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視察報告 産前産後ケアホテル ぶどうの木 尼崎 産後ケア事業 尼崎市議会議員 池田 りな

こんにちは。尼崎市議会議員 池田りなです。視察の報告をいたします。
 
【開催概要】
日時:2024年10月10日(木)14:00-15:00
視察先:産前産後ケアホテル ぶどうの木
テーマ:宿泊型の産後ケアについて
 

【概要】
産後ケア事業は、退院直後の母子に対して、心身のケアや育児サポートを提供します。病院や助産院などでの日帰りや宿泊を伴う育児支援を受けられます。助産師が子どもを預かってくれる間、お母さんは休息できます。
 
2019年の母子保健法改正により、2021年度から産後ケア事業の実施が市区町村の努力義務となりました。同事業は、少子化社会対策大綱において、2024年度末までに全国展開を目指すとされています。事業にかかる費用の負担は、国が1/2、市町村が1/2です。
 
産後ケア事業には、宿泊型(ショートステイ)、通所型(デイサービス)、訪問型(アウトリーチ)の3種類があります。尼崎市が2022年に市内在住の幼児の保護者を対象に実施したアンケートでは、妊娠中および産後1年の間に希望する支援として、1位が「家事の手伝い」(妊娠中が59.7%、産後1年が63.8%)、2位が「上の子どもの送迎」(妊娠中が53.8%、産後1年が48.3%)という結果が出ました。このアンケート結果設けて、尼崎市において産前産後ケア事業が始まりました。

2023年からは「訪問型」の産前・産後ヘルパー派遣事業を開始しました。対象は市内に住む妊娠中や1歳未満の子どもがいる方です。本事業では、希望する妊婦や養育者に対し、尼崎市と委託契約を結んだ事業所からヘルパーを派遣し家事援助や育児援助を提供しています。
 
2024年からは、宿泊型および通所型の産後ケア事業が開始しました。対象は市内に住む産後1年未満の母子および流産や死産を経験した方です。尼崎市と委託契約を結んだ病院、助産院、産後ケアホテルが対象施設です。

「宿泊型」は1泊5,500円で最大6泊まで、「通所型」は1回2,700円で最大7回まで利用可能です。利用者は、ホームページまたは市の窓口を通じて申請し、希望するサービス内容を保健師と調整した後、受け入れ先の施設を決定します。

先日、私は尼崎市が委託する「産後ケアホテル ぶどうの木」を視察しました。施設内では、利用者向けに子育てに役立つイベントも開催されていました。
 

参照:産前産後ケアホテル ぶどうの木 都シティ 大阪本町|PRE & POSTNATAL CARE HOTEL BUDO NO KI MIYAKO CITY Osaka Hommachi (ppch-j.com)

利用負担額は高額ではありますが、利用された方々からは大変好評です。私の元には宿泊の産後ケアを利用したいお母さんから「人気で予約が取れない」「自己負担額がもう少し安ければ利用したい」「周産期のグリーフケアも実施してほしい」等という声が寄せられています。

ここでは、周産期グリーフケアについて述べます。周産期グリーフケアとは、妊娠中から出産前後にかけて、流産・死産・新生児死亡などの喪失体験をした家族に提供される支援を指します。

尼崎市では、流産や死産を経験した対象者から問い合わせがあった場合、保健師が個別に対応しています。他の都市では、周産期グリーフケアに関する職員向けセミナーの開催や、同様の支援の集まりが実施されています。2023年3月に視察した宝塚市の「なないろ助産院」では、毎月「天使ママの会」が開催され、周産期グリーフケアが行われています。

また、子ども家庭庁のホームページでも、グリーフケアの重要性が次のように述べられています。

“流産・死産・人工妊娠中絶といった周産期の死も含め、『子どもとの死別』は、近親者との死別の中でも特に悲嘆(グリーフ)が強く、その対応が難しいとされています。流産・死産・人工妊娠中絶を含む子どもの死を経験された方に対して、行政や医療機関などの関係者が情報を共有し、精神的な負担を軽減するための配慮が重要です。”

参照:子ども家庭庁 流産・死産等を経験された方へhttps://www.cfa.go.jp/policies/boshihoken/ryuuzan

最後に、産後ケアに対する私の考えを述べます。産前産後に里帰りをせず、または実家が近くても親や親戚に頼れないお母さんが多い中で、私は産後ケア事業の必要性を強く感じています。議員になってから、産後ケア事業の実現に向けて力を注いできましたので、こうして実現したことを非常に嬉しいです。

今後は、①産後ケア施設の対象施設の拡大、②流産や死産を経験したお母さんたちへのグリーフケアを実施できるよう取り組みます。引き続き、お母さんたちの声を丁寧に聞き、産後ケア事業がより利用しやすくなるよう、尼崎市に働きかけてまいります。



尼崎市 産前産後ヘルパー事業
https://www.city.amagasaki.hyogo.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/033/728/herupashintirasi.pdf
 
尼崎市 産後ケア事業
https://www.city.amagasaki.hyogo.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/022/856/sangokeatirashi.pdf
 
参照:産後ケア事業について こども家庭庁
https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/d4a9b67b-acbd-4e2a-a27a-7e8f2d6106dd/da6646c9/20240902_policies_boshihoken_tsuuchi_2024_69.pdf
 
https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/ce28e632-7504-4f83-86e7-7e0706090e3f/1d73c9a2/20231122_councils_shingikai_seiiku_iryou_tWs1V94m_04.pdf

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