けっこう精神力を使うのです。
手技のお話。
ペットのボディケア業界はどんどん盛んになってきて、〇〇式マッサージとか、〇〇整体とか、筋膜リリースの機械とか、本当にたくさん増えてきました。
考え方の違いで揉めごとが(マッサージだけに)あったりなかったりするけれど、体がゆるまれば、どんな手技でもいいんじゃないかなと思っています。
目的は同じだからね。
けれど、とは言えやっぱり「よくないウワサ」を聞くこともあります。
例えば、施術の後にびっこを引くようになったとか、施術してから数日間くてっと疲れて寝ていたとか、そういうやつです。
なかにはケガをしてしまった、というのもありますね。
これは、ある特定の手技というわけではなく、個人の技量によるものだと思うのだけど、そういう話をお伺いしてみて共通しているのは、【ちょっと無理してるな】ということです。
「無理してるな」というのは、可動域を広げようとその子の許容量を超えてがんばったり、なかなかほぐれないからと長時間施術をしてしまったり、体力のない子なのにそれを考えずたくさん施術してしまったり。
じぶんの中にある理想を相手に押し付けてしまったような感じがします。
わたしも苦い経験があるから、すごくよくわかるのだけれど。
施術者は、きっと必死なのだと思います。
目の前にいる子のために、少しでもよくなってほしくて、頑張っているのだと思います。
けれど、それが少し空回りしてしまって、相手の反応が見えなくなることがあります。
状態が悪い子ほど、施術者の視野が狭くなるのを感じます。
よくしようと必死。それは飼い主さんも同じですね。
気持ちが大きければ大きいほど、施術に熱がこもっていく。
そうすると、無意識に手に力が入ってしまいます。
手に力が入ると、感覚が鈍感になるから、よけいに相手の反応がわからなくなる。
なので、ちょっといったん落ち着きましょう、という話です。
そんなにがんばらなくても、相手はゆるんでくれる。
反対に、ゆるまらない場所は、いま相手がゆるませたくない場所なのだと思います。
「相手の反応を待つ」ということを、いつも頭の片隅に。