ポッドキャストの書き起こしを英語学習に使うコツ
こんにちは。アライ@翻訳です。
(音声版でも配信しています。リンクはこちら)
さて、EnglishChallengeさんとのコラボ企画「ポッドキャスト会」第2回が終了しました。
ポッドキャスト会とは
読書会/ブッククラブの英語ポッドキャスト版。
好きな英語のポッドキャストを聴いて、英語で要約をし、イベント当日にみんなとシェアするという、少人数、約1時間のグループワーク。
詳しくは、こちらの記事をご覧ください。
今回は参加者の方との会話から見えてきた、ポッドキャストの書き起こしを英語学習に使うコツをお伝えしたいと思います。
ちなみに、ポッドキャスト会第1回の振り返りとコツをまとめた記事はこちらでご覧ください。
1.書き起こしとは
以前の記事でも、英語ポッドキャストを聴く時に役立つものの1つとして、「書き起こし」を取り上げました。音声のコンテンツを文字化したものですが、ポッドキャストの中ではよく「Transcript」と言われています。
※似た表現としては「Script」。カタカナでもスクリプトという事もありますが、正確にはこちらは脚本や台本という意味になるので、ポッドキャストの書き起こしを検索する場合は「Transcript」が最適。
この書き起こしですが、公式のものが手に入る番組もありますが、すべてのポッドキャストが配信しているものではありません。
傾向としては、英語学習系の番組では比較的書き起こしが手に入るものが多いようです。
また、ネイティブ向けの番組の中でも、例えばNPR(アメリカ公共ラジオ局)が配信する番組では手に入るものが多かったり、以前紹介したサイエンス系の番組は、番組のファクトチェックのレベルの高さをアピールするためにあえて書き起こしを公開する、という例もあります。
2.どんな時に書き起こしを使うのか
それでは、実際にどんな時に書き起こしが欲しい!使いたい!となるかと言うと、まさにポッドキャストを聴いて単語が聞き取れなかった時ですよね。
今回も、参加された方で「書き起こしを利用した」という声を聞きました。ただ、そこを掘り下げると、聞き取れなかった単語にも2種類ある事が明らかになりました。
①新出単語だから聞き取れなかった
②知ってるはずの単語だったのに聞き取れなかった
今回は、この2つの観点を掘り下げて分析してみたいと思います。
3.新出単語の場合
まずは、新出単語の場合。これは、当たり前ですよね。ポッドキャストは毎日多くの番組が更新されています。つまり、今使われる新出単語の宝庫なんです。
言語は生き物。毎年流行語が出てきますし、単語の使い方も時代によって変わってきます。
例えば2020年なら誰もが使っているquarantine (隔離)やsanitizer(除菌ジェルなどの消毒剤)などのコロナ関連の単語ですが、実際に通常の英語教材に頻出単語として書かれているか、と言ったらそうではありません。
ポッドキャストを使うと、英語教材には追い付けない速さで、今知りたい単語に触れる事が出来ます。
4.知っているはずだった単語の場合
次に、知っているはずだった単語の場合です。
実はこれ、参加者の方からのフィードバックだったんです。書き起こしを使う事で、「自分の発音と実際の発音とのギャップに気づくことが出来た」そうなんです。
ちなみに原因を一言で言うと、今まで正しい発音が分かっていなかった事を意味します。
ただ、実はそれだけではなく、英会話のシーンでは、相手が言っていることが聞き取れていなかっただけでなく、自分が言っても相手にちゃんと伝わっていなかった事にもつながります。つまり、勉強したはずの単語が、リスニングとスピーキングでは使いこなせてなかった事に…。
「国内ではアウトプットの機会がないから英語が伸びない」「リスニングとスピーキングは独学では上達できない」という声は良く聞きますが、「実は独学でもこの2つの要素にテコ入れ出来る」と気づかせてくれたのが、今回のフィードバックでした。
単にポッドキャストを聴いて「分からない部分を書き起こしで理解を補った」というだけでは実は勿体なく、更に「なぜ分からなかったのか」を掘り下げると更に自分の改善箇所が見えてくると思います。
5.最後に
今回2回目の開催だったポッドキャスト会。
英語学習という視点からポッドキャストを利用する試みでは、ポッドキャストの分析だけでなく、英語学習側の分析が非常に重要で、私も一人の言語学習者として改めて自分の強み弱みを棚卸しつつ、このプロジェクトに取り組んでいます。
ポッドキャストが普通の英語教材と違うのは
①スピードが実際のネイティブレベル
②単語の例文が、実生活に使える
③日々配信されている番組で、今使える頻出単語が分かる
要は、今の生きた言語を使うことが出来るのが、圧倒的な利点です。
今回のポッドキャスト会では、そんな生きた音源を聞きながら、独学でもリスニングとスピーキングを補える教材として、ポッドキャストが役立てる存在であることに気が付けました。
今後も、新たな手法を取り入れながらも第3回目のポッドキャスト会開催に向けて準備を進めていきたいと思います。
それでは、次回のnoteで。