見出し画像

流産して悲しかったけど今は幸せだよ、というおはなし

わたしにとって大切なおはなし。

これは髪を切る前の写真。
2022年、年末。



2022年11月、
わたしの中に新しい命が来てくれました。

30才になるまでに子供を産む!

おかあさんになりたいって夢に
期限をつけて目標にしたから
それが叶うのが11月だったの。




お腹の中に愛おしい存在がいること。
それはものすごい幸福感。

一番近くに一番の味方がいてくれる心強さ。
守りたいものがあるから、
弱くなれる気がした。

できないことや
行けないところがあっても
幸せを感じる。

弱くなったけど
強くなっている、
そんな感覚。

空を見上げて
風を感じて
地球の心地よさに感動する。





12月はそんな幸福感と
どんどんつらくなる気持ち悪さや吐き気で
心は引きこもり気味。

ずっとわたしの中の
愛おしい存在と一緒にいたい。
外界との接触を断ちたい。

タロットカードを引けば
隠者のカードが出てくる
そんな12月でした。

だけど仕事は繁忙期。
立ち仕事でお腹が張って
悲しい気持ちになる。

トイレに駆け込んで
吐きながら涙が出る。

わたしは大切な存在がここにいるのに
何かを犠牲にしてしまっている。
そんな苦しさを感じていた。

だけどお腹に手を置くと
愛が溢れて幸福に包まれた。

だからおかあさんたちは
このつらさを乗り越えられるんだね。





エコーで赤ちゃんの心拍が見えた!
だけど、まだ音は拾えないみたい。

「次の検診のあと、母子手帳取りに行きましょうか」

そう先生に言われて、
また心配とワクワクの期間が始まる。

命が来てくれる前もずっとそわそわしていたけど
来てくれた後もずっと心配とワクワクでいっぱい。

そしてやっと来た12月末の検診。
今日の検診で心拍が聞こえる!
そしてそのあと母子手帳を取りに行く!

楽しみと、ちょっとの不安。
でも楽しみ8.5割。




いつもより長いエコー時間。
いつ音がONになるんだろう〜
と思っていると

「う〜ん、流産かなあ」





妊娠の15%は流産になる。
初期の流産は受精卵の染色体異常がほとんど。

何度も目にする文章だから
わたしは知っている。

先生にとってもよくあることだろうから
冷静にしないと
今日もたくさん診察して先生も大変だし
困らせないようにしないと。

そんなことを考えて
話を聞いていたけど
涙は溢れてきそうになる。

赤ちゃんの大きさが週数より小さいこと
心拍が聞こえないこと

だから流産の可能性が高い、
でも可能性は0じゃないから
また年明けに確認することになった。





お腹の中の愛おしい存在は
もう生きていないかもしれない。

待合室には
お腹の大きな妊婦さんたちがたくさんいて
そんな中で泣いているのは
世界を暗くしてしまう
と思ってトイレに駆け込む。

今も気持ち悪いのになあ
昨日の夜はこの子と交信して
お話してたのになあ

そんなことを考えながら
30分くらいトイレの中で
出れるようになるまで泣いていた。

お会計をなんとか済ませる。
急にお会計が安くなっている。
流産になると保険適用になるらしい。
せめてもの慰めなのか、
なんて冷静に思う気持ちもありながら
駅までの道も泣き止むまで
歩いて帰る。




検診のたびにどうだった?
と連絡をくれるお母さんに
勢いで返信した。
お母さんは多分、
わたしが悲しんでいるのが分かるから
なにも言わない気がする。

夫は仕事中だけど
あまりにも悲しいから
連絡しても良いかな、、
でもいつもスマホ見ないし
いつも通り気づかないか、
と思って「早く帰って来れる?」
と連絡してみたら、
すぐに既読がついて
「すぐ帰ります」
って返ってきた。
肝心な時には気づくのかもしれない。

家に帰ってやっと
自由に泣けた。
急いで帰ってきた夫は
泣いているわたしをみて泣いた。

わたしはびっくりして
あ、夫もこんなに悲しむものなんだ、
と少し冷静になった。

すごいね、きみは、
生まれる前から人の感情をこんなに揺さぶるんだね。

泣いて、泣いて、泣いた。

泣きすぎて、
ちょっと面白くなって笑ってみたりした。
だけどまたすぐ泣いちゃう。




お腹の中の命は
もう生きていないかもしれない。

だけど生きているかもしれない。
生きていたら、
もう生きていないかもしれない
なんて思うの可哀想だよね

って話してた。

「心臓止めるボケしてるんかも。
まだ世間知らないから加減分からんくてやりすぎてるとか。」

こんなときも笑わせてくれる夫が
私は大好きだ。




年末年始は
そんなふうに
泣いたり笑ったり
生きてないかもと思ったり
生きているかもと信じたり

だけどやっぱり
この時間はとても特別だから
大切にしようと思って
過ごしていました。





年が明けて最初の診察で
流産が確定した。

2回、別の先生に診断されると
もう受け入れられるようになる。

あと、わたしは年末年始で
体内記憶の本を
たくさん読んでいた。

子供たちが持っている
お腹の中にいた時の記憶、
そしてお腹に来る前の記憶、
池川明先生という産婦人科医の先生が
胎内記憶を研究していて
先生の本とか、他にも色んな人のエッセイとかを
たくさん読んだ。

それで気づいたの。
赤ちゃんたちは、
とっても軽い気持ちでこちらの世界を覗きに来たり、
あ、忘れ物しちゃった〜って戻ったり、
やっぱ気分じゃないって赤ちゃんになるのをやめたりする。

わたしもお腹の中の子とお話しした時
「ほんと最高〜楽しい〜!」
って言ってる感じがして
短い時間でもこの地球を楽しんだんだよなって。

それなのに
いつまでも私が落ち込んでても
仕方ないよなって思った。

胎内記憶の世界が
わたしの世界に新しい価値観を
運んでくれたの。

流産って聞くと
悲しみの世界だと感じてたけど
赤ちゃんたちのひとつの選択なんだよね。

わたしの好きな大人の先輩に
「ゆっくりお母さんになってね」
ってことかもね、って言われたのも
なんだかしっくり。

わたしは勝手に期限を決めて
焦らせちゃったよね。

早く宿題やりなさい!
って言われてやりたくなくなる気持ちと同じで
お空の上で赤ちゃんになる準備をしている子に
「早く来て!」
って言ったら焦っちゃうし
行きたくないってなっちゃう。

そんなふうに思えるようになりました。
胎内記憶をわたしは信じているけど
いずれにしても
人間はこういう【捉え方】ひとつで救われるんだ
世界の見え方を変えられるんだって
改めて体感した。





診察の後も
まだお腹の中に赤ちゃんはいて
つわりもあった。

手術をして赤ちゃんを出す選択肢が
わたしは選べなくて
自然に出てくるのを待つことになった。



このときのわたしは、
幸せな気持ちも感じていて
あー、わたしたちのところに来てくれて
本当にありがとうと思っていた。

いつでも、好きなときに
帰っていいからね、
母はもうだいじょうぶです。
とお腹の中の愛おしい存在に伝えた。



そして2023年最初の満月の夜。
お腹がぎゅーーっと痛くなって
そんな痛みが定期的なかんじで来るように。

2時間くらいして
あ、もうこれ以上痛くなると耐えられない
って思った時になんだか大きなかたまりが出てきた。

そして痛みは引いた。




ぬぬ?これが赤ちゃんなのか?
とりあえずそうかもと思って
袋に入れてハグしてキスした。

だけどその翌々日にも同じくらい大きなかたまりが
また生まれた。

(赤ちゃんじゃなくて胎盤になる組織だそう)
(まあ赤ちゃんと触れていたということでハグキス)



流産は漢方の世界では
小産と言われる。
小さなお産なのです。

これを書いている今は、
病院に行って赤ちゃんが無事出てきたことを確認した日です。

子宮収縮剤を飲んでいて
お腹が痛い。
しばらくこの痛みは続くみたい。





ということで
3ヶ月もない期間だったけど
わたしはおかあさんになった。

とても長くて
大変で
愛おしい時間だった。



わたしは元気になってきたし
道を歩く妊婦さんを見ても
赤ちゃんを見ても
無事生まれますように、
この世界に生まれてきておめでとう、
って思う。

だけど10回に1回くらい
苦しくなったり
泣きそうになったりもする。



わたしは自分にとって大切なことを
こうやって書いてきたから
今回も流産だからって書かない、
って選択はしないことにした。

悲しかったけど、
幸せでもあったこと。

こうやって文章では書けるけど
まだ人とは話したくないって思うし
声に出しては今は話せない気がする。



わたしは結構元気な感じがするけど
時々急に泣くし
流産した人みんなに胎内記憶の話を思えば
元気になるよ!
とかは思わないでほしい。

見える世界を見ていると
この世の中は幸せそうな妊婦さんと
赤ちゃんや子供たちを連れたお母さんで
いっぱいに見えたりするけど
それぞれ色んな感情を持っている。

みんなそれぞれの
悲しみがあって
苦しみがあって
喜びがあるはずだから。

悲しみも喜びも
人と比べる必要はないよ。
わたしだけのもの、
あなただけのもの。

今私たちが生きていることは奇跡で
そこにいるだけで
最高にありがとうなこと。




流産後100日は養生の期間。 

つわり生活で放置気味だった
わたしの健康生活を復活させて
最近は玄米ご飯にお味噌汁にぬか漬け。

心と体を大切にする。
大好きな夫との時間を大切にする。



髪を切って新しくなったわたし。


お酒も1杯、美味しい。
地球のめぐみに感謝🙏🌏 

大切なおはなしを読んでくれた
あなたにありがとう🫶


#稽留流産
#初期流産
#胎内記憶

きょうもあなたの一日にちょっぴりいいことがありますように。そんなちょっぴりのいいことを、一緒にたくさん積み重ねていきましょう。「すき」で世界を溢れさせましょう。