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スイス1 1000フラン(=10万円)紙幣がある理由(コンチキツアー1−10)

ずっと参加したかった、英語を使った国際ツアー「コンチキツアー」での思い出です。
旅にまつわる音楽を聞きながら、記事をお楽しみ下さい♪

<訪問国15 スイス>

「スイスってどんなイメージ?」

「平和!チョコレート!時計!」
バスガイド、ルーカスの質問の答えは、大体万国共通だった。
第二次世界大戦で世界が崩壊に向かった時も、スイスだけは平和を守り抜いた。

意外にスイスのイメージで、アニメ『アルプスの少女ハイジ』は出て来なかった。
アメリカのルームメイト・ジュリーも、知らないと言う。
「日本で大ヒットした、アニメなんだよ!スイス人が書いた物語を、日本人がアニメ化したんだけど……だいぶ昔のアニメだからかな」
「へぇ〜。スイスとRinaを思い出しに、アメリカに戻ったら見てみようかな!」

ドイツ語圏の、「ルツェルン」へ

バスは、スイスのルツェルンに辿り着いた。
ルーカスは気持ち良さそうにスピーディーな英語で、ルツェルンのことを説明してくれる。
「スイスは多言語が使われている国だって、みんなも知っているよね?このルツェルンは、ドイツ語圏だよ」
「ドイツ語圏だって!Rina、ここでもまた、ドイツ語を使えるじゃない」
ドイツ圏の国、オーストリア・ウィーンへの留学で、私はドイツ語が少しずつ話せるようになっていた。
ドイツでの買い物やオーダーはできるだけドイツ語で話したからか、周りのツアーメイトも私がドイツ語を少し話せることを、覚えてくれていたようだ。
「ここでも、私達を助けてね!私は外国語、フランス語だったから、フランスでは私に任せて!」
「ジュリーのフランス語、楽しみ!それにしても、スイスのドイツ語、方言が強いって聞いてるか、助けられるかなぁ……」

両替で、1000フラン紙幣?!

スイスは、ユーロ紙幣が使われいない国でもある。
私達はまず、持っているユーロやドルを一部、フランに両替した。
「1000フラン紙幣に、両替する人〜?」
「無理無理。2日でそんなに、いらないでしょ?」
スイスでは、なんと10万円に相当する、「1000フラン」という紙幣がある。
ユーロでも5万円に相当する500ユーロがあるものの、10万円相当の紙幣はさすがにない。
色々と個性も感じさせる国だ。
「いやいや。1000フラン、高収入のビジネスマンや資産家が持ち歩いてて、この国では実際、どこのお店でも普通に使われてるって……」
「早速時計店でショッピングだし、1000フラン紙幣が見れるか楽しみだね」

気持ちが引き締まる、時計試着

まずは、ルツェルンで生まれた「カール・F・ブヘラ」を中心とする時計店にやって来た。
「記念に一個、買って帰ろっか」
ツアーメイト達と早速10個位試着したが、どれも気持ちが引き締まり、それでいて美しい時計ばかりだ。
「この時計が、特にあなたに似合っていますね」
まろやかなテノールの声で、とてもエレガントな風貌の店員に褒められて、ますます気分が浮き立つ。
「うん、確かに君の細い腕にピッタリだね!」
「Rina、記念に買ったら?」

ツアーメイト達にも褒められ、
「よしっ。マドリードでのシャネルの財布のように、記念に買って帰ろうか」
という気分になる。そしてふと、値段を見た。
「あの……これ、ゼロが一個多くないですか?」
今まで頑張ってドイツ語で会話をしていたが、思わぬショックで、言語は英語になっていた。
「いいえ、この通りですよ。日本円でしたら、24万円ですね。いかがですか?」

同世代のツアーメイト達や私は、ここでは記念時計を買うことは出来ず、一世代上のコンチキツアーメイトが時計を買うのを、羨望の眼差しで見つめた。

姿を現した、1000フラン

「わ……出て来たよ、1000フラン(=10万円)!」
「1000フランの出番、普通にあるじゃない!」
他の紙幣と一見そう変わらない見かけだが、そこにはきっちり「1000」という文字が入っていた。
リッチな紙幣2枚に数枚の紙幣、小銭を爽やかに渡す、「アメリカの父」ダン。
実際は10歳位の年の差だったが、私達は互いを愛嬌を込めて「父」や「娘」と言い合った。彼は私達の視線を感じたようで、買い上げた時計を嬉しそうに見せてくれた。
「大丈夫、その内ゼロの感覚が君達も変わってくるよ」
一緒に旅行を楽しんでいるダンからそう言われると、実際、将来は簡単に数十万円の時計も買える気になってくる。
「そんなもん?じゃあ、将来のために、もっと試着しとこう!」
これだけたくさん高級時計を試着したのは、生まれて初めてだった。
店員さんも高級店の割に、どれも気軽に試着をさせて下さり、スイスは太っ腹な国でもある。

物価も高めのルツェルン

1000フラン(=10万円)を超える時計や高級品に溢れ、1000フラン紙幣が日常の延長でサラリと使われる国、スイス。
その感覚が全てに通じているのか、ランチを食べるにも、ちょっとした小物を買うのにも、オランダやドイツよりも全ての値段が高めだった。
話題のレストランもなかなかの値段だったため、私達はチョコレートも食べられるカフェで、スイーツ中心のランチを楽しんだ。
「今までの感覚ではダメだね、スイスは……いやあ、物価が全然違う!」
「今度スイスに来た時は、1000フラン紙幣を当たり前のように持って、集合しよう!」
「それ、相当ハードル高いよ!」

スイス旅行、とりわけスイス製時計の購入を考えている方は、今海外に行けない内にしっかり資産を増やしておかれると、この国をますます楽しめるのではないかと思う。

#スイス #ルツェルン #時計 #コンチキツアー

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