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令和4年9月 第9回定例会 本会議 一般質問:インクルーシブ教育について 医教連携 学校にいきづらい子どもたちの校内居場所

こんにちは。尼崎市議会議員 池田りなです。

令和4年9月第9回定例会 本会議 一般質問において、インクルーシブ教育について取り上げました。

インクルーシブ教育が進んでいると言われる芦屋市は、学校数が8校のため横展開しやすく、全校に広がったと聞いております。本市は、小学校が41校と学校数が多く、教員の転勤も多いため、尼崎版インクルーシブ教育の確立がしづらい状況だと考えます。

参考になる事例として、2つの取組を紹介します。

1つ目は、武庫の里小学校が空き教室を利用し、学校に行きづらい子供たちが過ごせる場所SOCIARIUMを設けています。社会を意味するSocietyと、ラテン語でつながっている場所を意味するariumから来た造語です。

私も、学校に行きづらかったお子さんが、SOCIARIUMを利用して学校に通えるようになったという保護者から教えていただき、先日、見学に行きました。その教室にはテントや勉強スペースがあります。加配の教員なしで、先生方が校長先生の思いに賛同され、交代でSOCIARIUMで児童を見守っています。

2つ目は、武庫東中学校の学校支援専門家派遣事業を利用した医療機関が学校と直接つながる医療連携システムです。尼崎総合医療センターの小児科医が来校して全クラスの授業を見学し、教員に対しアドバイスをします。小児科医が学校を巡回し、気になる生徒へコメントをつけ、別室で担任とその生徒に合った支援をディスカッションします。

尼崎総合医療センターがかかりつけ病院の場合、主治医から教員に指導のアドバイスが直接できます。これにより、発達特性がある生徒に合った支援を教員と医師が連携して行うことが実現しています。ぜひ各学校、このような工夫を凝らした取組を共有し、展開していただきたいです。ここでお伺いします。

<池田 質問>
インクルーシブ教育に思いがある教員を集め、モデル校をつくり、その尼崎モデルを横展開していくべきと考えますが、御見解をお聞かせください。

<教育次長 答弁>
教育委員会といたしましては、令和3年2月に策定した本市の特別支援教育の基本方針に基づいて、支援の必要な子供たち一人一人の教育的ニーズに応じた指導、支援を行えるように、インクルーシブ教育システム構築のための特別支援教育の充実に努めているところでございます。

そのため、議員御提案のモデル校の実施ではなく、全ての学校園において、障害のある子供と障害のない子供が可能な限り同じ場で共に学ぶことを目指すことを基本としていることから、それぞれの子供が授業内容を理解し、学習活動に参加している実感、達成感を持ちながら充実した時間を過ごしつつ、生きる力を身につけることを目指したインクルーシブな教育を推進してまいります。

<池田 質問>
不登校児童・生徒が増えていることが長年課題として挙げられていますが、学校に行きづらい児童・生徒への取組に対して、どのように学校の垣根を越えて情報共有しているのか教えてください。

<教育次長 答弁>
次に、学校に行きづらい児童・生徒への取組に対して、どのように学校の垣根を越えて情報共有を行っているのかとのお尋ねでございます。  学校に行きづらい児童・生徒への取組についての情報共有につきましては、小学校生徒指導研究協議会については年に6回、中学校不登校研究協議会については学期に1回開催し、各校の不登校の状況や取組について情報共有を行っております。

また、指導主事による年2回の学校訪問においても、訪問した学校の不登校児童・生徒の状況をはじめ、他校の取組状況等の共有を行っております。  

<池田 質問>
保護者や教員から医教連携を市内の学校でもっと広げてほしいと声をいただいております。医教連携を進めていく上での課題を具体的に教えてください。

<教育次長 答弁>
最後に、医教連携を進めていく上での課題は何かとのお尋ねでございます。 現在、学校は医療と連携し、保護者の了解を得て、主治医から子供たちの病気や発達の状態等について情報提供いただき、子供たちの状況によってはカンファレンスの開催や、医療関係者を講師に招き教員研修を実施し、指導や支援に生かしております。  また、学校支援専門家派遣事業において、学校からの依頼に基づき医師を学校へ派遣し、子供たちの生活や学習の支援について助言をいただいております。しかしながら、せっかく助言をいただいても、学校の環境整備や人的配置等が必要な場合に十分に対応できないことが課題でございます。


ここからは要望になります。尼崎独自の取組、学校支援専門家派遣事業ですが、特に医教連携は、近隣他都市が研究をしてまねをするような大変すばらしい取組です。令和3年度の予算は108万円ですので、専門家への謝礼が1時間9,000円のため、120時間の派遣が可能です。専門家派遣事業は、尼崎市内の幼・小・中・高・特別支援学校72校が対象になります。


72校、1回に2時間、1年に3回派遣されるとすると432時間必要になります。現在の予算では足りません。特にいじめや訴訟の相談をする弁護士派遣などは1時間で終わりませんし、過去の本市の重大事案、いじめや訴訟も専門家に相談し、早く手を打っていたら解決していたかもしれません。また、医師派遣にしても、1時間で全校生500から600人を診ることは不可能であり、また、成長が早い子供たちに対しては、年に二、三回の巡回が必要だと考えます。

学校現場への専門家派遣事業の啓発と周知、利用校がさらに専門家派遣の時間を増やせるよう、予算を増やしていただくよう要望いたします。

尼崎市議会ホームページ


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