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隣の芝生は数億円

謎な縁で

謎な状況で

謎にある由緒正しい競馬賞レースを
馬主席で観覧することになったわたくし

イメージ的には貴族が集まる社交会のような
それはそれは華やかな雰囲気に包まれているかと思えば

実際には下の階で一般人が欲望丸出しで
競馬新聞片手に負け馬券を怒鳴りながら破ったりちぎったりしながら
ビールを飲んでいる姿と比べると

数百倍、怨念がこもっている感が強くて

競馬場を一面見渡せる
かなり高い上階の馬主席に座っている馬主さん達が

この人たち
このまま飛び降りジャンプしちゃうんじゃない…??


みたいな勢いでレースを観覧していたり

室内でモニター前に陣取り
ありとあらゆる競馬新聞を広げまくり
ペン片手になにやら書き込みまくっている
ものすっごく胡散臭そうなおじさんがいたりと

華やかさとはかけ離れた雰囲気な馬主席

人混みとレバーと
ギャンブルする系の人があまり得意じゃないわたしからすると

こ…、怖い…



なんだか心臓がドキドキしてしまうような光景を前に
終始苦笑いを浮かべるしかできなかったのですが

とにもかくにも幼馴染のお馬さんが出場するレースまで時間があったので
ランチを食べに馬主専用の食堂へ行くことに

この食堂内にも至るところにレースを放映してるテレビモニターが設置してあって

うどんをずるずるかき込みながら
目をギンギンにさせモニター画面を凝視している馬主さん達を目の当たりにすると

全くお腹、空けないっすね

みたいな光景

そんな慣れなさすぎる状況の中
ど緊張に陥っているわたしを気遣ってくれてか

「リナ、、大丈夫??」

仕切りなしに声をかけてくれる幼馴染

冷たいお茶を飲みながらなんとか心を落ち着かせようと
たわいもない昔話をしながら
注文したランチを待っていると

ふっとわたしたちの隣の席に座った
二人組の男性達

見た目は普通な感じのおじさん達で
わたしは何も気にしていなかったのですが

いつも穏やかで優しいわたしの幼馴染が
明らかに

険しい表情を浮かべ始めた

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