ママは大きくなったら何になるの?
副業で関わってるキャリアカウンセリングサービスのユーザーさんが、子どもからこんな質問をされたらしい。
「ママは大きくなったら何になるの?」
これを聞いて、ひやりとした。
大人にとっての「大きくなったら」って、いつ?
大きくなる=身体が成長すること。成人になること。
そう思ってたから、これ以上身長が伸びることはなく(体重が増えることは大いにあるけど)、二十歳を過ぎてお酒も自由に飲めるし選挙権も得た自分は、あのときの「大きくなったら」に追いついたどころか、むしろ追い越したんだと思い込んでた。
心理学者のユングは、人生を日の出から日の入りまでの時間に例えて、40歳ごろを「人生の正午」と言った。それにあてはめると自分はそろそろお昼の12時を迎える。その後は太陽が沈み、日が暮れていく時間帯に入っていく。
午後になって増えるのは、シワにシミ、そして白髪……これじゃ成長というより老化だ。
だから、自分の中でこれから自分が「大きくなる」という発想がなかった。
いつのまにか、自分で自分の成長をあきらめちゃったのかな。そんな自分が垣間見えてひやりとしたんだ。
あらためて、未来の自分を考える
「大きくなったら何になりたい?」
子どもにこの質問をすると、あこがれの職業が返ってくる。サッカー選手、花屋さん、お医者さん……最近ではなりたい職業の上位にユーチューバーがランクインしたらしい。
あらためて、これからの未来、自分が何になりたいか考えてみた。
……けど、世の中を知って、今からなれる職業の現実がわかっちゃってるからか具体的な職種が思いつかない。
思い浮かぶのは、「こういうふうに在りたい」という人としての理想の在り方だけ。
「大きくなったら何になりたい?」と聞かれた小さいあの頃の自分とは違って今のわたしはなりたい職種が思いつかないし、それ以外にもたくさん変わった部分はあるけど、結局中身は自分のままなんだな。
そしてそれは死ぬまで続くから、40歳を過ぎて太陽が沈もうとしても、一生「大きくなったら」のことをワクワク考えていていいのかもしれない。