Podcast News - Amazon、ポッドキャストに本気
こんにちは。アライ@翻訳です。
これは、読んでもらうために書いている文章ではなく、聴いてもらうための文章です。音声版を同時配信していますので、そちらを是非お聴きください。リンクはこちら
今日は、年末に発表されたポッドキャスト界の買収ニュースについてお話したいと思います。
1.Amazonが買収したのはどんな会社か?
昨年年末ぎりぎりに、Amazonがポッドキャスト配信会社の買収を発表しました。買収されたのはWonderyという会社。エンタメ大手のFOXの元幹部であるHernan Lopez(エルナン・ロペス)氏が、2016年に立ち上げたアメリカのポッドキャスト配信会社です。
どんなポッドキャストを配信しているかというと?人気ジャンルはTrue Crime(トゥルークライム)、いわゆる犯罪ドキュメンタリーで実際に起こった凶悪事件を取り上げるストーリーテリングタイプのジャンルです。
2.人気番組
その中でも人気番組をいくつかご紹介したいと思います。
Dirty John
こちら、Netflixのドラマで見た!という方もいらっしゃるかもしれませんが、このドラマの元になったポッドキャストがこのDirty Johnです。
魅力的な男性詐欺師が、ある女性とその家族を次第に巻き込んでいく、という話。結構ずるずると引き込まれる展開で、何となく昼ドラを見る気分なのかも?と思ってしまいます。
Dr. Death
こちらは医療ミスを取り上げた犯罪ドキュメンタリー。
腰痛を治してくれると州でも評判な医師が、実は30人を超える患者に酷い手術を施して重度の後遺症や中には死に至るケースも発生したというとんでもない事件を扱った番組です。
こちら、今回Wonderyという会社を調べている時に見つけて最近聴き始めたんですが、自身も腰痛もちである身としては、ちょっと身の毛もよだつ思いがしました。
Business Wars
これ、実は日本語ローカライズ版もニッポン放送から配信されています!
一言で言えば、ポッドキャスト版「ガイアの夜明け」。業界で競合する会社を取り上げて、どのようなバトルを繰り広げてきたのか?事実を元に紐解いていく番組です。いろんなジャンルの会社を取り上げていて、例えばナイキ対アディダス、任天堂対ソニーなど、面白い対決が盛沢山です。
3.買収したあと、どうなるか?
Amazonの買収は最終詳細まではクローズされていないものの、買収額は3億ドル、日本円で約310億円を超えるそうです。
Amazonからの発表によると、まずはAmazon MusicでWonderyの番組が聴けるようになるそう。独占配信、というのではなくあくまでもリスナーが今まで通り、iTuneやSpotifyなどでも聴けるように、顧客体験は今まで通り維持していくと述べられています。
一方で、True Crimeジャンルに強そうなこのWonderyとAmazonの買収で気になるのは「今後のドラマ化はAmazon Prime独占配信」という可能性はあるんじゃないか?と予想しています。
というのも、この会社のCEOはFOXの元幹部。今回挙げた3つの番組のどれもドキュメンタリー調なんですが、TV番組のドキュメンタリーと似た作り方なんです。TV番組のドキュメンタリーの音声版的な感覚、逆に言うとすぐに映像化できそうな番組が多いんです。
今まで紹介してきたいろんなドキュメンタリー調なストーリーテリングタイプのポッドキャストもいろいろあったんですが、ここまで効果音やセリフなどがドラマ仕立てになっているタイプ、個人的には驚きでした。
4.それぞれの狙い
Amazon側からすると、映像化の土台が整っているからこそ、これからAmazonが持ついろんな媒体でWonderyのコンテンツを効率よく使う事が出来るという点がおいしいんじゃないか、と思っています。
もちろん、Wondery側にとっても、世界中にいるAmazonのPrime会員やスマートスピーカーなど、Amazonの一大インフラを利用して今まで以上にリスナーをイッキに増やすことが出来るのは、コンテンツ制作側からしても大きな利点です。
後、このWondery、実は独自アプリがあったり、サブスクビジネスで特別コンテンツを聴けるという事もしてるんですが、ここが今後Amazonのプラットフォームとどう折り合いをつけていくのか?というのも、リスナー側としては注目しています。
5.最後に
今日は、年末のAmazon、ポッドキャスト会社の買収というニュースを取り上げてみました。
実は、このニュースのリサーチ中に聴き始めたBusiness Warsという番組、今すごくハマって聴いています。次回のnoteではおすすめポッドキャストとして紹介したいと思いますので、是非また聴いてみてください。
それでは、次回のnoteで。