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わが家の庭の植物図鑑4

中平卓馬の「なぜ植物図鑑か」を通読して、思うところがあり、私も身近なわが家の庭の図鑑を作ってみようと思って不定期に投稿を続けています。
過去のシリーズをご覧になりたい方は、私のマガジンをどうぞ。

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わが家の庭の植物図鑑4枚目の植物は、ウメ。


UME 2023.03

梅のおしべが睫毛の様だ。

公称の誕生日と命日が同じという享年10歳の犬を飼っていた。

其の犬の遺影は私が撮影したなかで、お気に入りの写真を使用。戌年の年賀状にも使用した写真。其の写真の犬は、横顔で片目だけ写ってる。この梅の花の写真をみていると其の写真が想起される。

もともと体が不調だったのかはわからないが、散歩が好きじゃない犬で、ソファーを陣取って暮らしていた。其のソファーに私が座り、ある一定の距離を超えると牙を剥く。でもときどきわが家の庭では散歩をしていた。走り回るのではなく歩く専門。

其の犬はとても気が短い性格だった。すぐに牙を剥く。そしてすぐに吠えた。体が弱くて非常に敏感で臆病だったからなのかなといまは思う。

思えばエリザベス一世の様な犬だった。エリザベス一世の肖像画の服の首周りが、このウメの写真のおしべの様にもみえてくる様な気がしないでもない。

私の外出帰宅時にいちいち大きな声で吠えるので、私は外出するのに臆病になってしまうくらいだった。実際に一時期おおよそそうなったし。あれはほんとうにつらい。

其の犬はエリザベス一世の様に海外進出ならぬ外に出たかったが、体がきかずに叶わなかったから、家を出入りする私が羨ましかったのかなとも勝手に想像してしまう。

エリザベス一世は「エリザベス救貧法」を制定したらしいが、其の犬は私の就労の為の足を明らかに引っ張っていた。

もしかしたらエリザベス一世の様なのを目指していたが、体の不調の為に結局は其れを果たせなかった犬なのか。

また同じ犬を飼いたいかと訊かれると悩むが、私にとっては本当に強く印象に残る。良くも悪くも胸がいたむ。比較的短い命を強い自己主張で生ききったんだなと。生きていた頃はきらきらとした目が印象的だったのに、其の犬の最期は私自身ショックを受けて其の犬の目が閉じてたのか開いてたのか覚えてない。でも最期の其の犬の口元が印象強くて忘れることが出来そうにない。

10歳の誕生日がこの時期、ウメが咲く頃だった。
其の犬をことある毎に良いことも悪いことも思うが、この時期は特に其の犬の死について思う

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