。
ヨーロッパにいるアジア人が「コロナだ!」と叫ばれ差別を受けたというニュースは何度も耳にしましたが、先日ロンドンでは顔がアジア人だからというだけで殴られるという暴力事件まで発生しています。
移民の多いイギリスですが、最近はブレグジットが可決されるなどアンチグローバル化の動きを見せています。
結局イギリスはイギリス人だけの国として生きることを望んでいるのでしょうか??
私が経験した人種差別
私も顔がアジア人だからということで人種差別は何回か受けています。
学校からの帰り道、浮浪者が私の前に立ちふさがり、自分の父親が戦時中いかに中国でひどい目に遭ったかを淡々と語られました。また中国人の犬食文化がいかに忌まわしいものであるかを説教されました。
また、2020年になりコロナウイルスが猛威を振るい始めたころ、市街地である若者に「コロナウイルスだ!!」と叫ばれました。
私の顔がアジア人であることは明白だし、マンチェスター大学は中国人の留学生が多いため、中国人に間違われることはもう否定するのがめんどくさいというレベルなのですが、顔や外見だけで人を判断するのはやはり心地よいものではないなと思います。
マンチェスター大学の多様性について
イギリス社会の白人比率は90%なのに対し、マンチェスター大学の学部生になると70%まで比率が落ちます。
修士になると逆に90%が中国人というコースも存在します。
このように中国人が圧倒的に多いため、中国人は中国人で、イギリス人はイギリス人で、と同じ国同士で固まってしまう傾向があります。
そのためイギリスにせっかく留学しているのに、普段過ごすのは同じ中国人、グループディスカッションも中国語で、なんていう生活をしている中国人は山ほど見てきました。
ただ、もっとヨーロッパ出身の人たちと交流したいと思っている中国人はたくさんいるはずです。どうしてこのように人種によって壁ができてしまうのでしょうか。
イギリス人の友達に話を聞いたところ、以下のように答えが帰ってきました。
自分は人種によって遊ぶ人を選んでいるわけではない。ただ、やはりアジア出身の学生は自分の話す英語を理解してもらえないことが多いし、文化的にも共通するものが少ない。自分が素でいられる人を一緒に過ごす人として選ぶのは普通だと思う。
これは一人の意見なので一概には言えないですが、やはり言語と文化が大きな原因となることは納得できます。
彼の他にも、もし講義の部屋でイギリス人とアジア人が左右で分かれていたら、自分は同じ外見をもつグループの方に座るという意見を聞きました。
どうしたら相互理解が深まるのか
私はマンチェスター大学でテニスサークルに所属しています。
ほとんどがイギリス人のため、少数派のアジア人である私は言語の面でもなかなか溶け込むことが大変でした。
しかし、コーチの指示が聞き取れないことを伝えると、次の回からゆっくり聞き取れるように話してくれるようになりましたし、ハロウィーンパーティーやクリスマスディナーなどのソーシャルイベントに何度も参加することで今ではチームに馴染むことができており、毎回の練習でチームメイトに会うのが楽しみになっています。
この経験から、自分が何に困っているのか、何が必要なのか、相手にどうして欲しいのかを自ら伝えることはとても大切であると実感しました。
人種の壁は何もしないでいるとどんどん高くなっていく一方なのではないでしょうか。
やはりイギリスに住むマイノリティは、自らマジョリティに歩み寄る努力は必須であるし、イギリス人も少数派の意見に耳を傾けることは大切であるように思います。
一刻も早く外見だけで差別される社会が無くなることを願うばかりです。