インドネシア滞在記 vol.3<言語と民族とNARUTO>
向こうに行ってすごく感じたのが、日本のアニメの浸透率の高さ…!あまり日本のこと知らない、日本の首都どこ?みたいな人でもアニメの話しになるとめっちゃ話し出す。クレヨンしんちゃん、ワンピース、ナルト、、昔は現地TVでアニメが放送されていたらしい(今はサブスク放送らしい)。私も小学生の時にNARUTOが大好きだった1人。アニメも漫画もゲームも大好きだったから、現地の人と話して、漫画の記憶が蘇る。
NARUTOは忍の物語。全72巻あって、辛い幼少期を過ごしたナルトがいろんな境遇を乗り越えて火影になる話を描いている。どうやらこの物語が、インドネシアの人たちの心をとても掴んでいるらしい。
地元の言葉、民族、音楽
現地の人に教えてもらった話をベースにインドネシアを少し紹介をすると、インドネシアは他民族、多言語国家。国に700もの言葉があるらしい…!インドネシアの公用語は、インドネシア語だけど、私が滞在していたジャワには、ジャワ語(JAVANESE)という言語がある。みんな地元に言語を持っていて、最初に覚える言葉は、地元語。学校でインドネシア語を学んでようやく、地元以外の国内の人と話すことができる。
日本で言うと、47都道府県に全然違う言語がある感じなのかな(言語数で言うと、都道府県か市町村ごとに言語が違う規模よね)。実際、方言は存在するけど、多少のイントネーションと、語彙が違いくらいで大きくは違わない。インドネシアでは、同じ国内でも、別の地域の言語を聞いても意味がわからないくらい、全く違う言語を持っているらしい。
衣装も音楽も食べ物も宗教もその地域らしさがある。Lombok(ロンボク島)という地域から来ていた友人が、「地元の音楽といえばこれ!」ってYouTubeで“Sasak”の音楽を聴かせてくれる。
私の地元の曲ってなんだろう。。ああ、多分、お祭りの石岡囃子だ、と思ったりする。
木の葉 = インドネシア?
NARUTOにも、“一族”という括りでいろんな民族が登場する。各一族は、見かけの身体的な特徴から、伝統的な術を使えるといった特殊能力の違いが存在する。違う一族同士、術を組み合わせて新しい技を生み出したりする。時として長年仲の悪い一族や、誰かがある一族や里を潰そうとする場面もあったりする。そんな一族のスタイルが、どうも自分たちの国の事情を描かれているように見えるらしい。
さらに、NARUTOには“火影”という里を守る長が登場する。主人公のナルトも7代目の火影になるのだが、インドネシアの大統領の数とリンクしていて、国事情と重なるらしい(2024年に就任するプラボボ大統領で8代目)。NARUTO上で、5代目火影を務めた綱手は、1代目火影の孫。初の女性の火影である。
インドネシアの過去の大統領の5代目も、1代目のスカルノ大統領の孫であり、初の女性だったらしい。
NARUTO上では、自分たちの里のことを“木の葉の里”と呼ぶのだが、この“木の葉”は、インドネシアを表しているように感じるみたい。
日本文化に見せかけて、他国のストーリーが乗っかっている?
このアニメNARUTOでは、日本人が読んでもとても心が動く。ストーリーの中では、“忍” “アニメ” “ラーメン”という日本の文化の象徴的なものが出てくる。術の名前の中では、“イザナギ” “天照” “スサノオ”という、日本文化の中で封印されつつある古事記の中の単語が出てくる。
でも、同じアニメの中に他国のあり方も描いているだなんて、彼らと話すまで知らなかった。もしかしたら、他にもいろんな国のストーリーや生き方が描かれているのかもしれないと思ったり。
自分も昔大好きだった作品が、自国の文化が、海を渡って、バックグラウンドが全く違う人たちの心を掴んでいると知って、不思議な気持ちになった。
人と人って、こうやって繋がることもあるんだな、って新たな表現の方法を知った瞬間だった。