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兄弟、保護犬カフェに行く

犬を飼いたい!ブームの兄弟。

私がこんなに家にいない状況ではまず無理だし、犬はモノではない、命だということをわかって欲しい。

そう考えて、保護犬カフェに行くことにした。

初めてお店に行った時、子連れの私を見てお店の人がちょっと困り顔だった。話を聞くと、夏休みに「犬と触れ合える!」と店に来た子どもが店内で大騒ぎし、犬が怯えてしまう、怪我もしてしまう、ということがあったらしい。子どもに対して警戒心がある様子。

では、こちらのルールを私たちに教えてくださいと頼む。

「保護犬カフェではとにかく犬の命を大事にしてるので、それが理解できない場合は、例えうっかりであっても、ワンコ第一なので退店してもらいます。走らず、大きな音を立てず、無理に触らないで。ひとりで抱っこしないで。犬を大事にして。できますか?」という説明を受ける。真剣に聞く長男。

犬たちがなぜここにいるのか彼なりに理解しているようで、「捨てられたりした犬やから怖がりなんやんな」とか言いながら、無理に触ろうともせず、とても賢く過ごしてる。

遠慮がちに名前を呼びながら手をちょろちょろっと出して犬を呼ぼうとする。犬が怖いというよりどう大事にしたらいいかわからないようで、抱っこはしない。だけど、「あれはアルビノ、これはオラフ」と、犬の名前をほぼ全部覚えてたりする。好きなんだね。

そんな賢く過ごす長男を見てお店の方が、「1年生にしては大人びてますね」と声をかけててくださった。

「一生懸命犬を大切にしようとしているんだと思います。いつもは全然こんなんじゃないですよ。」とお返事すると、更に彼に対して丁寧に説明してくれた。

犬たちがペットショップで無理やり交尾させられ妊娠を繰り返し、身体がボロボロなこと。長生きはしないだろうから、せめて残りの命を愛し愛されて幸せに生きて欲しいと願ってること。

その時私の膝で寝てた犬は、貴重な種類として交配を繰り返させられ、小さな体で何度も妊娠出産をしていること。その影響で歯はボロボロ。顎の骨も溶けて恐らく折れてもいるので、お膝から飛び降りるとかの少しの衝撃で大変な重傷になるだろうこと。

保護犬カフェへ2回行って、長男は犬を飼いたいとは言わなくなった。その代わりに、ペットってどういう意味かな、と言ったりしてる。

次男は相変わらず犬飼いたいー!と言ってるけど、そこに「早く大きくなりたいなあ。ぼくのお膝がもっと大きくなったら、犬も危なくなくて乗れるやんな。」という言葉もくっつくようになった。

最初お店に入ろうとしたときは、お店の人に嫌がられちゃったかなっていう気持ちもあった。だけど大事なところを大事なんですねってわかろうとすれば、繋がれるよねって実感した。

本当に行って良かったし、受け入れてもらってありがたかった。保護犬カフェに行って、犬が私のお膝で寝てくれたことも、腕と身体の間に顔を突っ込んでくれてキュンとしたことも嬉しかったけど、何より「何かを大切にしたい」という思いでつながりわかりあうお店の人と息子たちの姿を見ることができたことが、嬉しい。

いつか大好きな犬と一緒に暮らしたいねえ息子たちよ。

by平田里菜


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