![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/13689051/rectangle_large_type_2_eb4aa85bbd543f019012817d1fa6896d.png?width=1200)
嬉しくて泣いた日。
わたしは、めったに嬉し泣きをしない。
嬉しいことがあっても、心のどこかに「冷静にものごとを見ようとする自分」が鎮座しているからだと思う。
おそらく、自分の心を守るために。
ただそれは、自分の心の奥底の気持ちにちゃんと向き合えていない、ということの証左でもある。
今回の「言葉の企画」の講義。
わたしはこっそりと泣いていた。
ほんとうに嬉しかったからだ。
冷静な自分は、そこにはいなかった。
***
「私の素敵な人」をテーマにエッセイを書くという課題。
わたしは大切な友人のことを書いた。
課題を見た瞬間、誰のことを書くかは決まっていた。
彼女の素敵なところを伝えるなら、どんなことを書けばいいだろう。
どんなふうに文章にすれば、届くんだろう。
帰りの副都心線に揺られながら考える。
そのときからもう、わくわくは始まっていた。
彼女とは思い出がありすぎて、何を選んで書けばいいのか悩んだ。どのエピソードを書き、どのエピソードを書かないのか。
時系列で出会いから現在まで大まかに書いてみたり、それを全部消してみたり。
大変だったけれど、書いているときは楽しかった。文章が思いつかずにうんうん唸っているときでさえ、楽しかったのだ。
もともと、お互い大事な存在だよね、という共通認識はずっとあった。
誕生日に送りあうメール(ガラケー時代のメール!)でも、そんな話をよくしていた。
それでも今回、「素敵な人」に彼女を選び、あらためて3000字近くの言葉にまとめようと思ったのはなぜなのか。
エッセイを書いているときは、彼女に読んでもらうため、というつもりで書いていた。
でも阿部さんの講義を受けて、ここ数日考えてみて、ふいに腹落ちした。
そもそも、自分が彼女への気持ちを言葉にしたかったんだ。自分がその文章を読みたかったんだ。だから楽しく書けたんだ。
何人もの人から、コメントをいただいた。
講師の阿部さんからも、「伝わった3人」に選んでいただき、「読めてよかった」というシンプルでいちばん嬉しい言葉をもらえた。
本気が伝わった、と心で感じた。
嬉し泣きをしたの、いつぶりだったかな。
言葉や企画に対する「本気」とか「愛」が大事だと学んできたし、noteにも何回も書いた。
でも今回の課題に対する自分の姿勢で、「あ、こういうことなんだ」とほんとうの実感が持てたと思う。
めちゃくちゃ良い文章が書けたぞ、とは思わなかった。でも、本気で書けたぞ、とは思った。
この感覚を、忘れずにいたい。