#75 Rosarymoonができるまで
何度か下書きが消えてしまって
間が空いてしまいましたが、
起業ストーリーの最終回です。
順番が狂いましたが、
Labyrinthを買う予定がRosarymoonを
立ち上げることになった理由や
その後についてまとめました!
1.ブランド買収ではなく 新ブランド立ち上げとなった理由
そもそも、ブランドをひとつ買収するには
クリアしなくてはならないことがたくさんあります。
Rosaryにはわたししか役員がいないけど、
普通の企業には、複数の役員、取締役がいて、
通常は役員会議や、取締役会で、
会社の方針が決められるのです。
そんなことを待っていたら、
新しいブランドを始めよう!という
勢いすら失速してしまいます。
一応、当時の社長に、
Labyrinthが終了となる理由を確認に行き、
だったらわたしたちに売ってくださいと
交渉はしましたが、
それは、正々堂々と、Labyrinthを継承する
ブランドを立ち上げるための布石作りで、
Labyrinthの名前を語ることの
許可を得るための交渉となりました。
認めてくれた社長の懐の深さに感謝。
まぁ、本当に会社を作るとは
思っていなかったのでは?と
思う節もありますが…
というわけで、
Labyrinthを継承するブランドとして、
ブランド名を決めることから始まりました。
2.ブランド名を決める
Rosaryという名前は、
✔Labyrinthと同じくラ行にこだわりたい
✔女の子の名前みたいな言い回しのかわいさ
✔十字架のモチーフや、祈りという意味合い
このあたりがピンと来た理由で
あまり悩むことなく浮かびました。
ただし、大手アパレルがRosalieという
スペル違いの商標をすでに持っていたので
Rosaryでは商標登録が難しいと、
弁理士さんに言われたことで、
moonを足してRosarymoonに。
Rosaryがダメと言われた時に、
Rosaryを諦めなくてよかった!と思える
moonとの出会いに感謝です。
ここで、月に祈る…から
「願いが叶う気持ちになれる服」という
テーマが確定します。
3.ブランドコンセプトを作る
名前が決まったら、Rosarymoonのお洋服を
どんな服にしていくのかも重要なポイント。
Labyrinthとは資本力が全く異なる中で、
自分たちでリスクを負って始めるのだから、
本当に自分たちが作りたい服じゃないと意味がない。
Labyrinthと同じ価格帯では作れないので、
より大人の人にも受け入れられるように、
ターゲット年齢も上げました。
そして、これまたブラント名と同じくらいに
あっさりと決まった不動のコンセプト。
「媚びない色気と抜け感のある甘さ」。
女性目線でも、男性目線でもモテる服。
それがわたしたちの作りたい服でした。
4.洋服を誰に作ってもらうか?
Labyrinthの次の企画として進めていた中から、
再度デザインを見直し、Rosarymoonとして
必要な型数に整理をした上で
1stコレクションの展示会を1月末に行うと
決めたわたしたち。
今までLabyrinthの服を生産してくれた取引先が、
今後もお付き合いをしてくれるのか?は
とても大事なポイント。
服がなければブランドが成り立ちません。
各メーカーさんに一社一社出向いて
事情を説明に行くと、みなさん、
温かく受け入れてくださいました。
今思えば、経営の経験が全くないわたしたちと
よく取引きしてくれたなと思うのですが、
みなさんもそれぞれに独立や起業を
経験してきた方たちなので、スタート時の
気持ちを汲んでくれたのだと思います。
この人たちに絶対迷惑をかけてはいけない。
どんなに資金繰りが苦しかった時でも
絶対に支払いを遅らせなかったのは、
この時に信念を持てたからかもしれません。
5.どこでRosarymoonを販売するか?
これもブランドを始める上で大事なポイント。
わたしたちは営業経験が無いので、
Labyrinthの既存の卸先さんや、
nadesicoのミキさんに紹介してもらったSHOPに
アポイントを取ったり、展示会にお招きをしました。
今では自社のWEB STOREのみで
Rosarymoonを販売していますが、
立ち上げ当初は、各ECサイトさんとお取引し、
1stコレクションからPREORDERを開催して
いただきました。
PREORDERは、
今でもRosaryではメインの受注方法ですが、
サンプルの時点で商品を予約販売し、
受注数に合わせて商品を生産する方法です。
これによって事前に人気アイテムがわかったり、
必要以上に在庫を持つリスクを避けることも
できます。
そして、各ECサイトの既存のお客様に
Rosarymoonを知っていただくきっかけにも
なりました。
6.どうやってRosarymoonを知ってもらうか?
ここでもLabyrinthを継承したことが
大きく功を奏します。
ブログやSNSを通じて
Labyrinthの既存のお客様に対して
Rosarymoonの立ち上げを周知できたこと、
そして、Labyrinthとしてお付き合いのあった
出版社やスタイリストさんに対しても
アナウンスすることが出来ました。
そして、わたしたち自身が
友人・知人に対してアナウンスしたことも、
わたしがよく言う「旗を振る」行為でした。
旗を振ることで、応援してくれる人が
現れるのです。
直接お客さんになってくれたり、
誰かを紹介してくれたり…
それがきっかけで、
雑誌のニュースページに掲載してもらえたり…
本当に多くのビギナーズラックを経験します。
こうして振り返ってみればみるほど、
Rosaryはたくさんのラッキーや
たくさんのご厚意によって形になりました。
これを、ズルいという人もいるかもしれません。
たしかにラッキーは多かったのだけど、
ひとつ言えるのは、それでも
やると決めて立ち上がったのはわたしたちだと
いうことです。
自分たちで!と思いつかなかったら
ただ、職場を失って終わりでした。
初回に戻りますが、やはりここに尽きます。
最近気がついたこと。
わたしは思いつきを現実にするのが得意。
そしてこれも強く思ったこと。
やると決めて、ワクワクしながら、
無我夢中になりながら、
Rosarymoonを形にしてきました。
そして、絶対に守ると決め、
自分たちの理想とするビジネススタイルを求めて、
今までも、これからも、育んでいます。
決してうまく行く自信があるわけではなく、
うまくいかないことがあったとしても
その時は納得行く形で乗り越えようという
「覚悟」をしているだけなのです。
ビジネスは覚悟の連続。
失敗したら受け入れることも覚悟。
覚悟があれば、後は進むだけなのだから。
ということで、3回に分けて
起業ストーリーをお届けしてみました。
思いつきをバカにしちゃいけない!
伝わっていると嬉しいです。