イギリス2 時の流れを感じてー古今ロンドン名所巡り
旅にまつわる音楽を聞きながら、記事をお楽しみ下さい♪
ロンドン・アイとテムズ川を眺めながら
英国の凛とした上品な雰囲気がとても似合う絹田朋子先生は、2000年に出来た有名な観覧車「ロンドン・アイ」から近いとてもお洒落なエリアの、テムズ川沿いのレストランに連れて行って下さった。
暗めの関節照明に照らされる料理は、それだけで大人の雰囲気を醸し出していた。
「フィッシュ&チップス以外に、イギリス、こんなエスニックフードもあるんですね」
「意外と移民が多いから、フィッシュ&チップスに飽きた人達が開店した国際的なレストランが、結構人気みたい。フィッシュ&チップスは、明日ふんだんに食べてね」
ガラガラの声になっていても、ここでも懲りずにアルコールも注文した。
「アールグレイ・マティーニ。まさにイギリス!これにします!」
「いいね、森さん!じゃあ私も、同じのにしよっと」
ムード満点の雰囲気に酔い、先生からロンドンにまつわるお話、そして先生の人生のお話をたくさん聞かせて頂いた。
ラウンジ音楽が心地良く聞こえ、ドナウ川とはまた違う賑わいを持つテムズ川で、私はあっという間に酔いが回り、絹田先生とイギリスへの愛を語り合った。
「『プライドと偏見』や『つぐない』みたいに重厚感がある映画、イギリスらしくていいですよね」
「じゃあ、森さんは歴史的なイギリスに惹かれがちなのかな?」
「いえ……欲張りで、『ラブ・アクチュアリー』や『ブリジット・ジョーンズ』みたいな、お洒落で楽しい映画も、昔から大好きなんです!」
「そうなんだ!森さんは、小さい頃からイギリスが好きだったの?」
「そうですね。祖母が、エリザベス女王に似てると言われていて……。その上家族もみんなイギリス好きだったから、生まれた頃から好きなのかもしれないです」
「おばあ様、エリザベス女王に似てるの?それじゃあ、明日はバッキンガム宮殿の近衛兵のパレードを見ないとね」
「そう、リクエストされてまして。ちゃんと撮れるか緊張します。どの場所がお勧めですか?」
映画のように愉快なロンドンタイム
楽しい時間は、いつも驚く程に早い。
真っ赤な顔になった私は、ほんのりとピンクの頬に変わった先生に連れられ、平和で陽気な賑わいを見せるテムズ川を散歩した。
赤い電話ボックスも、もちろん使用した。
「誰に電話しましょう?」
「岩田先生(日本のピアノの恩師・岩田朋子先生)がいいんじゃない?」
「この声で?!怒られちゃいますっ。遊学モードから留学モードに切り替えないと」
帰りのホテルまで陽気なほろ酔い気分は続き、先生と人力車でホテルへ。
「明日も一緒に楽しみたいのになぁ……。仕事で明日はガイドできなくて、ごめんね」
「いえ、今日先生に会えて感動しました……!」
「森さんは森さんらしく、留学生活を過ごしたらいいと思うよ。今吸収できることに、その旅行も含まれてたと思うから、胸を張ってこの調子で頑張ってね!」
誰にも内緒で行ったコンチキツアーを絹田先生は肯定して下さり、私は胸が熱くなるのを感じた。
また先生のおかげでイギリス人と移民が繰り出すハーモニックなロンドンも堪能することができて、私は幸せ者だ。
イギリスの栄光の時代を感じながら
翌日は、早朝からロンドンの名所を回った。
パリ同様、このロンドンも数日で回るなんて到底不可能だった。
だがパリでのフランス語と違い、ロンドンは全てが英語表記だったので、そこは有難かった。
家族と共に何度もテレビで見た、ロイヤルファミリーの名所であるロンドン塔、セントポール大聖堂、ウェストミンスター寺院で、イギリスの栄光を肌で感じた。
ちょうど快晴だったからか、脳裏ではエルガーの『威風堂々』が豪快に鳴り響いた。
雨だとどのような曲が鳴るのか、興味深い場所だ。
ダイアナ妃の死やヘンリー王子夫妻の王室離脱などがその場合、よりインパクトを残すかもしれない。
絵画から抜け出して来たかのようなビッグ・ベンを見て、巨大なフィッシュ&チップスをあっという間に一人でペロリと平げ、ウェイター達に歓声を上げてもらった後は、こちらも憧れだったバッキンガム宮殿へ。
世界史の舞台が、目の前に
先生や出会う方々からしっかりアドバイスして頂いたおかげで、私はドンピシャの時間にバッキンガム宮殿の適所に到着することができた。
『威風堂々』を流しながらテレビを通じて眺めていた近衛兵のパレードが、今、目の前で悠然と行われている。
留学できてこうしてイギリスへ来れたことに、改めて心から感謝した。
中学で歴史を習ってからというもの、何度もヴィクトリア王朝に飛び込みたいと夢見たが、今まさに、タイムスリップをした気分になれた。
エリザベス女王やダイアナ妃に憧れていた祖母や母のために何枚もの写真を撮り、興奮気味にその写真を送った。
家族の興奮もまた、私に劣らないものだった。
英国ロイヤルファミリーならではの気品と歴史は、今もウィリアム王子とキャサリン妃に受け継がれている。
憧れのキャサリン妃が今後どのようにウィリアム王子やロイヤルファミリーを支えて行かれるのか、今後も目が離せない。
「飛行機の時間、忘れないようにしないと…。よしっ、急いでナショナルギャラリーに行かなきゃ」
私は最後にナショナルギャラリーへ、どうしても会いたかった画家に会いに行った。
現代の名所も歴史的名所も
現代のロンドン、栄光の歴史舞台のロンドン、どちらも見れたことで、よりこの大都市への愛着が湧いた気がする。
例え短い滞在期間だったとしても、夜は出来るだけ遅くまで、朝はできるだけ早くから、ロンドン各所で時の流れを感じて頂きたい。
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